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巨大カニ看板

ど~も守屋です。

久々の更新でございます。

前に書いたのは たしか初夏だったはず。

もう秋の気配がしてきておりますので季節を1つ飛ばしての更新です。

いやいや、大変忙しいくてね。

2人もアルバイトが辞めてしまったもんでねー。

なもんで、ここんとこ現場を離れて打合せや事務的な仕事が多かったワタシも大忙しで作業しとります。

まぁ、この方が精神的にも肉体的にも自分には向いてるんだけど。

この様に、ほぼ毎日12時間ほど勤務する日が続いておりますと、ストレスでいつもなら恐ろしい程の

物欲に襲われ、目をつぶると 「ヤ・フ・オ・ク」 の四文字が浮かび上がる程のワタクシ守屋でございますが、

最近はその様な物欲も特に無く、仏の様に穏やかな精神状態で過ごしております。

ストレスが酷い時はヤフオクで、買えもしないし、大して興味も無いランボルギーニの価格を調べて、高い!とか コレ安い!とかヌカしてるのに。

何でやろか?

推測するに、いまスタッフが必要最低限の人数で作業しているからやと思う。

要するに、人を(アルバイトを)管理するという事が、いかに物凄い目に見えないストレスを

与えてくれているのでしょう。 多分。

恐らく他のスタッフ達も同じ心境だと思う。

明らかに自分1人に掛かる仕事量が多いので肉体的にはしんどいはずなんやが。。

それだけこの仕事、人に教えるのが大変難しい仕事なんだと思う。

上手い子は放っておいてもお給料+αという肥料を与えるとグングン成長するんやけどねー。

ただ怖いのは、上手な子ほど肥料を与えないとダメです。

途絶えると途端に枯れて、肥料を求め他の会社へ行ってしまうんで。

恐ろしい恐ろしい。

右肩上がりの優良企業はその辺り、かなりガッチリ押さえてるんでしょうな。

最高の肥料をバラ撒いて。

ウチの会社はそんな余裕は無いので逃げられやしないか、いつもハラハラしてます。

そんな事を考えると、またランボルギーニとか調べてしまうのでこれくらいにしときます。

 

 

   さて。

今回の製作ブログは、先日納めさせて頂きました、「巨大なカニ」の造形看板でございます。

お店は大阪心斎橋の大丸の裏あたりにございます。

カニ食べ放題の 「かに源」http://atelier405.sakura.ne.jp/kanigen/  様よりのオーダーです。

ゴールデンウィーク明けくらいでしたか、オーナー様より

「ポップ工芸さん、カニの食べ放題のお店するんだけど、とにかく目立つ看板造ってよ!」 と

問合せがあり、現場へ向かい、その空きテナントの採寸やら、デザインの打ち合わせなど

かなりの時間を費やしました。

「道頓堀で石を投げればポップ工芸製作の看板に当る。」と昔からよく言われます(?)が、

心斎橋で開店する以上、その造形看板激戦区の道頓堀には絶対に負けたくない!というオーナー様の

熱い希望に応えるべく、かなり大きな看板だったけど、金額的にはかなり勉強させて頂きました。

店舗の壁面、目一杯の大きさでカニを造ります。

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カニの製作は若手や造形師を目指すアルバイトに全て任せます。

カニの造形はウチの会社では登龍門的な造形です。

ワタシも過去に何体ものカニを製作してきました。

この門を通過した若手達は皆、エビやクモなど「足の多い生き物」が嫌いになります。

それくらい何本もの足を造るのは大変な事です。

しかも、どの足も全て微妙~に大きさも形状も違います。

短気な子や面倒くさがりの性格の若手はここで脱落します。

たかが足。されど足なのです。

適当に造っては、まずイイのが出来ません。

今回も例外に無く、間違った形で彫られた足を容赦なく修正させました。

結果、1人のアルバイトがイヤになって辞めました。

まぁ、この程度でグチグチ修正を言われるのがイヤになって辞めてては何をやってもダメでしょう。

自然界ではライオンに喰われる子鹿の様なもんです。

そんな子は淘汰されて当たり前。

少々厳しい様ですが原型の製作を任されるという事は会社の社運を左右するという責任の大きさを学んで欲しいのです。

今回のカニ造形、歴代ポップ工芸の中でも最も大きいカニではないでしょうか。

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見よ!このハサミのデカい事!!

