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今年もお世話になりました!

どーも守屋です。

もう今年も残すところ あと1日。

どーでした皆様?

ポップ工芸、お陰様で今年もドタバタドタバタ息つく暇もないくらいの一年でした。

これもひとえに皆様のお陰であります。

本当にありがとうございました。

 

でも・・もうちょっとゆっくり腰を据えて作業したいものです。

体調がねぇ・・・。

後半はもうスタッフ達(特に女子チーム)、ボロボロでした。

ここはさすがに来年の課題であります。

更にストイックに鍛え上げて乗り切れるパワーを付けるか、現状維持でいくか・・・。

そのあたりは各個人に考えて頂きましょう。

ワタシの見る限り、若手達はメンタル面でも細い部分があるので、どんな逆境にも耐えうるズ太いポジティブな心を作って頂きたいです。

でもまぁ、コレだけは個人差もありますし経験がものを言うものですし、だんだん彼女達もスゲー職人に育っていくのでしょうねぇ。

 

年内はスタッフ達はもうお休み入らせて頂いており、ワタクシ守屋のみ作業に追われております。

明日、大晦日も仕事をしようかどうしようか、物凄い葛藤しております。

 

ちなみに今は等身大の「河童」を2体同時進行で製作しております。

この河童君、あり得ない感じですがお堅いお役所のお仕事であります。

 

DSCN4529.jpg

 

ポップ工芸、年明けは4日からボチボチ活動始めます。

 

 

 

本年は数ある造形会社の中から弊社をご用命頂き、本当にありがとうございました。

来年もスタッフ一同、更に技術に磨きをかけ、皆様の心に残る作品造りに精進してまいります。

 

こんな更新されないふざけたお馬鹿ブログでも懲りずに毎日覗きにきて下さる物好きな数百人の皆様、来年こそ頑張って更新いたしますのでお許しくださいまへまへ。

 

    では皆様!  よいお年を~!!  (大晦日休む気満々なり)

 

映画 ウォーキングwithダイナソー!!! その②

どーも。

何だかんだ言うてやっぱり2週間ぶりの守屋です。  アカンなぁ、ホンマ。

お詫びに今日はいっぱい書きますんで許して。

 

 

 

わたくし事ですが 先日、丸五年間お付き合いしていた子とお別れいたしました・・・。

 

 

 

       この子なんですけど    ↓↓↓

 

 

 

 

 

 

 

 

アド.jpg五年前、通勤の為に新車で購入。

スズキ アドレスv125リミテッド

ホンマにエエバイクでしたわ。

ハンドル部分とシートにヒーターが内蔵された冬最強モデル。

原チャリほどの車体に良く走る125ccのエンジン。

巷では通勤最速バイクとも言われ、その小柄なボディの為、スリ抜け楽チンで最速と言われてる。

街中の通勤のバイクよく見てください。

物凄い数 走ってますから。

トヨタのプリウス並に。

アクセル全開で100キロは出るし、燃費もリッター40キロほど走る。  凄いやろ?

 

でも・・・。

 

ワタクシ守屋、家から会社の往復で毎日 約50キロほど走る。

当然ながら見る見る走行距離は増え、5年で走った距離、約7万キロ。

もうチョイ頑張ったら地球2周走るとこでした。  ワォ!!

でも一ヶ月前くらいからバッテリーの電圧が徐々に下がり始め、バッテリー交換。

新品バッテリーなのにまた何故か徐々に電圧が下がる。

まるで昨今の東京の猪瀬知事の如く日々弱々しくなっていく・・・。

 

「コリャどっか壊れとるな。。」

 

行きつけのバイク屋へ。

 

店主: 「あぁコレ、もうアカンわ、寿命やで。」

    「ジェネレーター(発電機)逝ってる。」

 

   マヂかよ・・・・。

 

修理代聞いたら数諭吉。

しかも、そこ直しても他ももうガタガタ。

今度はエンジン内部が来るやろ  との事。

  「断念・・」  バイク新たに買うわ。

となって新しいの買いました。

 

         今度こそ地球2周 周ります。

 

