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懐かシリーズ

画像の整理してたら懐かしいの出てきたから紹介しよかな。

ポップ工芸マニアのあなたなら当然ご存知のアレ。

「自由の顔面女神」

コレは元々展示会のブースで展示するために造ったもの。

ブースの大きさは大体3メートル四方の大きさが多い為、設定を2メートルにして製作。

ではどうぞご覧くだされ。

まずは巨大なスチロールのブロック。一個あたり2×1×0.5mの大きさ。

そこに大体のアウトラインを描き込む・・・正面からと側面を。

この段階では何が何やら訳解らんでしょ。

でもこんな塊の中にギリギリ納まる様、ちゃんと勘ピューターで計算してます。

女神1.jpg

で、その横方向から見たラインでまずカット。

すると当然、最初に描き込んだ正面からの下絵は消えてしまうので再び描き込む。

但し次は平面ではなく、曲面に描き込まないといけないので位置的なバランスを取るのが難しい。

でもコレをキッチリしておかないと失敗は許されないので慎重に。

だってスチロール代だけでもン万円するしね(汗)

守屋必死!!!

女神2.jpg

そしてラインが決まったら今度はタテ方向のカット。

こんな下絵でホンマに出来るんかぁ?

守屋の勘ピューターが今まさに計算しております!「今日の昼メシ何食べよう・・・」と。

女神3.jpg

おっと!やれば出来る子やないの!守屋クン(^^)/

最初の画像から見たら、あんなブロック塊からこんなの削り出すって考えられへんでしょ。

女神4.jpg

そして完成した原型にFRPでコーティングしてパテで完成。

女神5.jpg

完成後は日本中の展示会に連れ回し、会場で目立ちまくった女神さん。

その後もテレビの取材を受ける事数回・・

女神6.jpg

その他イベントやらでひっぱりだこ。

女神7.jpg

今は工場のガレージに鎮座して通行人たちをビックリさせるのが彼女の日課。

今でも年間通して数人の方が、彼女売ってください、ナンボですか?と訪れます。

オモロイ人もいるもんやなぁ・・・。

他にも懐かしい画像出てきたから、後日紹介するわ。

ではでは。

となりのトトロ

ある日、ある女性の方が工場を訪れました。

お話を聞いていると、ご近所(八尾市)でバレエを教えていらっしゃる先生だそうです。

その総生徒数、ぬぁんと100人!!凄い・・

その先生曰く、今度のバレエの発表会で小さな子供たちがトトロの音楽にあわせてバレエを踊ることになったそうで、軽い気持ちで子供たちに「今度の発表会でトトロと一緒に踊れたらイイねぇ・・」と言ってしまったところ、子供たちはもう止まりません。「トトロと一緒に踊る~!!」と盛り上がってしまったそうな。

困り果てた先生・・・

そこでポップ工芸を訪れたそうな。

色々相談した結果、ご予算の都合上、御自分達で造られる事に。

何故なら我々プロが製作し製作代が発生するとなると、この様な場合、版権の取得が必要となり、それだけでも莫大な費用がかかります。

しかも、個人で製作しても発表会等、公で使用するには厳密には版権や承諾を得ないといけません。

個人の趣味で製作する場合はこの限りではないけど。

そこで一応、スタジオジブリさんの方に問い合わせをした結果、その発表会で収益が発生しない事と複数回に渡る使用が無い限り製作OK!と。 太っ腹ジブリ!さすが。

で早速製作開始。

今回は、材料費のみ頂き、製作は工場の空いてるスペースを使って頂いて行う事に。

先ずはアウトライン引き。

トトロ1.jpg

アウトラインのカットが終われば次はおおまかにカドを丸めて・・・

トトロ2.jpg

あとは恒例のスチロールの粉まみれ祭り。ワッショイ!

トトロ3.jpg

あれ?社長、ずっと手伝ってるやん!

アカンで!手伝ったら。プロが手出ししたら版権取得せにゃならんのやし。

社長はこんなのほっとけない人やから、つい手伝ってあげてしまうんよなぁ・・(^^;

今回は実際に中に人が入って歩き回る様にしたい、との事なので中をくり抜きます。

そして原型が完成したら生地を貼り込みます。

トトロ4.jpg

シワが出来ない様、慎重に・・・

トトロ5.jpg

ちょっとスリムな感じのトトロさん。

まぁ、これでイイんです。手作りの味があって。しかし我々が造る場合、絶対にジブリ側のチェックでアウトになるはずやけど。

でもこのスリムトトロには訳が。

ご予算の都合で今回2本のスチロールブロックを使用。

本来の姿を表現しようとすると、あと1本ブロックが必要やったから。

いやいや、充分によくできてますよ、ホント。拍手!

お次は細部の製作。

トトロ6.jpg

このへんの作業まで来るとかなり楽しくなってきます♪

あとはヒゲやら付けて完成。

トトロ7.jpg

どうです?なかなかのモンでしょ?

トータルで3~4日くらいで完成させはったかな。

発表会での子供らの笑顔が目に浮かびますなぁ・・・

ポップ工芸では年間あたり数人このように何か造りに来られます。

こんなの興味はあるけど自分ひとりではチョットなぁ・・って方も、いろいろ造ってみたいけど造り方が解らん・・・って方も、悩んでないで一度気軽に相談してみて。

初めての人でもこんなの造って帰られるんやし。

社長はじめ男前スタッフ一同が丁寧に相談にのりますから(笑)

マグロイロイロ

昨日、近大マグロを紹介したんで、ついでに過去に造ったマグロ造形を紹介。

まずはトップバッター、キングオブポップ中村社長の力作、「築地のマグロ」

大きさナント10メートル超え!

もう何回テレビや雑誌で紹介されたことか・・・

もう随分昔に造ったヤツやけど、いまだに問い合わせが後を絶たない超人気ぶりスターマグロ。

画像からそのデカさが伺えマス。

築地で見たことある人も多いのでは?

取付集合.jpg

次はコイツ。かなりグロい・・・

これも大昔に造ったヤツ。

一体、何屋さんの看板やったんやろ・・

コレは水内クンと社長による製作。

マグロ&モリ.jpg

お次はコレ。

このお方は居酒屋さんの看板として店先に設置されていたんやけど、かなりお酒を召されたオジサン達に殴る蹴るの暴行を受け、ヒレというヒレは全てモギ取られ、なんと尻尾のヒレなんか根元の細い所でポッキリ折られてました。

元々はよその造形屋さんで造られたものやったけど、修理依頼でポップ工芸に緊急入院。

ご覧の様に綺麗スッキリ完治して無事退院。ガチガチに補強を入れたので今のところ再入院の気配無し。よかったよかった。

ポップ工芸ではこの様な他社で造られた造形品のリペアも行っております。

色の塗り直し等、何でもお問い合わせ下さい。

CIMG0908.jpg

まだまだあるで。

次はコレ

これまたポップな感じのデフォルメパターン。

デザインの違いでこんなに雰囲気が変わるんやね。カワイイ!

