フライパン
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こんにちは、ポップ工芸です!
今日はフライパンの造形風景をお伝えしていきます!
フライパンと言っても、ポップ工芸のお得意ものである巨大もの!
フライパンのハンドル部分だけで1メートル越え、フライパンの鍋部分に至っては直径1.6メートル!
二つ合わせると2.6メートルの超超超巨大フライパンです!
そんなクレイジーなフライパンの製作依頼をしてくださったお客様は藤田金属株式会社様。
弊社と同じく八尾に工場を構えるフライパン製造会社さん(フライパン以外にも製作されているかもしれませんが)で、サンプルで3つもフライパンを頂きましたが、どれも素晴らしい!
デザインもさることながら、機能性が素晴らしい。焦げない。へたくそが料理しても全く焦げない!
フライパンが素晴らしいのに、自分の料理の腕があがったような錯覚を感じます!
是非みなさんも試してください!ここで買えますよ!↓
https://frypan-village.com/wp/item/
さて本題のフライパン立体看板の製作です。
担当は4月入社の直田君。
これが彼にとって初めての作品になるのですが、はてさて上手に作ってくれるだろうか。
まずはスチロールの削り出し。
厚紙に円を描いて、スチロールにあてて、熱線を使って切り取ります。
こうやってフライパンの底ができあがり。
同じ要領でフライパンの側面もできあがり。
よく見ると側面がガタガタ。これでは折角型紙を作った意味がない。これが汚いと後処理が非常に大変になります。まだまだ練習が必要ですね~。
熟練工がすると綺麗な滑らかな面になります。
実はハンドルも3,4回やり直しました。
フライパンの側面の時の以上にガタガタで修正時間が掛かり過ぎるためやり直し、綺麗に取れたと思ったらサイズが小さすぎてやり直し、ハンドルとフライパンの接合部分が合わなくてやり直し、、とかなり苦戦する直田君。
切り取ったら、接着面や、ガタガタの部分を綺麗にペーパーでやすって原型を完成させます。
原型が完成したらスチロールにFRP加工を施します。
こうして、FRPでかっちかちに強化されたフライパンができあがりです。
FRP加工しただけでは表面が非常にザラザラしています。
これを綺麗に整えていきます。
さきほどのFRP加工の段階で丁寧にやってないとこの整える作業がめちゃくちゃ苦労します。
表面をパテ埋めしています。
ザラザラをとるのにいきなりFRPを削って綺麗にしがちですが、FRPはとても頑丈なので簡単に削れません。しかもガラス繊維なのでこいつを削るととてもチクチク刺さるんです。
なので表面をパテ埋めして凹凸を無くし、パテを削って綺麗に整えるのです。
これは凹凸探しをしているところ。
凹凸といっても表面にある小さな凹凸ではありません。全体の流れの中の凹凸です。
素人の方は表面にある小さな傷のような凸凹にしか目がいきません。例えば表面にちょこっと凹んだ箇所があると、そこをパテ埋めして穴を埋めて綺麗にしようとします。
でも全体的な流れでみるとその個所は実は凹んでいるのではなく盛り上がっているんです。ただでさえ盛り上がっている個所にパテ埋めしてさらに盛っちゃっているんです。
例えるなら、山を切り開いて削って平野を作るとしましょう。でも山の中には谷があって、谷の部分は山の他の個所から比べると凹んでいるわけです。
では平野を作るにあたって、その谷を先ず埋めますか?埋めませんよね。どうせ山を削っている間にその谷も無くなってしまうのだから、谷を埋めても意味ないですよね。
この単純なことが、なぜか造形になるととたんに出来なくなるから人間って不思議です。
凹んだところをパテ埋めし、膨らんだところを削っての繰り返しが永遠に続きます。
これが結構大変でかつ難しい。
大きな流れの凹凸って本当に見分けるのが難しいんですよ。膨らんでるのか凹んでるのかわからなくなってきます。
簡単だよ~って思う方、一度球を作ってみてください、きれいな真球を。たぶん作れないから。
きれいになったら、サーフェーサーを吹き付けます。
これも慣れない方がすると、思いっきり垂れます。
直田君も何回も垂らしていました(笑)
垂れたところは膨らんでしまうので削ってきれいにします。
サーフェーサーが終わると塗装なんですが、今回は白色一色ということでサーフェーサーから変化がないので写真は割愛。
塗装も下手だと、思いっきり垂れます。
直田君も何回も垂らしていました(笑)
サフと同じく垂れたら削って綺麗にします。今回は白だから見た目には分からないですが、これが白以外だと削るともちろん色も剥げます。再塗装が必要です。
塗装が終わると、最後にツヤ消しだったりツヤ加工だったりをして全体的なツヤ感を整えます。
これも塗料のようにガンで吹き付けるので、直田君がすると思いっきり垂れます(笑)
ツヤ調整加工が終わるとついに完成!