さて、前回のブログで書きました、映画「ウォーキングwithダイナソー」の続編ブログです。

前回は主人公のパキリノサウルスの子供パッチちゃんでしたが、今回はそのお父さんです。

なのでデカい!  6.5メートルだで。

全長10メートルのトラックの荷台へ積むのですからねぇ。

トラックに積んだイメージこんな感じですわ。

パキ父ブロ.jpgで、このミニチュアを元に必要なスチロールの数を計算してビックリ。

1.8×0.9メートル、厚み40センチの冷蔵庫のお化けの様なスチロールのブロックが約20本必要。

どんだけやねん ホンマ。

スチロール屋さんに注文。

「まいど!スチロール20本注文しますわ」

「そんな本数、何造りますの?」

「内緒!」  (ガチャン)

スチロール屋さんもビックリやろね。

 

早速 頭部から製作。

何や解らんでしょ?  ↓↓

塊の中心部にペンで描いてある線はちょうど目の位置です。

このまだ平面構成の時に目の位置をしっかり決めておかないと

カドを丸めていくと位置関係の採寸が出来なくなるのである。

よってココで決めた目の位置は完成までずっとこの位置です。

造形やりはる人なら解ると思うけど、この目の位置のシンメトリーを取るのは

非常に難しいのです。

特にこの様な等身大の時は。

あ、この塊の隅に置いてある緑色の小さなものはさっき紹介したミニチュア粘土モデルの頭部です。

1/20スケール。

コイツを見ながらこの塊をさばいていきます。

パキ父ブロ (1).jpg少し見えてきたかな?

この段階はニクロム線でカットしてます。↓↓

パキ父ブロ (2).jpgナイフに工具を変え、その後、ワイヤーブラシでジャリジャリ削っていく↓↓

常に先ほどの緑の粘土ミニチュアが置いてあるのがお解かり頂けますか?

パキ父ブロ (3).jpg大体の形が完成。

頭部は一旦これで止めて、お次は胴体部分。

パキ父ブロ (4).jpg  これまた訳の解らん塊であります。↓↓

  手前の尖ったところが尻尾の先端です。

パキ父ブロ (5).jpg頭部と同じくニクロム線でカドをバサバサ落として行き、ナイフで整える。

尻尾の付け根にナイフが刺さってるの見えるでしょ?

どれだけ大きな物も小さな物も、特別な機械などは一切使いません。

ニクロム線、ナイフ、ワイヤーブラシ、ナイロンヤスリ、サンドペーパー。

これだけ。

 

パキ父ブロ (6).jpg胴体も ある程度形になったら頭部を接着し、今度は細部の彫刻を始めます。

パキ父ブロ (7).jpg      コレは ある意味一番重要な作業  ↓↓

何しとるかと申しますと、トラックの荷台の入り口のサイズとの比較。

これを間違うとトラックに収まらないという大惨事になるからね。

ギリギリいっぱいまで大きくして欲しいという20世紀FOX様の意思を尊重します。

上下左右10センチのクリアランスで造ります。

パキ父ブロ (8).jpg原型が完成しました。

通常、このあとFRPをコーティングといった流れなのだが、今回は表面にウレタン樹脂を吹きつけてコーティングします。

何故FRPで無くウレタンかと申しますと時間の問題。

とにかく時間が無いというのと、FRPまでの強度が要らないと言う事でウレタンの吹付けをチョイス。

但し、これだけデカいとなると万が一の事を考え、力が掛かる部分には予めFRPを貼ります。

首廻りや取り付け金物が入る足など。

パキ父ブロ (9).jpgさぁウレタンの吹付けです。

このスプレー状に出ているのがウレタン樹脂。  ↓↓

ドラム缶にA液B液がありまして、それを圧送する機械でホースへ送り、先端のノズルの所でABが

混ざり合い 吹付け後、数秒でガチガチに固まります。

コレで人間に吹き付けたら・・・・。

ある意味 武器と言うか凶器です。コワイですな。

液体窒素で固まるターミネーター思い出します。 ・・ちょっと違うか。

パキ父ブロ (10).jpg必要な硬さが出るまでどんどん吹き付けます。

でも 調子に乗って吹き付けると綺麗に彫った模様も全部消えてしまうので必要最低限に。

なんだかんだでトータル 100キロくらいのウレタンを吹き付けました。

 

パキ父ブロ (11).jpgさぁ、ココからが本当の勝負どこです。

今までの工程は楽勝の部類。

一番の難所、皮膚のウロコの造作です。↓↓

パキ父ブロ (12).jpg

もうコレだけは手の抜き様がありません。

手の爪の大きさ程の6角形のウロコが全身にビッシリ入っています。

表面積で言うとどれくらいでしょ・・。

畳15畳くらいあるんちゃうかな?

