どーも。
何だかんだ言うてやっぱり2週間ぶりの守屋です。 アカンなぁ、ホンマ。
お詫びに今日はいっぱい書きますんで許して。
わたくし事ですが 先日、丸五年間お付き合いしていた子とお別れいたしました・・・。
この子なんですけど ↓↓↓
五年前、通勤の為に新車で購入。
スズキ アドレスv125リミテッド
ホンマにエエバイクでしたわ。
ハンドル部分とシートにヒーターが内蔵された冬最強モデル。
原チャリほどの車体に良く走る125ccのエンジン。
巷では通勤最速バイクとも言われ、その小柄なボディの為、スリ抜け楽チンで最速と言われてる。
街中の通勤のバイクよく見てください。
物凄い数 走ってますから。
トヨタのプリウス並に。
アクセル全開で100キロは出るし、燃費もリッター40キロほど走る。 凄いやろ?
でも・・・。
ワタクシ守屋、家から会社の往復で毎日 約50キロほど走る。
当然ながら見る見る走行距離は増え、5年で走った距離、約7万キロ。
もうチョイ頑張ったら地球2周走るとこでした。 ワォ!!
でも一ヶ月前くらいからバッテリーの電圧が徐々に下がり始め、バッテリー交換。
新品バッテリーなのにまた何故か徐々に電圧が下がる。
まるで昨今の東京の猪瀬知事の如く日々弱々しくなっていく・・・。
「コリャどっか壊れとるな。。」
行きつけのバイク屋へ。
店主: 「あぁコレ、もうアカンわ、寿命やで。」
「ジェネレーター(発電機)逝ってる。」
マヂかよ・・・・。
修理代聞いたら数諭吉。
しかも、そこ直しても他ももうガタガタ。
今度はエンジン内部が来るやろ との事。
「断念・・」 バイク新たに買うわ。
となって新しいの買いました。
今度こそ地球2周 周ります。
さて、前回のブログで書きました、映画「ウォーキングwithダイナソー」の続編ブログです。
前回は主人公のパキリノサウルスの子供パッチちゃんでしたが、今回はそのお父さんです。
なのでデカい! 6.5メートルだで。
全長10メートルのトラックの荷台へ積むのですからねぇ。
トラックに積んだイメージこんな感じですわ。
で、このミニチュアを元に必要なスチロールの数を計算してビックリ。
1.8×0.9メートル、厚み40センチの冷蔵庫のお化けの様なスチロールのブロックが約20本必要。
どんだけやねん ホンマ。
スチロール屋さんに注文。
「まいど!スチロール20本注文しますわ」
「そんな本数、何造りますの?」
「内緒!」 (ガチャン)
スチロール屋さんもビックリやろね。
早速 頭部から製作。
何や解らんでしょ? ↓↓
塊の中心部にペンで描いてある線はちょうど目の位置です。
このまだ平面構成の時に目の位置をしっかり決めておかないと
カドを丸めていくと位置関係の採寸が出来なくなるのである。
よってココで決めた目の位置は完成までずっとこの位置です。
造形やりはる人なら解ると思うけど、この目の位置のシンメトリーを取るのは
非常に難しいのです。
特にこの様な等身大の時は。
あ、この塊の隅に置いてある緑色の小さなものはさっき紹介したミニチュア粘土モデルの頭部です。
1/20スケール。
コイツを見ながらこの塊をさばいていきます。
少し見えてきたかな?
この段階はニクロム線でカットしてます。↓↓
ナイフに工具を変え、その後、ワイヤーブラシでジャリジャリ削っていく↓↓
常に先ほどの緑の粘土ミニチュアが置いてあるのがお解かり頂けますか?
大体の形が完成。
頭部は一旦これで止めて、お次は胴体部分。
これまた訳の解らん塊であります。↓↓
手前の尖ったところが尻尾の先端です。
頭部と同じくニクロム線でカドをバサバサ落として行き、ナイフで整える。
尻尾の付け根にナイフが刺さってるの見えるでしょ?