でも3メートルはあろうかのジャイアント鮪。

コレも水内クンによる製作

キャラマグロ.jpg

次!  (もう飽きてきた?)

コレは大阪の黒門市場に吊り下げられています。

コイツはテレビ出演多し!!タレント気取りで調子にノッてるヤツ。

黒門市場でのロケではオープニングでコイツのアップから始まるパターンが多い。

あんまり天狗になるなよ。

これは忙しかった時っだったので手が空いてる人が入れ替わり差し替わりでのジェットストリームアタック合作。

黒門マグロ.jpg

お次!

実にカワイイ!!たこちゃん&お魚コラボ。

居酒屋さんのキャラ。

アレ?これマグロちゃうわ。カツオやった・・・ ゴメン。

まぁエエか。カワイイから許してあげて。

カツオのデザインはおまかせやったんで、グラフィック調のデザインにしてみました。

タコにマッチしてイイ感じでしょ?

コレはワタクシ守屋の製作

タコチャン.jpg

よくここまで付き合ってくださいました、これで最後にします。

どさくさに紛れてカジキマグロ。

エエやんか。マグロはマグロやし。

釣具屋さんの看板。よくあるパターンやね。

画像では解り難いけど、コレ、かなり綺麗な色やってん。

ホンモノのカジキマグロもエゲツナイくらい綺麗な色してるんやで、知ってた?

製作はアルバイトの女の子。なかなかヤルやん。

カジキ.jpg

こうして見ると、一口にマグロ造形、と言ってもデザインや造形師によって出来上がりが千差万別なのがお解かり頂けたと思う。

面白かったでしょ♪

近大マグロ その2

ポップ工芸、年末にかけてかなり忙しくなりそうな感じ。

いつもそうやけど、何でこう、物件が重なるんやろ。もっと均等に散ってくれたらと思う。

しかもビックリするくらい納期が無かったり・・・

どこの業者さんも皆、同じ事ボヤいてる。

でもこのご時世、おかげ様でほんと有り難い話ですわ。

つきましてポップ工芸、年末にかけてお手伝いさんを若干名募集するかもです。パートさんやアルバイトさんを。

まだ具体的な事は会議中なので決定したら何かしらサイトで発表します。

我こそは!と思う人は気にしといて下さい。早い者勝ちやし。

 

近大マグロ、無事に塗装も終わり。

マグロってホンマはこんなに黒いんやで。もっと黒いかも。

良く見かけるマグロの造形って、みんな青いでしょ。

まぁ、あれはあれで看板やから仕方ないわな。鮮やかにせんと。

ウチでも青く塗ってくれ、と言われる事が大半やし。

今回は展示用に大きなアクリル製のケースを用意したよ。  ・・・しかし重い。

近マグ3.jpg

こんなの部屋にあったら毎日楽しいやろなぁ。

シーラカンスとか変な深海魚とか造って入れてみたい・・・

尻尾にはこんなヒレも付いてる。そういえば普段食べてる鯖とかサンマにもこんなヒレが付いてた気がするなぁ。

近マグ4.jpg

木箱で梱包して出荷となりました。

写真撮り忘れたけど、この木箱の横に、大きく「近大マグロ」とロゴを入れて出荷しました。

近マグ5.jpg

近大マグロはちゃんとしたブランド品なんやて。

まだ流通量こそ少ないけど、販売時には「近大マグロ」と明記されてるはず。

普通のスーパーとかではまだあんまり売ってないかも知れんけど有名デパートとかでは、たまに販売してるとか。

売ってたら絶対食べてみよっと。

近大の努力の結晶なんやし。  皆さんも是非!!

 

近大マグロ その1

「近大マグロ」

皆さん知ってはります?

マグロといえば、あの豪快な一本釣りが有名。ワタシは松方弘樹とか梅宮辰夫のイメージ。

何ヶ月もかけた、大海原での帰って来れない漁のイメージもありますな。

ご存知の方も多いと思うけど、このマグロ(クロマグロ)、自然界では乱獲やらで相当減ってきてるとかで、欧米では大西洋クロマグロをワシントン条約の対象種として保護し、乱獲に歯止めをかけようとしてるくらい。

そうなれば食卓からクロマグロの料理が消えていくかも・・・ クジラみたいに。

そんな理由や高級魚の代名詞であるマグロを養殖し、より安く安定した供給を目ざし、水産庁はなんと1970年からマグロ養殖プロジェクトを発足。

それに近大やらその他の機関が取り組み、近大はクロマグロの完全養殖に成功したとか。

完全養殖って書いたけど、マグロの養殖自体はそんなに珍しいものではなく、我々庶民が食べてるのはほとんどその養殖モノ。

でもその養殖と完全養殖とは訳が違う。

普通の養殖モノのマグロは、稚魚を海から捕獲し、イケスで大きく育てたもの。そう、ウナギみたいに。

完全養殖とはイケスで育った親魚から卵を採取し人工孵化させて育て、それが親になりまた卵を孵化させて育て・・・のサイクルをくり返したものを言うらしいですわ。

言葉では簡単やけど、それはもう大変な道のりだったとか。

とにかく稚魚がどうしようもなく困りモノで、皮膚が弱く、手で掴んだだけで死ぬ、車のライトの光とか船のエンジン音等でパニックに陥ってイケスに激突して死ぬ、挙句の果てにはお互い共食いをするという、相当なおバカさんぶり。

でも近大はその壁をクリアし、コンスタントに完全養殖を続けているとか。  スゴイね。

自然界では160キロもの猛スピードで泳ぐと言われるクロマグロ。さすがにイケスでは運動不足の様やけど、逆にそれはトロの部分が多いマグロになるというから面白い。

で、今回の日記はその近大さんからクロマグロの製作依頼があり、それを紹介。

近大さんに、すでに展示されているマグロの大きな(2.7m!)剥製があり、剥製では劣化や損傷が進行するので、それのレプリカを製作して欲しいとか。

その写真から比率を割り出し、型紙を作りスチロールをニクロム線でカットし原型を製作。

近マグ1.jpg

スチロールブロックからムダの無い様に有効に裁断します。

もうウチではマグロの造形、通算で何十体造らせて頂いた事か・・・

お寿司屋さんとか居酒屋さんの看板で。

でもこれ以上の乱獲が進めばマグロ造形の数も減っていくんやろうなぁ・・複雑な気持ちになる。

近大さんに頑張って殖やしてもらわねば!!

