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天狗まみれ

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はいどーも!

早速ブログ放置気味で全国からお叱りの声を絶賛受付中の守屋です。

 

いや~忙しかったのよ。

まぁ、年度末は毎年こんな感じで干からびたスルメイカの様になっておる訳ですが・・

年度末までに片付けないといけない仕事ってのは、だいたい役所や自治体などからの発注分ですわな。

何とか今年も、その呪縛から開放され枯れ枯れスルメイカから一夜干し程度に身体が回復し、今こうして

パソコンに向かってブログが書ける余裕があります。

しかし・・・

次の波(しかも大波)が直ぐ目の前に来ております。

詳細はまだ明らかには出来ないんやが、ザックリ言えば巨大な人物(キャラかな)を造らないといけません。

見積時、60日の製作納期を提示していたんやが、間に噛んでる業者の手違いか、それを30日程で製作せにゃならん事態が目の前にあります。

当然五月のGWなんぞワタシには解読不明なワードになってます。

前代未聞の納期で納めないといけない。

チームワークがモノを言うので、ここは巧くコントロールせんとね。

頑張るしかないので頑張ります。

心の頼りはキューピーコーワゴールドα のみ。

この小さい錠剤に命を懸けないといけないなんて。。。。。。。

我ながら、なかなかのギャンブラーやな。

昨今、スポーツ界の賭博問題でマスコミは騒いでおるが

そんなのに比べりゃワタシの賭けの方がヤバい賭けなんちゃうか?

嗚呼、今回も助けておくれキューピーさん。

 

 

さて、今回のブログは冒頭にも書いた、ワタシの天敵、お役所からのお仕事です。

随分前に兵庫県福崎町役場から河童の造形の依頼を受け製作、その河童が物凄く有名になり

マスコミに大注目されてYAHOOニュースのトップに出たり、ナニコレ珍百景では優勝したり、

それはもう世間を騒がせた、と言ったら過言かも知れんが、それくらい騒がした造形物。

知らない方は「福崎町 河童」などで検索を。

その福崎町役場で第1回妖怪造形コンテストっつーのを開催しまして

http://youkaizoukei.town.fukusaki.hyogo.jp/

(現在、第2回も無事終了。第3回も決定しております、是非ご参加を。)

そのコンテストで優勝した作品は等身大FRP像で製作し福崎町の河童の横に設置される、というもの。

第1回のお題は「天狗」

一般部門での優勝作品がコレ

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素晴しい作品です。

この作品を等身大にします。

元のミニチュアがある場合、3Dスキャンで読取り機械彫りで行なう場合もあるし、そのまま手作業で彫る場合もあります。

今回はアナログ手作業にて製作。

ブログみて下さってる方は手作業の方が見てて楽しいと思います。

では製作開始!!!

先ずは下書きを。

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ワタシの場合、下書きなんてこんなもんです。

良い子はマネしない様に。

よく色んな造形屋のブログありますが、見ていますと、まぁ几帳面に丁寧な下書きをされている方を

よく見かけます。ほとんどの方がそうされているようです。

でもね。

丁寧に描いた下書きなんて一撃で消えてしまいますのよ。

こんな風に。

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必要な情報はアウトラインのみ。

丁寧な下書きなんてクソ喰らえです。、無駄無駄。

私達の様に造形師と呼ばれる職に就く人間は大まかに分けると二種類に分類されます。

ひとつは、ただただ感覚のみで彫る(造る)タイプ。

もうひとつは、その都度 採寸、採寸採寸・・・でキッチリ造るタイプ。

出来上がりは同じだとしても後者は物凄く時間が掛かる事がほとんど。

ワタシは顕著な前者。感覚だけで生きる変態。

ポップ工芸の職人は感覚タイプがほとんどだと思う。

なので、たま~に応援で呼んだ職人さんがウチの原型彫りの速さに驚愕する事が多々あります。

ウチらはこれが普通やと思ってやってるんで逆に驚いたり。

よそはどんだけ時間掛かってるんやろ? て。

あとスチロールの彫り方も職人によって大きく分けて二通りあると思う。

 

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ひとつは上記の画像くらいまでニクロム線、と包丁でザクザク、バリバリと一気に彫り、その後ワイヤーブラシとサンドペーパーなどで粉まみれになりながら細部を削り出すタイプ。