胴体を4人チ-ムで一週間くらいかかった。

頭部はワタクシ守屋が担当。

この6角形をチマチマ造り込む作業、どれだけ大変かアナタもやってみるがよい。

ダイソーで粘土買ってきてヤリなはれ。

10人中7人は頭おかしなるから。

ただ6角形をダラダラ造っていてはダメ!

部位によってウロコの大きさは違うのだ!

いろんな資料を参考にしたりFOX社より頂いた未公開の動画なんかを見て細部を表現しました。

パキ父ブロ (13).jpgウロコが完成したら下地のサーフェーサーを吹付けます。

一旦ここで真っ白になります。

真っ白にするのには訳があります。

真っ白にする事により先ほど造ったウロコがハッキリ見え、ちゃんと綺麗に出来上がっているかのチェックをする為です。

ダメな所があると容赦なしにやり直し指示。

ナンボ若手らに嫌な顔されようと、ここは厳しく行かせてもらいます。

いつかワタシはストレスの溜まった若手に刺されて一生を終えると思います。

サヨウナラ・・・。  ガクっ。

パキ父ブロ (14).jpgツラいウロコ作業も終わり楽しい塗装の時間です♪

と言ってられない!!

納期があと3日と迫っているのだ!

通常 目の塗装は最後にまわすんやが一番最初にやってテンション上げまくって

アドレナリン垂れ流し作戦で行きました。

じゃないともう心身共にフラフラな状況だったので。

塗装だけは数人で共同作業・・ という訳には行きません。全くの個人プレイです。

孤独との戦いです。

 

先ずは目の虹彩の模様から描き込みます。 細い筆でしゅるしゅると。

パキ父ブロ (15).jpgそしてブラウン系で虹彩の色をグラデーションつけて塗り、瞳孔の周りとなる部分をイエロー系の

色で薄っすらボカし、最後に瞳孔を塗る。

パキ父ブロ (16).jpgんで最後にクリアを厚く吹いて透明感とか潤いを出し  完成。

今にもギョロっと動きそうな感じしない?

簡単にやってる様やけどホンマは難しいんやで。

ウソやと思たらダイソーで絵の具買ってきてアンタもヤリなはれ。

パキ父ブロ (17).jpg

 

 

 

 

何だか工場の周りでキーキーやかましい声が聞こえてきます・・・・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

パキ父ブロ (18).jpgじぇじぇじぇ!!

気が付けば工場内に50人くらいのチビちゃん達が塗装中のパキリノを囲んでいるではないか!!!

さすがにこの間は塗装は出来ず つくり笑顔でイイお兄さんぶるのみ。  アハハハ言うて。

ま、ウチの会社、この様なご近所の幼~小学校の見学ツアーのルートになってる様で茶飯事です。

 

 

さ、気を取り直して再塗装!!

 

恐竜の色って、最近の研究で少しづつではあるが解明されて来たとか。

ワタシらが子供の頃の図鑑の恐竜なんか、みんなウ〇コ色でしたよねぇ?

でも最近のは違う!

かなりの極彩色で描かれている!

今回のパキリノサウルスも然り。  ↓↓

パキ父ブロ (19).jpg

 

パキ父ブロ (20).jpgこんな色、ホンマでっか!?

と思うアナタ。コレを見れば納得するか?

 

ウチで飼ってるフトアゴヒゲトカゲのパンちゃん。 ↓↓

 

パキ父ブロ (21).jpg

物凄い色ですやろ?

こんなのが実際に生きて今ココに居るんやから 恐竜も多分こんなはずじゃないのかな?

 

パキリノサウルスも 頭にこんな大きなフリル状の鎧があるんやから何らかのアピールでコレを

使ってたはず。

ただ身体を守る鎧ではなく敵や仲間がこの部分の色で何かを認識してたのでしょう・・・ 多分。

パキ父ブロ (22).jpg厳しい顔に仕上がりました。

パキ父ブロ (23).jpg

 

パキ父ブロ (24).jpg当然 親子での2ショット撮り。  ↓↓

 

はぁ・・・  早くこの瞬間を見たかった。  感慨無量。

 

何も言い残す事は無い。

ストレスの塊と化した若手スタッフ達よ、

さぁ、ワタシを好きなように殺るがよい!