で、慣れた手つきで原型完成。FRPでコーティングしパテで細かいところを造り込み。

近マグ2.jpg

今日はマグロについて熱く語ったので疲れた・・これでおしまい。

生き物関係になると、つい熱くなる・・・

粘土コネコネその6

今朝、出勤前、注射してきた。

別に体調悪い訳じゃない。もっと元気になりたい訳でもない。

理由は「迷惑かけない為に」

そう、インフルエンザのワクチンを打ちに。

当然、季節性インフルエンザのワクチンやけど。

我々の様な脂の乗ってる年代には新型のワクチン、いつになったら巡ってくるんやろ・・・

なんか余り物しかまわしてもらえない気がして釈然としないけど。

ワクチンはちゃんと毎年接種してる。

上にも書いたように「迷惑かけない為に」

車のシートベルトみたいに思ってる。

シートベルトは当然自分の身を守るもんやけど、実際、自分か相手のどちらかがシートベルトしてなかったら、両方に被害も損害も数倍、いやそれ以上被るもんやしね。

ワクチン接種したからってインフルエンザにかからない訳じゃないけど、このポジションになると、正直何日も寝込んでられへんしね。もしかかっても一日でもはやく復帰する為に。

ワクチンよりも日ごろの体調管理のほうが大切なんやろけど。

 

さ~て粘土のおっちゃんのヤツ、いよいよ最終工程の塗装やで。

普段はごっついスプレーガンでドパ~ッ!!て塗るんやけど、今回のは小さいのでエアブラシという細かいトコ向けのスプレーガンで塗ります。

コツは一気に塗らないで少しずつ色を重ねていく感じで。

福島氏塗装1.jpg

さらに細かい所は筆塗りで。

で、全体が塗り終わったら、クリアーをしっかり吹きます。

エアブラシで塗った塗装は、塗膜が非常に薄いので、ちょっとしたことで、すぐキズが付くので、全体が塗り終わったら、クリアーをしっかり厚く吹き保護します。

福島氏塗装2.jpg

でもこれだとテカテカして何か陶器の様な感じ。これはこれで綺麗なんやけど、光が乱反射してダメです。つーかローションまみれの怪しいキャラになり兼ねない(失礼!)のでツヤを落とします。

福島氏塗装3.jpg

ハイ!これでOK。

スーツの部分は生地の光沢感を出すため半ツヤ。あと画像では解りにくいけど口まわりはツヤを残してあげてます。

そして、あらかじめ造っておいたベース板に裏からビス留めで完成。

福島氏塗装4.jpg

この方、ワタシは存じ上げませんが結構有名なお方。

いろいろ出版や講演をされてます。気になる方は検索してみては?

 

あ、ひとつ面白いのをご覧頂こうかな。

下の画像、当然、同じ型から抜いた全く同じモノやけど、顔の角度、全然違って見えますやろ。

福島氏塗装6.jpg

これはレリーフ状の造形ならではの現象です。

レリーフというのは限られた厚みの中で、いかに立体感や遠近感を出すか・・・というのが鉄則。

その限られた厚みの世界で、色んな技法や表現法を用いて造られてる。それは前回の10センチシリーズで色々説明したと思うけど、全てパーツの微妙な角度や盛り上げ方、凹ませ方なんかで表現してる。

だからその絶妙な角度やらで構成されてる以上、ほんの少しでも視点が変わればガラッと雰囲気や見え方が変わるんですわ。良く言えばそれがレリーフの面白さでもあり、悪く言えばそれがレリーフの弱点。

真正面から勝負!というわけ。

皆さんも今後、街にある作家さんやらが造ったレリーフ状の作品、注意して観察してみてください。

作家の表現やらレリーフの面白さとか、色んな事がみえて来るよ。

粘土コネコネその5

朝晩、だいぶ涼しいというか、もう寒いくらいやなぁ・・

ここ最近の秋、温暖化やら何か知らんけど、なんかシックリ来ない秋の様な気がして仕方ない。

紅葉もなっかなか来ないかと思ったら一瞬で散ってしもたり。

でも食欲だけは温暖化もへったくれも関係無く、きっちり秋に訪れる・・・・。

旨いモンは旨い!秋は色々旨い!

 

粘土コネコネシリーズ、お人形さん自体はあと塗装を残すのみやけど、その前に人形さんを取り付けるベースの板の製作を。

今回のベースはごく普通の木の板なんやけど、設計様の方から、ベースは木板ですが本体と同じくFRPで製作して下さい、との事でしたので、それに従いFRPで。

こだわりなんでしょな。

 

形状は普通の板なんで、製作の過程は省かせていただくとして、塗装を説明しよかな。

「木目の塗装」

これは木目の種類によって色んな技法があるし造り手によっても違うけど、今回はいつもワタシがやるやり方で。ごく一般的な難しくないタイプの木目です。

まず、ベースの色となる方の色(薄い色の方)を塗ります。塗料はウチでは2液性ウレタン塗料を使います。完全に硬化したら木目(年輪のスジ)を描き込みます。

その木目を描き込む方の塗料はベースのウレタン系では無く、エナメル系とかの塗料がイイです。

ホームセンターに売ってる普通の塗料(水性、ラッカー系はダメ)でもOK。ペイントうすめ液使うヤツ。

ベース側にウレタン系塗料を使うのは、上から描き込む木目の塗料で溶けないというか侵されない様にするため。

まず、適当(ホンマに適当)に筆でおおまかな木目をスラスラ~と描いて、布にシンナーを含ませ、それらしくボカシたりスジ目を際立たせたり・・・  ただそれだけ。

福島氏ベース1.jpg

今回の板のサイズは50×40センチ。

これくらいのサイズだと、ものの15分くらいで描きあがります。

今回の木目は一般的な普通の木目なので、資料とかは一切見ないで勘で描いてしまう。

福島氏ベース2.jpg

ベースと違う性質の塗料を使っているので、仮に失敗しても大丈夫。何回でも拭いて描き直しは出来るから。

で、完全に乾燥したら、描き込んだ木目をクリアー塗装でコートして完成。

指定の文字やらを入れて出来上がり♪

福島氏ベース3.jpg

でもほとんどが上から貼るお人形さんで隠れるんやけどね・・

今回のは小さな板やったから、本来ホンモノの板を使った方が安いと思うけど、屋外で使う大きな銘板なんかはFRPで造るとメリットがいくつもあるんですわ。挙げてみると・・・

①まず、軽い。これは施工する人にとってかなり重要なこと。

②次に風雨にさらされても腐らない、割れない反らない。皆さん、張り込んでゴッツイホンモノの高額な板を使って看板作られていますが、たった数年でものの見事にニスが剥がれて黒く変色して割れて台無しになってるのをよく見かけると思います。勿体無い・・・。

③安い。安いと書いたけど、正直、小さい板だとホンモノの板の方が安い場合があると思うけど、大きな板だと、同等、それ以上にFRP板の方が安い場合もあります。第一、経年劣化の事を考えると断然お得。

その他、細かいコトを言い出したらきりが無いのでこのへんで。

これも以前造ったFRP板です。どうですかイイ感じでしょ?ココも例外に無く、酷く腐ってしまっていた板をFRPでリニューアルした例です。コレも資料を何も見ずに妄想で描いた。

木調1.jpg

木調2.jpg

木調3.jpg

粘土コネコネその4

どーでしたか皆さん、何ちゃら流星群見れましたか? あ、オリオン座流星群か。

ぬぁんと、ワタシ見ましたよ!!