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もうひとつは、物凄く良く切れるナイフ(自作ナイフが多い)で仕上がりギリギリまでナイフ一本で切り出し、最後のほんの少しだけペーパー類で丸めて仕上げるタイプ。

もうお解かりの様にワタシは完全な前者で全身スチロールの粉まみれで奮闘。

帰宅後、風呂に入るとスチロールがプカプカ浮かぶ事も。

パンツの中の恥部もスチロール祭りな事も。 あー恥ずかしや。

 

後者のナイフ一本でやるタイプは神経質な職人が多い気がする。

下書きもしっかり描くヤツが多い。

潔癖でスチロールにまみれたくないんやろね。

そんなヤツ、スチロール頭からブッ掛けたくなります。

当然、仕事メッチャ遅いです。早い人も知ってますが。。

 

まぁ、人それぞれ。

どーでも良い話。

次行きまひょ。

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ボディ部はだいたい完成。

次は頭部

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見よ!この適当な下書きを   ↑↑

でも大丈夫。感覚人間だから。

ツボは押さえて下書きしてます。

ワタシにしか解らない下書き。暗号みたいなもの。

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で、だいたい本体はこれで完成。

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今回の造形、一番大変なのは、意外と「羽根」の部分。

人の手の触れない所への設置だと大した事無いんだけど、子供らがガッツリ触る可能性ある場合、

羽根の様な薄いパーツは中に強固な金物を入れないと、いくらFRPは強化プラスチックとは言え

折れる時は折れます。

ゴッツい金物を中にいれなとダメです。

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この羽根だけで40kgくらいあります。

この金物全てが天狗の中に納まります。

微妙な羽根の角度など溶接時にきっちりとミニチュアと合わせる事が必要です。

こんな時に『感覚』で生きる人間は強いです。

適当(当然、物凄い考えはしますよ)にフィーリングで決めます。

『キッチリ派』の人間ならこの鉄骨も丸1日かけて一から図面を引くでしょう。

 

 

さっきのスチロール原型にFRPをコーティングし、表面の細かいシワなどはパテで造りこんでいきます。

この場合、スチロールで基本形を造りパテで細部を造って行くパターンか、粘土で一から造るパターンか

いくつか方法はあるんやが、デザインの内容、仕様などでパターンは決めます。

今回は仕上げがブロンズ像風なので、極端な細かな造り込みは不要なので、こーゆー造り方です。

とにかく、どんな造り方が一番早いかがカギです。

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全身も同じくFRPコーティングしたのちに台座に乗せ、目線などを設置現場を想定して決めます。

福崎町の担当の方と幾度と無くメールにてやり取りし、目線、固定角度を決めます。

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詳細が決まったら表面の処理をしていきます。

黒いサーフェーサーを吹いて表面を鋳物特有のザラついた梨地に仕上げます。

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そして塗装。

先ずは目玉から。

ここ(福崎町)のブロンズ像は何故か目玉だけは生き生きと生きている様な仕様で塗ってくれ、と

注文があります。

詳しい事は解りません。

どーしても気になる方は福崎町地域振興課へ行って聞いてください。

多分、「内緒ょ、ウフフ・・」と言われるでしょう。

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ミニチュアに合わせた色合いで塗ります。

 

その後、塗った目玉をマスキングし本体をブロンズ調に塗る。

ご存知の様にブロンズ像も色んな色のタイプがあります。

おはぐろ調の真っ黒の物や、緑青(ろくしょう。銅の青サビ)の物、黄金色などなど。

今回のケースはお任せだったんでカッコよくなる色味で塗りました。

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そして台座には銘板を入れます。

銅板製エッチング仕様。

銘板完成

この優勝作品の作者、稲村さん、有名映画の小道具なんかも手掛けるプロでした。

映画のエンドロールに名前が出るくらいの方でっせ!

最近まで全然知らずに造ってました。(ちなみにこの天狗は去年の秋に製作したものです)

知ってたらプレッシャーで押しつぶされていたかもしれないので逆に良かったわ。

 

設置の様子は次回書こうかのぅ。

タイトルが「天狗まみれ」となっとりますが、この案件の後も、同じ福崎町役場より、違う天狗の製作の依頼があり、それも立て続けに書きますんで暫く天狗にまみれて頂きます。

覚悟しといてください。

 

ではまた!