どれだけ大きな物も小さな物も、特別な機械などは一切使いません。
ニクロム線、ナイフ、ワイヤーブラシ、ナイロンヤスリ、サンドペーパー。
これだけ。
胴体も ある程度形になったら頭部を接着し、今度は細部の彫刻を始めます。
コレは ある意味一番重要な作業 ↓↓
何しとるかと申しますと、トラックの荷台の入り口のサイズとの比較。
これを間違うとトラックに収まらないという大惨事になるからね。
ギリギリいっぱいまで大きくして欲しいという20世紀FOX様の意思を尊重します。
上下左右10センチのクリアランスで造ります。
原型が完成しました。
通常、このあとFRPをコーティングといった流れなのだが、今回は表面にウレタン樹脂を吹きつけてコーティングします。
何故FRPで無くウレタンかと申しますと時間の問題。
とにかく時間が無いというのと、FRPまでの強度が要らないと言う事でウレタンの吹付けをチョイス。
但し、これだけデカいとなると万が一の事を考え、力が掛かる部分には予めFRPを貼ります。
首廻りや取り付け金物が入る足など。
さぁウレタンの吹付けです。
このスプレー状に出ているのがウレタン樹脂。 ↓↓
ドラム缶にA液B液がありまして、それを圧送する機械でホースへ送り、先端のノズルの所でABが
混ざり合い 吹付け後、数秒でガチガチに固まります。
コレで人間に吹き付けたら・・・・。
ある意味 武器と言うか凶器です。コワイですな。
液体窒素で固まるターミネーター思い出します。 ・・ちょっと違うか。
必要な硬さが出るまでどんどん吹き付けます。
でも 調子に乗って吹き付けると綺麗に彫った模様も全部消えてしまうので必要最低限に。
なんだかんだでトータル 100キロくらいのウレタンを吹き付けました。
さぁ、ココからが本当の勝負どこです。
今までの工程は楽勝の部類。
一番の難所、皮膚のウロコの造作です。↓↓
もうコレだけは手の抜き様がありません。
手の爪の大きさ程の6角形のウロコが全身にビッシリ入っています。
表面積で言うとどれくらいでしょ・・。
畳15畳くらいあるんちゃうかな?
胴体を4人チ-ムで一週間くらいかかった。
頭部はワタクシ守屋が担当。
この6角形をチマチマ造り込む作業、どれだけ大変かアナタもやってみるがよい。
ダイソーで粘土買ってきてヤリなはれ。
10人中7人は頭おかしなるから。
ただ6角形をダラダラ造っていてはダメ!
部位によってウロコの大きさは違うのだ!
いろんな資料を参考にしたりFOX社より頂いた未公開の動画なんかを見て細部を表現しました。
ウロコが完成したら下地のサーフェーサーを吹付けます。
一旦ここで真っ白になります。
真っ白にするのには訳があります。
真っ白にする事により先ほど造ったウロコがハッキリ見え、ちゃんと綺麗に出来上がっているかのチェックをする為です。
ダメな所があると容赦なしにやり直し指示。
ナンボ若手らに嫌な顔されようと、ここは厳しく行かせてもらいます。
いつかワタシはストレスの溜まった若手に刺されて一生を終えると思います。
サヨウナラ・・・。 ガクっ。
ツラいウロコ作業も終わり楽しい塗装の時間です♪
と言ってられない!!
納期があと3日と迫っているのだ!
通常 目の塗装は最後にまわすんやが一番最初にやってテンション上げまくって
アドレナリン垂れ流し作戦で行きました。
じゃないともう心身共にフラフラな状況だったので。
塗装だけは数人で共同作業・・ という訳には行きません。全くの個人プレイです。
孤独との戦いです。
先ずは目の虹彩の模様から描き込みます。 細い筆でしゅるしゅると。
そしてブラウン系で虹彩の色をグラデーションつけて塗り、瞳孔の周りとなる部分をイエロー系の
色で薄っすらボカし、最後に瞳孔を塗る。
んで最後にクリアを厚く吹いて透明感とか潤いを出し 完成。
今にもギョロっと動きそうな感じしない?
簡単にやってる様やけどホンマは難しいんやで。
ウソやと思たらダイソーで絵の具買ってきてアンタもヤリなはれ。
何だか工場の周りでキーキーやかましい声が聞こえてきます・・・・・・・・・。
じぇじぇじぇ!!
気が付けば工場内に50人くらいのチビちゃん達が塗装中のパキリノを囲んでいるではないか!!!
さすがにこの間は塗装は出来ず つくり笑顔でイイお兄さんぶるのみ。 アハハハ言うて。
ま、ウチの会社、この様なご近所の幼~小学校の見学ツアーのルートになってる様で茶飯事です。
さ、気を取り直して再塗装!!
恐竜の色って、最近の研究で少しづつではあるが解明されて来たとか。
ワタシらが子供の頃の図鑑の恐竜なんか、みんなウ〇コ色でしたよねぇ?