目覚ましセットして夜中見ようかと思ったけど、絶対に挫折すると思って寝る前に観測・・・

12時くらいから観測はじめ。ウチはマンションの3階なんやけど、ベランダに出てみると他の階からザワザワ聞こえてる。  ・・みんな見てるみたい^^

10分ほどボケ~っと見上げてて、もうアカンか、寝よか思て部屋に入ろうとしたら、外から「ワァー」

・・・・クソッ!ツイてねーな。

くやしいから絶対見てやるモードになって見上げる事5分。

「あっ!!」

ホンマに一瞬やったけど確かに流れ星が!

そんな一瞬の出来事やったけど、とっさに思った願い事   ・・・・・「借金完済!」

これホンマ。

もう夢の無い自分がイヤになってしもた。

でチョット楽しくなってトータル30分程観測。見れた流星は4つ。

オリオン座を中心に放射線状に次々流れてた。

さすがに願い事の内容に愕然とはしたものの、やっぱ流れ星ってイイもんやね。

エエ事ありそな気分にしてくれる♪

あっ!話は前後するけど昨日こんな事が。

バイクで帰宅途中、信号待ちでふと思った。

「そういえばこのバイク、購入して何ヶ月経ったんやろ?何キロ走ったんやろ?」

そんなこと普段全然気にしないんやけど、ふとメーターの走行距離を見てビックリ!!!

8888.jpg

わかり難いけど・・・見えるかな?

なななんと!「8888.8キロ」の所で信号待ちしてるやないの!!!!!!!!

思わず写メ。

どんだけ末広がりやねんっ!!!!!

こんな事があるんよ、世の中。

ホンマに狙った訳でも無く、偶然の偶然。

コレはエエ事あるんちゃうの!

そういえばこないだ書いたけど流星群が始まる前日に、ゆ~っくり流れる流れ星に願い事しまくる夢見たり・・・

なんやろ。ホンマにエエことあります様に・・・・・。

そういえば先週、飼ってるペットが2日続けて死んでしもたり全然ツイてなくてかなり凹んでたとトコやっただけに、これは気分的に救われた気がする。

でもこんなラッキーな事、あんまりペラペラ他人に話したらアカンのかな(笑)

まぁエエわ、このブログ見てくれてる人にエエことあるよ  ・・きっと。

 

さぁ、色々書いたし今日はもうこれで終わろかな、って思ったけど、一応製作日記やし。

福原氏サフ.jpg

型から抜いたヤツ、バリを切り離して裏面を平らに削り、ピンホールや欠けてるトコ修正して、表面を整える為、サーフェイサーを吹きます。  以上。

 

何や、全然ヤル気あらへんがな(爆)

 

では皆様、守屋パワーを浴びて、明日も良い一日を!!!

 

粘土コネコネその3

昨夜は例の何ちゃら流星群、曇ってあんまり見えへんかったらしいね。

ラジオやら聞いてたら皆、おそくまで起きて観測してたけど見えなかった!とブーブー言うとる。

今晩あたりはイケるんちゃうかな?

どーしよ・・・・

起きて観測するべきか・・・次は確か、数十年後やいうてたし。

そーゆー表現に弱いんよなぁ・・   数十年後とか最後とかもう入荷しないとか絶滅寸前とか・・・。

まぁ、仕事疲れで即、爆睡してると思うけど。しかも11時とかに。   子供か!

 

さて今日は型取りを。

出来上がった原型を型取りするんやけど、型取りは通常、石膏、シリコン、FRP等がある。

複製する個数や形状の複雑さとかで何で型取りするか決めるんやけど、今回は比較的簡単な形状なのでFRPですることにした。

福原氏型取1.jpg

ただ、FRPで型取りするには予め原型の段階で、よーく考えておかないと後で大変な事に・・

何か言うたら、シリコンゴムやったら全く問題無いけどFRPには柔軟性がゼロ。

だから原型の立ち上がりの部分の形状を垂直もしくは台形にしとかんと型から抜けなくなるから。

台形を逆にした様な形だと絶対に抜けない。でも矛盾して、その台形を逆にした様な感じの形状の方が、よりエッジが効いてシャープというか、よりメリハリのある作品になるんですわ。

でもシリコン高価やしね・・・。その辺は原型の表現力でカバー!!

福原氏型取2.jpg

ハイ!綺麗にポコッ!と抜けましたヨ。

あれだけ軟らかかった粘土も数日でパキパキに硬くなって割れとるがな。

でももうこの原型さんのお勤めは、これにて終~了~♪ 勿体無い気もするけど一気に剥して丸めちゃいます。・・・嗚呼、残酷。

んで、出来上がった型を綺麗に洗って粘土を落とし、離型剤をしっかり塗り込んでFRPを積層します。この辺はいつもと同じ。強度が必要な所なんかは多く積層します。

取り付け金具とかもこの段階で樹脂で固定。

福原氏型取3.jpg

そして完全硬化まで数時間放置プレイ。

で、硬化したら型をポコポコ叩いて中身を抜きます。上で書いた様にちゃんと抜け勾配を巧く考えてたら楽勝やけど、何も考えんと原型造ったらココで泣きを見ます。一生抜けません。

でも大丈夫。ちゃんと綺麗に抜けました♪

福原氏型取4.jpg

見た目は汚いけど、気泡も少なくバッチリ抜けてる。

今回は2個発注頂いたんでもう一個。

明日は塗装やらを書こうかなぁ・・

 

流星群どうしよ・・起きてよか寝よか・・・目覚ましかけて早朝に起きるとするか。

 

粘土コネコネその2

あかん。

最近早く寝ても疲れが取れへん。なんでやろ?

眠りが浅いというか夢ばっかり見たり・・・

今朝は流れ星を何個も見る夢みたわ。スゲーゆっくりの流れ星でメチャメチャ願い事言いまくる夢。

欲丸出しの。

病んどるな、こりゃ。

よー考えたら最近、某有名ゆるキャラの小さい原型を毎日造ってて細かい作業で神経ピリピリしてんのかなぁ?