 

    うっ・・・・  。

 

パキ父ブロ (25).jpg

アホな事言うて喜んでるワタシを無視して 外で若手達は撮影大会を始めてました。

パッチちゃんの産みの親、スタッフKさんも嬉しそうです♪  なかなか放そうとはしません。

パキ父ブロ (26).jpgそんな無邪気に喜ぶスタッフ達に時の流れは無情なもので、早速ドナドナトラックがやってきました。

イカツいアメ車トラックであります。

V8 7.4リッターのエンジンを積むバカデカいトラックであります。

ワタシも昔、バカが3つくらい付くバカデカいアメ車に乗っておりました。

なのでひとりテンション↑↑で舐め回す様にこの車を見ていました。

このトラックはアメ車カスタム業界では知らない人は居ない奈良のイメージクラフトさん所有の車です。

このお店、どんな改造でもやってしまいます。

車を電車にもしてしまいます。  いや、これホンマです。 ヤバい会社です。

パキ父ブロ (27).jpg荷台はこんな感じ。

どう積み込むか皆でイメトレ中・・・。

だって上下左右のクリアランスは10センチなので、少しでも間違うと ツノがバキッ!!とか

塗装がガリガリ~っとか充分有り得ますからね。

しかもこのパキリノサウルス、重量が300キロ近くあるのを6人で手積みですから。

緊張が走ります。

パキ父ブロ (28).jpg

スタッフ全員で積み込んだので 肝心な積み込みの瞬間の画像、一切無し! 男前っ!!

無事にトラックに吸い込まれるが如し、パキリノ親子は荷台に鎮座しております。

笑ってますけど心は泣いてます。↓↓

ホンマに完成して即、積み込んで持って行かれるんやもん。  悲しいわ、この仕事。

パキ父ブロ (29).jpgワタシと社長の2ショット。  ↓↓↓

「守屋君、今回は無理な物件投げつけてスマンかったなぁ。ホンマようやってくれた、ありがとう・・」

 

て 言ってくれると思ったら

 

「あー腹減った 早よ帰ろ帰ろ」  やと。

 

こんな人です。  ウチの社長は。

労いの言葉なんて入社以来、誰一人、一度も聞いた事が有りません。スバラシイ会社です。

 

パキ父ブロ (30).jpg 

 

後ろからのアングル、ヤバ過ぎますなぁ。

後続車、オカマ掘らぬ様 祈るばかりです。

 

パキ父ブロ (31).jpgこうやって見ると、ホンマに過激な企画であった事を痛感します。凄すぎます。

パキ父ブロ (32).jpg20世紀FOX社の方が言うてましたが、今回の企画、NHKを始め各メディア、専門誌などからの取材も多数ありました。

特にNHKさんはかなり濃い内容でした。スタッフ一同、仕事を止めて番組に見入ってしましました。

この映画の製作会社BBCもこの企画に対し「このトラック持って帰りたい・・」「他の国もこの企画に嫉妬するだろう・・・」  と舌を巻いたとか。

東京ー名古屋ー神戸ー大阪ー京都と廻り、今は再び東京に移動しております。

 

パキ父ブロ (33).jpgその後、再び大阪へ戻って一ヶ月ほど展示され、最終的には、ぬぁんとウチの会社へ戻ってきます!

その際の飼育責任者はワタクシ守屋になりそうです。責任重大であります。

 

ホンマにホンマに大変でした。

この一ヶ月で2キロほど体重減りました。

でも、毎日の様に公式サイト内の企画に写真投稿されてるの見たら、この疲れも吹っ飛びますなぁ。

20世紀FOX社の企画担当のO様からも毎日の様にお喜びのメールを頂きます。

O様、またこんな物凄い企画、お願いしますよ~!!