でも最近のは違う!
かなりの極彩色で描かれている!
今回のパキリノサウルスも然り。 ↓↓
こんな色、ホンマでっか!?
と思うアナタ。コレを見れば納得するか?
ウチで飼ってるフトアゴヒゲトカゲのパンちゃん。 ↓↓
物凄い色ですやろ?
こんなのが実際に生きて今ココに居るんやから 恐竜も多分こんなはずじゃないのかな?
パキリノサウルスも 頭にこんな大きなフリル状の鎧があるんやから何らかのアピールでコレを
使ってたはず。
ただ身体を守る鎧ではなく敵や仲間がこの部分の色で何かを認識してたのでしょう・・・ 多分。
厳しい顔に仕上がりました。
当然 親子での2ショット撮り。 ↓↓
はぁ・・・ 早くこの瞬間を見たかった。 感慨無量。
何も言い残す事は無い。
ストレスの塊と化した若手スタッフ達よ、
さぁ、ワタシを好きなように殺るがよい!
うっ・・・・ 。
アホな事言うて喜んでるワタシを無視して 外で若手達は撮影大会を始めてました。
パッチちゃんの産みの親、スタッフKさんも嬉しそうです♪ なかなか放そうとはしません。
そんな無邪気に喜ぶスタッフ達に時の流れは無情なもので、早速ドナドナトラックがやってきました。
イカツいアメ車トラックであります。
V8 7.4リッターのエンジンを積むバカデカいトラックであります。
ワタシも昔、バカが3つくらい付くバカデカいアメ車に乗っておりました。
なのでひとりテンション↑↑で舐め回す様にこの車を見ていました。
このトラックはアメ車カスタム業界では知らない人は居ない奈良のイメージクラフトさん所有の車です。
このお店、どんな改造でもやってしまいます。
車を電車にもしてしまいます。 いや、これホンマです。 ヤバい会社です。
荷台はこんな感じ。
どう積み込むか皆でイメトレ中・・・。
だって上下左右のクリアランスは10センチなので、少しでも間違うと ツノがバキッ!!とか
塗装がガリガリ~っとか充分有り得ますからね。
しかもこのパキリノサウルス、重量が300キロ近くあるのを6人で手積みですから。
緊張が走ります。
スタッフ全員で積み込んだので 肝心な積み込みの瞬間の画像、一切無し! 男前っ!!
無事にトラックに吸い込まれるが如し、パキリノ親子は荷台に鎮座しております。
笑ってますけど心は泣いてます。↓↓
ホンマに完成して即、積み込んで持って行かれるんやもん。 悲しいわ、この仕事。
ワタシと社長の2ショット。 ↓↓↓
「守屋君、今回は無理な物件投げつけてスマンかったなぁ。ホンマようやってくれた、ありがとう・・」
て 言ってくれると思ったら
「あー腹減った 早よ帰ろ帰ろ」 やと。
こんな人です。 ウチの社長は。
労いの言葉なんて入社以来、誰一人、一度も聞いた事が有りません。スバラシイ会社です。
後ろからのアングル、ヤバ過ぎますなぁ。
後続車、オカマ掘らぬ様 祈るばかりです。
こうやって見ると、ホンマに過激な企画であった事を痛感します。凄すぎます。
20世紀FOX社の方が言うてましたが、今回の企画、NHKを始め各メディア、専門誌などからの取材も多数ありました。
特にNHKさんはかなり濃い内容でした。スタッフ一同、仕事を止めて番組に見入ってしましました。
この映画の製作会社BBCもこの企画に対し「このトラック持って帰りたい・・」「他の国もこの企画に嫉妬するだろう・・・」 と舌を巻いたとか。
東京ー名古屋ー神戸ー大阪ー京都と廻り、今は再び東京に移動しております。
その後、再び大阪へ戻って一ヶ月ほど展示され、最終的には、ぬぁんとウチの会社へ戻ってきます!
その際の飼育責任者はワタクシ守屋になりそうです。責任重大であります。
ホンマにホンマに大変でした。
この一ヶ月で2キロほど体重減りました。
でも、毎日の様に公式サイト内の企画に写真投稿されてるの見たら、この疲れも吹っ飛びますなぁ。
20世紀FOX社の企画担当のO様からも毎日の様にお喜びのメールを頂きます。
O様、またこんな物凄い企画、お願いしますよ~!!
だって・・
世の中にはまだまだこのトラックに負けないくらいのスゴいトラックが居てますから・・・・(爆
ではまた~