あ、そーいえば今晩あたりから流星群が見えると今朝テレビで言うてたなぁ。

凄い!夢で流れ星を予知してる!エエ事あるかも・・・

 

さーて昨日の続き、粘土コネコネです。

久々の粘土で、エンジンかかるまで時間が必要かと思いながら作業し始めたけど、思いのほかスイスイ手が動いてくれた。作業始めて5~6時間くらいでこんな感じ。

福原氏原型3.jpg

よし、このペースなら目標の二日間での完成はイケそうやな(^^)d

社長にお尻ペンペンされずに済むわ。

胴体の部分の厚みは5ミリ~1センチくらいしか無いから、これまた頭使っていかんと立体感が出せないから慎重にせねば・・・。

福原氏原型4.jpg

予定通り二日で完成しちゃった♪

アップはこんな感じ↓↓
福原氏原型5.jpg

手を抜かず爪とかもちゃんと造ったで。手は1センチくらいのペラペラやけど立体的に見えるでしょ?

薄い造形やから気をつけないと粘土が乾燥して一晩でヒビ割れが出る事があるから、帰る前にしっかり霧吹きしてビニールとかかぶせて保湿してあげないとダメなのよ。

女性のお肌の様にデリケートなの。

 

いつもはスチロール彫った原型ばっかりやけど、粘土なら皆さんも気軽にチャレンジできるので是非やってみては?何も考えずにコネコネしてるだけでも、かなりのストレス発散になるよ。

普段あまり使わない部分の脳を使うからがボケ防止にもイイとか聞いたしw

明日は、完成したこの原型を型取りしちゃいます。

 

今日は一日中、ずーっと動かずに座って原型造る作業してたなぁ。トータルで50歩くらいしか歩いてへんのちゃうか・・でも腹だけはイッチョマエに減りよるわ。

あ~腹減った。帰ろ。

 

 

粘土コネコネ

インフルエンザ流行ってきてまっせ!

あちこちで休校が相次いでますョ。

ポップ工芸、おかげ様で相変わらず超バタバタでして、年末にかけて今から体調管理をしないとエライ事になりそうです(汗)しかし今日も明日もフル回転!!!!

まぁ、アホは風邪ひかんと昔から言うからワタシは大丈夫かと思われ(^o^)/

毎週、王将の餃子でも食べてたら何とかイケるでしょう。

 

と言う事で、ひっぱりまくった前回までの10センチシリーズの次、何にするか色々考えてんけど、

コレに決めた。

福島氏原図.jpg

前回、ペラペラのレリーフ造形やったんで、それつながりでもういっちょレリーフを。

何?もうレリーフ飽きたから違うのがイイだと?

アカン。これにする。

今回のは小さいよ。

前回の1/10くらいのサイズ。 50センチ。

大きいのも小さいのも造れるのを見て頂こうかな、と。

いつもスチロール造形の原型ばっかで、ウチの会社、スチロール造形専門と思ってる方もいるのではないでしょうか?

今回はちゃいますよ!粘土です。

確かにウチの会社、スチロール造形がやたらと多い。

だから粘土での彫塑の時はトキメクわ~♪

んで早速製作開始!

 

福島氏原型1.jpgこんな感じで平らなプレートの上で。↑↑

資料は横の絵、一枚のみです。

使う粘土は色々あるんやけど、一般的には我々が子供の頃、学校で使ってた「油粘土」と呼ばれるものや、 よく陶芸で使う粘土がありますやろ、「水粘土」とか呼ばれるものがそれ。

どちらも造形では良く使われるんやけど、どちらにも一長一短があり、また造形師の好みもあります。

今回は水粘土を使いました。水粘土はその名の通り、水で煉られた粘土なので、時間が経つと乾燥して硬くなるので時々霧吹きで水分を補います。

よって、保管する時も水分の管理が必要で面倒やけど、とにかく安価なのがイイです。

福島氏原型2.jpg

さぁ、あれこれ書いてるうちに、わたくし守屋、一生懸命に粘土コネコネしております!

粘土の時は非常にリラックスして作業できますねん。

何でか言うたら、粘土の場合、気の済むまで何回でも盛ったり削ったりが出来るでしょ。

スチロールや木材、石材やらの彫刻系は削りすぎたらもうアウト。

でも逆にその緊張感が潜在能力を引き出す気もするけど。

でもたまにはリラックスした気分でやりたいもの。

がしか~し!いくらリラックス気分で作業は出来ても、趣味でやるんと訳が違う。

そう、ダラダラ時間はかけれない・・・。これも原型に3日もかけたらもうアウト!!

2日でやらんとキングオブポップこと中村社長にお尻ペンペン喰らいます。

キビシ~っっ!!

これも前回のヤツと同じく、出来るだけ厚みを抑えないといけないレリーフ造形。

今回のはだいたい1~3センチの厚みの中で立体感や遠近感をフルに出さないといけないので、

よ~く観察したら前回の10センチシリーズで説明した技法が満載です。忘れた人は前回の号、読み直してお勉強してちょーだい。一生懸命書いたんやし。

 

さ、体力温存。はよ帰って呑も(笑)

 

 

10センチの重圧 その10

昨日は打ち合わせで現場を2件まわって夕方帰社して作業やたもんで、日記サボらせてもらいました。すんまへん。

今日、打ち合わせに来られた方に、「その10」の日記はまだなんか?と言われてしまいました。

毎日楽しみに待って頂けてんやなぁ・・・  頑張らねば。

 

さてさて大人気の(?)10センチシリーズも泣いても笑っても今日で最後。

我ながら よーここまでひっぱったもんです。

最後は取り付けシーンを。

無事に現場まで運ばれたワーゲン太郎君(ここにきてやっと命名させていただく)。

事前に設計さんと綿密な寸法打ち合わせを行っていたので難なく取り付け位置に立つ太郎!

下側はコンクリートアンカーでボルト留め。上側は建物の鉄筋にビス留め。実に簡単かつ確実。

gakuya取付1.jpg

次にお顔の取り付け。お顔はウッド部分に裏側からボンドとビス留め。

見た目はデカイが実は軽い!何せ厚み10センチやし♪

gakuya取付2.jpg

次にボディ部にロゴのカッティングを貼ります。慎重に位置決めをして・・・・

コレが入ると一気に雰囲気が変わりますなぁ。実にエエ感じ(^~^)

gakuya取付3.jpg

次は横に吹出しのプレートが入って、いよいよワーゲン太郎君に命が吹き込まれる瞬間です!

アナタには太郎君の声が聞こえますか?ワタシには喧しいほど聞こえるよ、太郎君!

さぁ、吠えまくって注目の的になるのだ!太郎!

gakuya取付4.jpg

で、夢にまで見た完成図・・・・感慨無量。

もう、何も申すまい・・・と言いつつ

どうですかボリューム感じるでしょ?コレがたった厚み10cmチョイには見えないでしょ?