 

だって・・

 

 

世の中にはまだまだこのトラックに負けないくらいのスゴいトラックが居てますから・・・・(爆

 

 

 

 

 

イモ.jpg

 

ではまた~

 

 

映画 ウォーキングwithダイナソー!!! その①

ども!毎回ご無沙汰の守屋です。

皆様に、これからはマメにブログ更新します。 と誓ってから二ヶ月近く開いての更新です。

もう誰もワタシの言う事は信じてくれないレベルの嘘つきです。

ホンマにスンマセン。

11月は有り得ない納期でのお仕事が入ってしまい、どうしょうもない状態でした。

何とか無事に納品出来て、いまブログ書いてます。

 

あの~・・・

かなり昔から、ウチの会社の玄関前に不審なお荷物が時々置かれて、少々困惑しております。

    どんなお荷物かと申しますと・・・
パッチブログ.jpgゴミですわ。  プラゴミ。

こんな風にラーメンのカップやらトレーなんかの発泡系の素材のヤツ。

どうやらウチの会社が以前にTVチャンピオン「発泡スチロール王選手権」で優勝したの知っててですかね、こんな発泡プラゴミ置いて行きはるんですわ。

ナンボ、ウチら発泡スチロールの王様に輝いたからって・・・。

こんなプラゴミを子供の工作みたく一生懸命加工してお仕事してると思ってはるんかなぁ。

で、この張り紙、よく見たら素晴しく、全行に誤字のオンパレード。

もう、ちょっと解読が楽しくなっております♪

①強力洗済⇒強力洗剤

②最生リサイクル⇒再生リサイクル

③使用て⇒使って

④ネエルギー自元⇒エネルギー資源

 

④問目の解読が難しかったけど、何とか解読完了。 ネエルギーって。  ぷ。

 

しかも!この張り紙、こんな紙を使ってる!

パッチブログ (1).jpgヤバい!我々の教祖、ジャッキー様の「蛇拳」のDVDパッケージを惜しみなく使うあたり、

かなりのヤリ手とみた。  渋い。

この張り紙、勿体無くて倉庫の中に貼ってます。

 

こんなくだらん感じでストレス発散しております。  悲し。

 

では本題。

久々の恐竜であります。

12月20日より公開の

映画「ウォーキングwithダイナソー」 http://www.foxmovies.jp/wwd/

こちらに登場します主人公の恐竜、パキリノサウルスを冷凍してトラックに積んで

街中を巡航して映画の宣伝しましょう。  という、とんでもない企画です。http://www.foxmovies.jp/wwd/truck/

 

毎回20世紀FOXさん、粋な事しはります。

登場しますパキリノサウルスさん、全長6.5メートル(大汗)。

 

 

10月下旬、ウチの社長、突然この企画の打ち合わせに呼ばれ、青い顔して帰社。

「守屋君!この案件決まったで。出来るか?」

「何すか?」

「恐竜や。大人と子供を超リアルに等身大で一ヶ月で造りなさいやて。」

「はぁ?絶対ムリ!!」 

「いやいや、もう決まってしもとるんや。やらなアカンねん」

 

「ゲロゲロー」

 

ちょうどそれと同じ納期で3.5メートルの南蛮船の製作、ゆるキャラ3体、大きいチーズの造形40個、2メートルのフォークの看板、巨大な肉の塊、ビリケンさん、日本人形、マグロ、鯛、ヒラメ、アジ、ブリ、カンパチ、メダルゲーム機の武器パーツ塗装1000枚・・・全て同時進行。

これらをスタッフ5人、臨時アルバイトさん3人で。

 

最悪な事にワタクシ自身もちょうどその頃、親父が病気でマジ死にかけて入院やらで踏んだり蹴ったりで神経ピリピリで久々に本気で朝まで寝れない日々を過ごさせて頂きました。 おおきに。

 

おいおい、そんな納期で出来るはず無いやろポップさん、と各関係者。 確かに。

通常、このテの恐竜のボリュームなら他に何の並行物件が無くても最低2ヶ月は欲しいところ。

それを一ヶ月。

しかもその打ち合わせ段階での資料は紙切れ一枚の画像のみ。

まともにポーズすら決まって無い状態。

納期一ヶ月と言うても、この状態なら資料集めやポーズの決定、監修用のミニチュアの製作やら入れたら実質3週間てトコか。。。。

 