つーかハサミを支えるワタクシ守屋の疲れきった顔が気になる。 

撮影やのに、どこを見つめてるんやろ・・・・

瞳孔とか完全に開ききってるし。。

 

あ、このハサミ、左右で大きさが違うんだけど、それはデザイン上の演出。

限られた大きさ、限られたスペース内で、いかに遠近感を出し大きく見せる為の

アイデアです。

こーゆー所は造形看板を数多く手掛けたポップ工芸ならではの提案です。

でもそれはバランスが大事。

違和感が出ないギリギリまで攻めます。

無事に原型も完成し、FRPのコーティングを行い取り付け金物の位置決めです。

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カニの下に大きな白い紙が敷いてありますが、この紙には1/1サイズのカニの絵が描いてあります。

この絵に取り付け金物の位置を直接描き込み、現場で建物のどの部分に金物が来るかを把握するためです。

適当に金物を取り付けると、建物には窓や突起やら、金物が付けられない箇所が多数有るので事前にチェックする為です。

 

その後、表面のトゲや凸凹を製作し、いよいよ塗装です。

コレは下地の色(クリーム色)を塗った状態。

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その後、赤く染めて行きます。

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看板としてのカニの塗装は、実物の茹でたカニより、かなり鮮やかな赤で塗装します。

本物ソックリのカニの色だと薄すぎて、現場では周りと同化して看板としては見栄えせず、全く目立ちません。

また、現場での日照の具合なども加味し、日光の照射でどの様な色になるか逆算し、色を決めていきます。

そのあたりの加減が非常にむずかしい。

オーナー様からは 「とにかくリアルに!とにかくリアルに!」 と言われるのですが

そこは少し折れて頂き、看板としての存在感を100%発揮出来る様、実物とは違っても変更が必要な部分は変更させて頂きました。

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ようやく本体も完成し、いよいよ取り付けです。

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現場は一方通行の細い路地の繁華街。

夜間は飲み屋街として通行人が非常に多いので、作業は早朝~午前中に限定されます。

電柱から電線がクモの巣の如く張り巡らされた場所でもあります。

電気の線には絶対に触れてはなりません。

電話回線、テレビのアンテナ線などの安全な線は触れても問題なく、そのあたりも

事前に調べておく準備が必要。

狭い路地、入り組んだ電線の為、クレーンなどの重機は一切使えず、全て手作業で

引き揚げて作業。

こりゃ大変。

大きく造ったカニの右手、どれくらい手前(道路側)に迫り出すかはオーナー様に決めてもらいました。

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本当はもっともっと手前に出したかったそうですが、手前に電線が有る(既に線に当っとるがな・・)のと

境界線の問題、通行車両への迷惑など、色々な大人の事情が御座いますので、これくらいで勘弁してもらいました。

(※電話線やアンテナ線は看板等に接触しても良いとの事。むしろ重みで垂れ下がった線を持ち上げて欲しいと関電が言っておりましたので、特に問題無いとの事)

設置後、オーナー様の更なる挑発で、口からスモークが発射されるギミックを投入。

ヒェ~ッ!!

まさに大阪の看板。 って感じに仕上がりました。

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元祖 「かに道楽」の看板が優等生に見えて仕方ありません。

こんなイケイケなカニ看板、ちょっと珍しいね。  まぁそれが狙いなんだけど。

 

オーナー様より、お店の正式オープン前のレセプションパーティーに招待頂きました。

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もう、耳の穴からカニが出てくるくらい目一杯頂きました。

美味しいカニ料理、本当にありがとうございました!!

このオーナー様、物凄い勢いであります。

年内にもう一店舗オープンさせたい!と仰っておりました。

是非、その際はご用命を!!

   巨大カニ看板の完成にご満悦のオーナー様  ↓↓

 

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遠近法とかアングルとかで物凄く大きく見える様に(実際、ごっつデカいんやが)仕上がった看板。

ワタクシ個人的には、金額や設置スペース対しての大きさ、デザインなど、全てにおいて、

かなり 「攻めた」 この作品。

皆さんはどう感じましたか??

エエ感じやないですかー?

 

次は何のネタ書こうかのぅ。

ほなまたーーー。

立体回転看板

 

靴屋さんの回転看板の修理です

車にぶつけられ これで 2回目の修理です

たの部品は 新規に作りますが サンダルはFRP加工なので修復可能です

修理のたびに 新品同様になります