コレはやっぱり立体造形看板にして大正解の良い例だと思う。

夜は夜でスポットライトでこれまたムーディーでエエ感じなんすわ。

ライトで影が出来て立体感倍増やし。

また後日その画像も。

gakuya取付5.jpg

gakuya取付6.jpg楽屋(GAKUYA)さんではフォルクスワーゲン全般を扱っていらっしゃいますが、ご覧の様に、チョイ古め(80年代位)の年式のワーゲンを数多く扱っておられます。ゴルフとかヴァナゴンとか。

かなりのノウハウをもっておられるので気になる方は一度訪れてみてください。ホームページも是非。

このあたりの年式、カッコイイねぇ・・・。欲すぃ~。

場所は東大阪市の170号外環状線、石切交差点から南(八尾市側)へ200メートルの所にありますんで!

 

さて、10センチシリーズも終わった・・・明日は何を書こうかな。   アレにしよw

 

10センチの重圧 その9

10センチシリーズもひっぱりにひっぱること、気が付けばもう「その9」まで来ましたなぁ・・

ちょっとひっぱり過ぎた感もあるけど、どうしても思い入れのある作品は つい、こう長編になってしまう・・お恥ずかしい限りで。

でもまぁ、広い世の中ですから、一人くらいは喜んで読んでくれてる人も居るであろうと都合よく解釈しまして、続きを。

 

いよいよ塗装も終わり、納得できる色ツヤも出た。その晩のビール&焼酎はこれまた格別やったなぁ・・ 安い発泡酒でもプレミアムモルツを呑んでるみたいに感じて美味かった。

翌朝、作品とはいきなりのお別れです。

この仕事、この瞬間のツラいこと・・・容赦無しにその時は訪れます。

今回は、現場がウチの工場のご近所と言う事もあり、オーナー様が自らお店の積載車で引き取りに来られました。

「まいど!」

もうオーナー様はニコニコ満開です!

出来上がった作品を見るなり

「おおっ!スゲーっっ!!!」の連発です。

思ってた以上の立体感にご満悦のご様子です。

ワタシも今までの苦労が吹っ飛びましたわ。

今でもオーナー様の笑顔が忘れられません(泣)

で、早速積込み積込み。

楽出荷1.jpg

楽出荷2.jpg

こうやって改めて見てもやっぱ10センチちょいってペラペラやなぁ・・・・・・

今更ながら、よーこんな条件クリアしたわ。

靴なんて角度変えて見たら凄いヘンな形やもん。

でもこれがアラ不思議、真正面から見たらエエ感じなのよ(^^)v

いよいよホンマにお別れです。

でも今回はいつもと違って別れの悲しさと言うより、むしろ嬉しくてたまりまへん。

何故なら、取り付けする現場、ワタシ通勤で毎日その前を通りますねん。ウシシ。

楽出荷3.jpg

で、もう現場着いちゃいました。

もういきなり取り付けです。

上の画像の向かって一番左の方、ココのオーナー様です!

下向いてはるけど嬉しくてニヤニヤしてはるの解るかな(笑)

嬉しさのあまり、作品を直視できない状況が見て取れます(^^;

や、この気持ち、よ~解りますわ。

 

さぁ、賛否両論ひっぱりまくった10センチシリ-ズ、いよいよ明日でファイナルです(まだひっぱるんかよ・・)

取り付けの様子を詳しく!!

では今日はこのへんで!バ~イ♪

 

 

 

10センチの重圧 その8

さて、いよいよ作業も最終工程、塗装でっせ!

デザイナーさんから色の指定を頂きます。だいたい色の指定はDICという色見本帳で番号を頂いて行うのが多いです。

今回は色数こそ少ないけど、色味がかなり鮮やかなので調色にはかなり気を遣う・・

色味を合わすのにあれこれ迷って色を混ぜていくと必ずと言っていい位に色が濁ってくるので、調色の時は慎重にかつ簡潔に。しかも室内の蛍光灯の光のもとで見る場合と屋外で太陽光のもとでみる場合でもかなりの違いがあるので、そのへんも考慮せんとアカン。

それと塗装の最後にクリヤーを吹くと、これまた色味が違って見える場合もあるので大変。

楽塗装1.jpg

あと、今回みたいな大きな面積の造形の場合、うまく塗らないと塗り始めの所と塗り終わりの所等でツヤがムラになってしまう事が多い。これは塗り始めた時に、霧状になった塗料が粉状になって、これから塗ろうとする所に降り積もり、表面がザラザラになる為。

サッサと塗らないと、それがどんどん酷くなるのでスピードもかなり要求される。

あと塗料の濃さもそれに大きく関与するんで経験がモノをいう。

楽塗装2.jpg

マスキングを剥す時はいつも緊張するわ・・

ちゃんと思い通りのラインが出てるか・・マスキングが浮いて塗装ハミ出てへんか・・とかとか。

でも全部剥し終えた時は何とも言えぬ幸福感というか安堵感に包まれます。

でも次に控えるクリアー塗装が何やかんやいうて一番気を遣う。

タレへんように、かつ綺麗なツヤが出るように、かつ塗装の保護を兼ねるので極力厚く塗る。

楽塗装3.jpg

塗り重ねる程に何とも言えぬ濡れた様なツヤが現れます。

気持ちイイ~♪

楽塗装4.jpg

さ、今日はこのへんで。

塗装に関しては、正直あんまり書くこと無いんよね・・

何せ勘と経験がモノをいう世界だけに解説のしようが無い・・・

10センチの重圧 その7

さぁ、世間はブロンズウィークという無理矢理感あふれるネーミングの連休ですかね?

ポップ工芸はまたもや連休無しのフル回転で作業してまっせ~!

 

FRP作業も無事終わり、次の工程、パテ作業で綺麗に研き平滑が出たらサーフェイサーを吹いて下地を整えます。極小さな気泡やキズ等はここで消えてしまいます。↓↓

やっぱこうして見るとデカい・・・
楽4.jpg

んでこれが右手。

楽3.jpg

左手が無いのに気付いた人、アンタはエライ!たぶんいてないと思うけど(笑)

何故かと言うと、向かって右側の左手、本来なら胴体の部分にくっ付けた状態で一体化で造ったらエエんやけど、何せこの厚み・・・ ほんの少しでも遠近感を出す為に、わざわざ別パーツで製作してん。それがこのパーツ↓↓

楽7.jpg

遠近感を出すために別パーツ?意味解りませんわな。

どーゆー事か言うたら答えは簡単。別パーツで造ってあとから取り付けることによって、ボディ本体と、このパーツとの間に隙間が出来ますやろ、隙間が出来る=強い影が出る=遠近感が出る。っちゅー事ですわ。

当然、別パーツで造ると言う事は、それだけ手間が増えます。取り付け金物仕込んだり、本体に穴あけたり・・・。でも何とかして、ほんの少しでも遠近感を出したいので努力は惜しみません。というかココまできたらもう半分意地というかプライドの問題ですわ(^^;

さーいよいよです。

もう後悔も何もありまへん。出来る事は全部やったし。

次はテンション↑↑↑の塗装でフィニッシュや!