ウダウダ言うても仕方ないです。

でもさすがにワタシの手は2本のみ。阿修羅像では無い。

1人で恐竜の親子は物理的にムリなので、子供の恐竜(パッチちゃん)の製作をウチの若手ナンバー1のスタッフKさんに依頼。

でもまだKさんは恐竜の製作経験は無く、依頼を請けた瞬間から喋らなくなってしまいました。

でもやって頂きましょう。悩んでても納期は迫ります。

先ずはワタシがおおまかなスケール感とポーズを決め、粘土をこねて一次監修を受けます。

      コレがその大きさ。↓↓

トラックの荷台の大きさ一杯に納めて欲しいという要望のみで作業は進みます。。

このグリーン色の粘土のものが親の恐竜。6・5メートル。

その右わき腹あたりにいるのが見えるかな?子供の恐竜パッチちゃん。1・2メートル。

パッチブログ (2).jpgで、このバランスで監修OK出たので早速スチロール原型から。

ホントは恐竜とかの造形の依頼は滅多とないので骨格から粘土でコツコツ造って行きたい所なんやが、そんなことしてたら3ヶ月ほどかかるであろうから、いつも通りスチロールでサクサクと。

 

 二日目  ↓↓ 

パッチブログ (3).jpg三日目。↓↓ ほぼ完成。

細かな部分はあとからパテで造り込むのでスチロールの段階はこれくらいで完成。

パッチブログ (4).jpg今回はトラックの荷台に積むのでお客様が実際に手で触れたりは無いのでFRPでの補強は

足や尾などの一部のみ。

その他はかるく樹脂コートのみ。

早速細部の造りこみが始まります。

小さなウロコ、一つ一つの作業です。

ウロコ一つの大きさ、鉛筆の直径の半分くらいの大きさです。

気が遠くなる作業。

パッチブログ (5).jpgこんな感じでウロコの大きさも部位によって違います。  ↓↓

トカゲなどの爬虫類のウロコをよく見ると解りますが、

関節、目、口の周りなど、よく動く可動部分ほどウロコは細かいものになります。

逆に、面積の大きい、身体を守らなければならない部位のウロコは厚く大きくなります。

Kさんは自宅でヘビなんかを飼育しているのでその辺りはよくお解かりの様でスイスイ作業を進めます。

実に頼もしい後輩であります。

画像をよく見て頂けると解りますかな?

目の周り、ウロコ、頭のツノなんかでパテの色が違うのを。

これらは特性の違うパテ(硬さ、硬化時間など)でして、部位の形状により使いやすいパテをチョイスしているからです。

これも全て時間短縮の為なのです。

F1のピット作業並みと言えばオーバーやけど、それ位の感覚で進めないと納期が間に合わないのだ!

パッチブログ (6).jpgそんな中。。。 後輩が必死こいて作業を進める中、ワタクシ守屋はと申しますと・・・

 

パッチブログ (7).jpg極度の不眠から頭おかしなりまして製作中のビリケンさんの頭かぶって工場内乱舞。

 

 

真剣に後輩が作業してる時に先輩がこんな事してて社長が怒鳴りに来るかと思いきや・・

 

 

 

 

パッチブログ (8).jpg

パッチブログ (9).jpgわぉ!!!!

仕事一切ほったらかして自慢の小鳥といつまでも戯れとるやないかっ!!!!!

 

どんな会社やねん。。   こんな会社や。

文句あるなら手土産持って遊びに来なさい。

 

 

 

そんな上司など、どこ吹く風。

後輩のKさんは着々とリードして行きます。

すでにウロコは完成し、下地のサーフェーサーを吹き終わっております。

パッチブログ (10).jpgいよいよ塗装であります。

色味が濁らない様に重ねる色の配合や順番など慎重に・・。

コレで2色目。↓↓

パッチブログ (11).jpgココまできたら、もう何色重ねたか、本人すら解らないくらいです。

パッチブログ (12).jpg今にも動き出しそうです。

後ろに写っているのは高槻市のゆるキャラ「はにたん」

常に他の物件と同時進行です。

恐竜塗ったりゆるキャラ塗ったり、11月はまさに戦場でした。

パッチブログ (13).jpg公式サイトで確認して頂けると思うけど、この後輩Kさんが必死こいて造ったパッチちゃん、イベントの一等景品になっております!http://wwd-photo.jp/

 

パッチブログ (14).jpg皆さん、この後輩Kさんの我々上司に対する怒りの生霊が封じ込められたパッチちゃん等身大フィギュア、奮って応募しましょう!

 

では次回、本命の親恐竜の製作の様子をご覧頂きます!

お楽しみに!

ではーーーーーーーーーーーーー!