デデーン!!っと超特大のフライパンでございます!!
大迫力で、とても写真映えしますね~!!
やはり看板においてサイズは正義ですわ。
実は、最初はハンドルも含めて1メートルくらいのを作ってほしいという依頼でした。ですが、1メートルのもの作っても全然面白くもないですよと、再検討頂いたんです。だって1メートルってこのハンドル部分くらいの大きさしかないですからね。
お値段はもちろんあがりますが、確実にその価値があることを実感頂けると思います!
どうしたら目立つのか、写真映えするのか。弊社には長年の知恵、知識が御座います。実際に製作されなくてもご相談いつでも乗りますのでご気軽にご連絡を!
直田君にとってはじめての作品でとても苦労していましたが、とてもイイ感じに仕上がってよかったです。これからどんどん上手くなっていってくれるのを楽しみにしてますよ~
以上フライパン製作でした~
まいど、ポップ工芸です。
お客様から聞かれるご質問にお答えするQ&Aコーナーを始めました!
今日は最近とても増えてきたこのご質問「3Dデータは必要ですか?」に回答させていただきます。
結論から先に申し上げますと、回答は不要です!
理由は、職人による手彫りだからです!
こうしてナイフで削り、ペーパーで整えるのです。
3Dデータがあれば形状が分かりやすくとても助かるという程度です。
そもそも3Dデータなんてものが普及してきたのはここ最近のことで、ずっとデータなしでやってきてますのでね。
でもこれがポップ工芸の立体看板の安さの秘密なんですよ!
昔は超高額だった3Dプリンターも今や小型のものであればご家庭でも買えるような価格になってきました。3Dの切削機を使って造形をする造形屋さんも増えてきました。
ただどれだけいいマシンをもっていたって、結局は3Dデータがないと動きません。造形屋さんで3Dデータから作ってくれるところありますよ。
でもデータ作りも結構大変なんです。コストがかかるんです。
3Dデータ作るのと同じくらいの速さで、ポップ工芸の職人たちは手彫りで造形しちゃいます!
マシン側はようやく作成したデータを基に原型彫りがスタート。彫り上がったらそれで完成ではありません。なぜならマシンの性能がまだまだ低いから。現状手彫りに匹敵するくらいに細かい造形は出来ません。マシンが原型を掘り出した後に、人の手で修正が必要です。
そんなことしている間にもポップ工芸の職人さんたちは次の工程に取り掛かっていますよ。
まぁ億単位のマシン買えば大丈夫でしょうけど、造形屋でそんなマシン入れたらそれこそ投資回収のために価格がつり上がるでしょうね。
ということで、「3Dデータは必要ですか?」に対する答えは、「不要!」でございます!
まいどポップ工芸です。
今も現在進行形でいろいろ作ってるのですが、まだ途中なので過去の日記リバイバル編いっときます。
今日はマグロです。
マグロいままで何体作ってきたでしょうか。
大きい物は築地のマグロで10m越え。リアル物からちょっとデフォルメしたものまで。
今も倉庫にはマグロが眠っているくらい作りまくってきました。
ちなみに型があるので180cmまでのマグロでしたら格安でおつくりしますよ!
では本編スタート!
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2006/05/22(月) マグロ
まぐろの原形スチロールの削りだし
2006/05/23(火) マグロ
ワイド180cm。
ヒレなどは別に作って後付けです。
この上にFRP積層しますので細かい細工は不要です。
2006/05/24(水)
FRP積層。 2プライ(2回FRPを塗り重ねるということ。回数が多いほど強度が増します)
2006/05/25(木)
FRP積層後のパテ処理
2006/05/29(月)
全体をサーフェイサーで吹きつけしています。
原形をパテやペーパー磨きなどしているので肌そろえの意味も加えてサーフェイサーを吹いています。
2006/05/30(火)
ウレタン塗装仕上げ。
エアーブラシでぼかし。
2006/05/31(水)
クリヤーをかけて終了。
裏面に取り付けようボルトを仕込んでます。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
イイ感じのマグロです!