世間は連休中やしワタシもそろそろ帰ってテレビでも見よっと。今日おもろいテレビあったはずやし。

ではでは。

皆様よい連休を~

10センチの重圧 その6

昨夜の台風、皆さん大丈夫でしたか?

時間帯的には夜中のエエ時間帯に通過してくれてチョット助かった。

バイク通勤のワタシには台風と積雪は命取りやしね。

 

さてさて、ひっぱりまくってる10センチシリーズ、そろそろもう飽きた、というお声も聞こえてきそうですが、そんなの完全に無視してまだひっぱるでーーーー!

いよいよ原型も完成したんで次の工程、FRPの積層。

この様な広~い面積の造形物は表面の歪みが出ない様にしないとダメダメです。

歪みがあると、塗装でクリヤーを吹いて表面がツヤツヤになったら物凄くよくわかります。

パテの段階でその歪みを綺麗に研き取るんやけど、そのツラい研磨作業を少しでも軽減させるには、このFRP積層作業の段階がモノをいいます。

コツはできるだけガラスマットの重ねムラを無くす事。可能な限り1枚モノで貼りたいところ。

但し相手は立体モノ。なかなか簡単には1枚モノでは貼る事が出来ないのよね。
楽FRP1.jpg

解るかな?広い面積の所は予めその形にガラスマットを裁断しといてから樹脂を含浸させる。

何故かと言うとモタモタしてたら樹脂が硬化してまうから先に裁断しとくんです。

理由はそれだけ。しょーもな。

樹脂に混ぜる硬化剤の量で硬化時間の調整はナンボでもできるんやけど、ウチはとにかくスピ-ド勝負!ギリギリの攻防戦です。この作業中に長電話かかってきたり、集金のオバハン来たらもうアウト!

楽FRP2.jpg

どうですか?ムラ無く綺麗に貼り込んでますやろ。

もう表面はFRPでカッチカチやで!カッチカチやで!

改めてこうやって見たら、凄い角度で彫り込んでるのが解るでしょ。

これくらいやらんと厚み10センチそこそこでは遠近感は出せないのよ・・

んで裏側がこんな感じね↓↓
楽屋金物2.jpg

例の金物が中に埋め込まれてる。

裏側はムラがあるの解るかなぁー。

別に表側みたいに気合入れてないのじゃなくて、色の濃い所ほどガラスマットをたくさん積層し、強度を上げてるんですわ。そう、風や振動、イタズラ等で無理な力がかかりそうな所に。

こういう見えないところにも気を遣わんとね。

さ、明日は朝から打ち合わせで早いから今日はこのへんで・・・。

10センチの重圧 その5

昨夜の亀田の試合、アカンかったなぁ。

まぁ別に亀田のファンちゃうしエエんやけど。

それより個人的にはミノワマンvsチェホンマンのカードがオモロかった!

あの体格差で勝ってまうんやもん。

あの試合観て、そういえばワタシも幼少の頃、アントニオ猪木には勝たれへんけどジャイアント馬場には何とか勝てるんちゃうか?ってずっと思ってたんを思い出した。今でも少しは思ってる。やっぱ勝たれへんかなぁ・・。関根勉のモノマネの馬場やったら楽勝なんやけど。

 

さて、おバカな話はやめにして本題。

昨日は顔の部分の説明やったけど今日はその他のパーツを。

また同じ画像やけど
楽屋原型2.jpg

前回まで口がすっぱくなるほど立体感、立体感と言ってきたけど、この様なレリーフ状のものを造る際、一番肝心なのは、実は「遠近感」なのだ。

こんな10センチほどの厚みの中で遠近感を出さなアカンのやから、これまたテクニックがいるんですわ。

まず、遠近感と聞いて誰でも解るのは手前にある物が大きく、遠くにあるものがより小さく造る。

コレ基本。

でもそれだけやと、この厚み10センチという限られた範囲で遠近感は僅かしか出まへん。というか一歩間違えると、ただ単に大きさのバランスが取れてないヘンテコ造形やと思われます。

上の画像の手の指の形状をよ~く見て。特に下に折りたたんだ中指(薬指?)を。

チョット画像では解りにくいけど、ただのカマボコ型に削って無いの解るかなぁ?

解らん人の為に、今回もご親切に指の断面のサンプルをこしらえてみた。

それがコレ↓↓

説明2.jpg

①は普通のカマボコ型。ヘタクソな造形屋ならこう彫ってるはず。確かにモコモコして指の立体感を出す事は出来るけど、絶対に遠近感は出ないよ。

②は芯をずらして変形させて彫ってる。向かって右側を手前、左側を奥になる様に彫るとアラ不思議、遠近感が出るのよね。

で、改めて上の手の原型画像見てくれたら一つ一つの指にも奥行きがある様に影が出て、遠近感が出て小指側が少し遠くにある様に見えるのが解るはず。

解るかなぁ・・解んねぇだろうなぁ・・イェ~イ!

それプラス、昨日書いた彫り方、カドの部分をストン!と丸めてある。

こんなチョットした事なんやけど、こんな駆け引きがが一つの造形の中のいたる所に駆使されてんねん。

こうやって解説したら何でもない誰でも知ってる事の様やけど、いざ、製作を始めるのに原図の平面のイラストを1枚のみ渡されて、彫る直前にここまでの事を頭の中で一瞬で計算してるんやで、我々造形師は。

だから普段からイメトレは欠かせない。

でも特別な方法なんか無いねん。

その辺に置いてあるお皿をジ~っと観察したり、着てる服のシワを見たりして、どんな曲線の集合体なのか、とか、どう彫ったらどう見えるのか?をいつも考えたりしてる。

あと、マンガとか挿絵のイラストとかのキャラクターなんか見つけたら、立体にするんやったらオレならこう彫るなぁ・・て、いつも妄想してる。

だから人と話してて、「どこよそ見してんの!」ていつも怒られる。

お勉強してるんですぅ~♪

要は「観察力」ですわ。

 

さ、はよ帰らんと台風接近で外はエライ暴風雨や!急げ!!

バイバイ!

 

 

10センチの重圧 その4

急に寒なったね。

気温の変化は樹脂の硬化時間を大きく左右するんで、この時季かなわんわ。

まぁそんな事に文句タレてもしゃーないので昨日の続きを。

 

簡単なひらめきで数センチゲットした守屋、水を得た魚の如くスイスイ原型製作♪

下の画像はキャラクターの頭部。デカいやろ。1.5mあったんちゃうかな。

楽屋頭部原型.jpg

んで、下の画像が手足のパーツ

楽屋原型2.jpg

これもデカいんやで。靴なんか1mくらい。

↓こうやって見ると、厚みが10数センチには見えへんくらい立体感というか奥行きがある様に出来てますやろ?足の付け根の所の断面を見たら、その薄さが良く解るはず!

これにはちゃんとしたワタシなりの彫り方というかテクニック、そう守屋イズムが惜しみなく注ぎ込まれているのだ!