冒頭で申し上げましたが大事なことなのでもう一度お伝えしますが、マグロの型があるので格安で作れます!
誰かマグロ注文してくれい!!
まいどポップ工芸です。
弊社のホームページは過去何度かリニューアルされ、その都度消えていってしまった製作日記ブログがあります。
大昔の作品になり、今より技術も材料もなかった時代ですが、とても可愛らしい作品がいっぱい。
今の作品はそれなりの設備が必要なことがほとんどですが、この時代の作品だったらご家庭でDIYでも作れるものもあるなぁと。
このまま忘れさられていくのはもったいないので、リバイバル集ということ過去のブログを復活させていきたいと思います。改行、句読点など見やすさは改変していきますが、基本は昔のブログをそのままコピペです。(手抜きじゃないです!!)
写真も今みたいに高画質ではないので見にくいところもあるかもしれませんがあしからず。
リバイバル編の一発目はサーフボードを持ったかわいいクマの立体店頭看板。
でははじまりはじまり。
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2004/04/22(木) クマの看板 スケッチ
今朝早くからクマさんの造形看板のスケッチを書いています。
施主さん(西欧風居酒屋)の条件は、入口上に取付け、上半身、サーフボード、及び店名を入れること、そして高さ1m以下、です
下記のスケッチでこれから打ち合わせます。
okが出れば次に粘土でミニチュアを作ります。
2004/04/23(金) 粘土ミニチュア
スケッチから粘土である程度の形にします。
これをベースに本番の形を決めます。
1回ではたいてい決まりません。
この粘土の原型は実際製品を作る時の寸法取りに使います。
そのためあまり正確には作りません。
立体の為、採寸は正確に出来ないからです。
次の行程はこれから作る製品の原型を作ります。
原型には、スチロール、金網、粘土その他色々あります。
2004/04/26(月) スチロール加工
今日は発砲スチロールを削って原型を作りました。
ナイフ等で荒削りし ペーパーやすり等で形を整えました。
今回ははじめての報告なので製作順序だけにしておきます。今後はスチロールの簡単な削り方、道具、その他技術的な事を順を追って詳しく説明させていただきます。
ご質問などございましたら、掲示板等でお尋ね下さい。(※2020年現在はこの掲示板はありませんが、質問ありましたらお電話でもメールでもお気軽にどうぞ)
2004/04/27(火) FRP塗りこみ
今日の作業はスチロールの上に樹脂を塗り重ねていきます。
写真に有るようにガラスの繊維で出来たマットにローラーで樹脂を染み込ませていきます。
スチロールの段階で幾等細かく細工しても樹脂を塗り重ねていくとほとんど細部は埋まってしまいます。
細部はパテなどを利用して再現します。
雌型などで製作すると後のパテ処理はいりません。
詳しくは後日順を追って説明致します今回は手順まで。
2004/04/28(水) 塗装
今日は塗装をしました。
塗装前にサーフェイサーで下地処理を施それからウレタンを吹き付けます。
何色か有る時は乾いてからマスキングしそれから次の色を乗せます。
最後にクリヤーでコーティングします。
リアルさを出すときはエアーブラシを使います。
2004/04/30(金) くま完成
やっと仕上がりました。
サーフボードとくまは塗装後接着しました。
この後お客さんのご要望で、目と鼻を一回り大きくしました。
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このクマ可愛いですね~。
驚くのが製作日数がたった5日ということ。確かに今と比べて多少粗削りなところはありますが、店頭看板としては本当に全く申し分ないレベル。ポップ工芸の全資産をかけてもいい(ほとんどないけど)、99%のお客様は喜んでくれる。
この頃に比べて、同業者の数も増えました。それにつれてクオリティもどんどん上がっています。
一方でお値段もそれ以上にどんどん上がっています。
正直いって、この用途にこんなクオリティ不要じゃないか??って思う事がたくさん。そして同時に価格を聞いて高いなぁと諦められるお客様も多い。
安かろう悪かろうを目指すという意味では無く、商品には適切な価格と適切な質が必要なんです。
こんな当たり前のことを今のこの造形看板業界は忘れているような気がします。
ということで(どういうことで?)、リバイバル編、クマさん製作日記でしたー。