楽屋原型3.jpg

ではそのテクニックのいくつかを紹介するとしよう!

まずは頭部。

楽2.jpg

頭部は特に厳しかった・・・

胴体と違い取り付け面が決まっていたんで、ココだけは10センチのままでいくしかなかった。

それでも丸みというか立体感出てますやろ。この部分のマル秘テクニックはこれ。↓

説明1.jpg

文章だけでは よー説明できへんので解り易くサンプルを造ってみた。

Aは10センチを一杯一杯使って限界まで高低差をつけたもの。

Bはゆっくり下がって行き、矢印の所でストン!と丸めたもの。

一般的な考えならAの様に高低差を最大限に活用して彫ったほうが、より立体感が出ると思いがちやけど、Bの様に高低差は無いものの、カドを急に丸める事で、Aより奥行きがある様に見えるんですな、コレが。

簡単な様に見えるけど、矢印の丸いところまでのユル~いアールの部分の丸め方がポイントで、ココをヘタこいたら全然ダメ。いくらカドをクルッと丸めても全然立体感出ません。

次は手足の部分の説明に移りたいんやが、今日はボクシング、亀田の試合があるから、はよ帰ってテレビ観なアカン!つーかもう試合始まってんちゃうか(汗)

続きはまた明日!スマン!!

10センチの重圧 その3

ある程度頭の中で形がまとまったんで、何はともあれ先ずパーツの切り出しを。

図面の比率通りに拡大した型紙を製作し、ニクロム線でスイスイとカット♪

そしてある程度削って全体眺めてみた。

何か納得がいかへん・・・

やっぱ10センチでは思っていたよりも迫力が無い・・・・

アカン。やり直し。

って言ってもまた10センチ厚で造り直しても同じ事の繰り返し。

「ん~・・・・何かイイ方法無いやろか。」

 

「あっ!」

楽屋金物1.jpg

当初の打ち合わせ段階では上図の様に補強金物を裏面より凸型に出す(埋め込まない)予定やってんけど、その金物を覆い隠す様にしたらその金物の厚み(4cm)の分だけスチロールの厚みを稼げる!コレで行こ!!

さぁ、こうなったら話は早い。

早速、切り直し!

楽屋切出し.jpg

わずか数センチ増えるだけやけど、ワタシにとっては恵みの数センチ!

嗚呼、神様・・・  みたいな。(それはウソ)

 

でも侮る無かれ、厚みが増えると言う事は、逆にそれだけ中の金物が表面側に近づくと言う事。

立体感出すために調子に乗って高低差を大きくつけて彫るとアッという間に中から鉄骨が顔を出すんで、そのへんを計算しつつ、慎重かつ大胆にいきます。

でも深いところは完全に鉄骨が見える所まで攻め彫りしたった!! これでもか!って感じでギリッギリまで。

 

明日はそれらのパーツの、より立体的に見える彫り方テクニックを紹介するとしよう!

お楽しみに!

今週は寒なるらしいで~風邪ひきなや~

んじゃ!

10センチの重圧 その2

高さ4.5メートルもありながら厚み10センチ。

過去に、レリーフ状の造形、たくさん造ってはきたものの、こんなペラペラ比率はありまへん。

でも過去に造った作品の画像を引っ張り出してイメトレ。

先ずはコレ。
エンゼル.jpg

コレは幼稚園の壁面用に製作したエンゼル。

高さ1・2メートルくらいやったかな。

これも厚み10センチくらい。それでも結構立体感出てますやろ。

コレくらいの大きさで10センチの厚みやと、比率的に何の無理も無く立体感を出す事が出来る範囲。

しかも塗装にデグラデーション入れてるから、より立体感が出てる。ちなみにこの塗装は水彩画のイメージに近づけて欲しいとの事で少しムラを付けて透明感を出してます。

次はコレ。
偉人レリーフ.jpg

コレは京阪電車 北浜駅出たトコあたりに設置した偉人レリーフ。

大きさは一つあたり60センチくらいで厚み5センチくらい。

コレ結構難しかった・・・。

レリーフのコツはズバリ「角度」

掘り込む角度やパーツの角度がほんの少しでも変なら即、解ります。全然立体的に見えなかったり、顔は斜め向いてるのに鼻だけ正面向いてる風に見えたりして。かなり絵心が求められます。

 

そんなこんな過去の経験を思い出し、いよいよ製作に取り掛かりまっせ!

今日はここまで。

ひっぱるひっぱる(笑)

 

10センチの重圧

ウチの工場に面した道路、170号、外環状線。

この工場から北へ7キロ行った所に阪神高速東大阪線と交差する「石切」という大きな交差点があります。そこにあるフォルクスワーゲン専門ショップ「楽屋」と言うかわった名前のお店があり、そのすぐ近くに2号店が出来、そこへ造形看板のプランがあがっている、とデザイナーさんから連絡があり、現場に打ち合わせに来て欲しい、との事。

工場の近所なのでスッ飛んで行きました。

先にプラン図をメールで頂いていたので、いつもの様にある程度頭の中で平面図を立体にするイメージを完成させて・・・
楽屋プラン.jpg

プラン図の写真を見る限り、お店の前には広大なスペース!!

しかもキャラクターは4.5メートルの設定。

「これは迫力あるキャラクター造形ができるで~♪」

とルンルンで現場を舐め回す様に視察。

しかし、現場で居合わせたデザイナーさんから一言。

「この店の向かいのスペース、ココの敷地とは違うんですよねぇ・・」と。

「・・・・・・・・。」

どうみてもそこには4.5メートル程の造形物を置くスペースは見当たりません。

図面を前に凍りつくワタシ守屋。

「もしかしてこのスキ間にですか?」

「そうです。10センチです。」

「へっ?10センチすか?」

そうなんです。境界線からお店の壁までのわずか10センチ程の間にどうしても店主様が立体看板を置いて目立たせたい!という事だったんです!

当然ながら、最初のプランではペラペラのプレートにカッティングシートでこれを表現するのもあったらしいのですが、ここの店主様、ウチの工場の前をしょっちゅう通る(当然ご近所なので)ので、以前からウチの事ご存知だったらしく、絶対に立体モノの方がイイ!!と言う事だったそうなんですわ。

 

さぁ、ここからです。

この10センチの厚みで、いかに奥行きのある立体看板を造るか、事務所に戻り頭をかかえました。

いざ造ってみたはいいものの、ペラペラのカッティングシートの看板とさほど差が無い様では店主様に申し訳無いし、それ以上に造形師としてのプライドが許しまへん!!!

中に通す補強の金物(40ミリ角パイプ)との兼ね合いもあり、ここからは完全な頭脳戦・・・。

ポップ工芸、腕の見せ所すわw

続きは明日!

何や周りでインフルエンザとか風邪が流行ってるみたいやで!

皆さんご自愛くだされーーー!  ゴホッ!