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妖怪ベンチシリーズ その2

 

さてさて前回の続き、兵庫県福崎町の妖怪ベンチシリーズの続きをば。

前回は 雪女、猫また、海坊主を紹介したけど、

今回は、 油すまし、一つ目小僧、鬼、一反もめんの4種を紹介

これらも、見本のミニチュアをお借りして、忠実に等身大モデルにします。

↓ ↓ ↓

油すまし 前

一つ目小僧 前

鬼 前

一反木綿 前

中でも「鬼」なんかはスマホ片手に自撮りしてるチャラいデザインで最高!

一反もめんも、最初からデザイン上で口の中を顔出しパネル風にくり抜いたものにしてあり

鬼を含め、インスタ映えを狙った今どきのデザインでおもろい。

作者さんのセンスの良さが窺われますなぁ。

 

今回も各妖怪のサイズの割り出しは慎重に行いましたよ。

特に人の形をしていない一反もめんなんかは大きさの設定が難しい。

あまり小さすぎても顔だしパネルとしてはアウトだし、デカすぎると

強度や設置場所のスペースの問題などがある。

何より顔出しパネルとして重要なのが口の大きさである。

日本人の平均頭蓋骨サイズを割り出し、一反もめんの

口のサイズを設定。

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顔出しパネルとか言ってるが本来の正しい使い方は

このミニチュア模型の作家さん曰く、「顔出し」 では無く 「顔入れ」だそうだ。

出しも入れも可能なリバーシブルとの事。  お洒落さんな一反もめんである。

 

各種妖怪、そんなことを協議し仕様が決まったらスチロール原型の製作に。

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そして監修でチェックを受け、OKが出たら石膏で型を取ってFRP成形にー。

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で、FRP成形が終わると内部鉄骨を組んで組立てまする。

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内部鉄骨で一番大変だったのは油すまし。

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体内にガッツリとパイプを溶接して補強。

これくらいやらないと、人形の上に乗ったりするおバカさんが稀にいらっしゃるので。

その他の妖怪もどんどん仕上ていきます。

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全てのFRP作業が終わると、いよいよ最後の工程の塗装です。

ワタシの場合、基本的に必ず最初に目玉から塗ります。

何故かって?

それはご飯の時、大好物のおかずを先に食べるか最後に食べるか?程度のこと。

好きな順番に塗ればイイんですよ、別に。

ウソウソ。

ちゃんと理由はあります。 でも説明が面倒なので割愛。

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油すましが出来上がる様子 ↓↓

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上の画像、良く見て頂くと解ると思うが↑↑、この油すましのデザイン、油の壺から注がれた油が

ウニャウニャ変形して妖怪になるという面白いデザイン。

液体が固体になっていく、という感じなので表面のツヤの調整も変えてます。

注がれて直ぐの油は液体なのでツヤを付けてあり、どんどん固体化して妖怪に

なって行くほど、つや消しにしています。

サンプルのミニチュアには無かった表現ですが、こーゆー遊び心は

自分のセンスをアドリブで勝手に入れて行きます。作者に怒られない程度に。。

 

7種の妖怪の最後に塗ったのは、このチャラい鬼。

 

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でも、なんだかんだで全て無事に完成。

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一応最後は記念撮影しておきます。

 

 

無事に完成してホッとしてるのも束の間。

お次はこれらを4tトラックに積んで福崎町役場まで搬送&設置が待っています。

役場に到着するとテレビの取材班が待ち受ける。

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現場で一体ずつコンクリートアンカーで固定していく。

 

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全部で50本くらいのカンカーを1人で打ったと思う。

 

 

まぁ、とりあえず無事に全ての妖怪の設置を終え、大渋滞の中、トラックを運転して帰社。

製作工程の画像をまとめ、完了報告書を書いて全て終了~♪

しかし永かった。製作開始から約半年。

もう、こんなペースで仕事するのは御免や。

とか言いつつ、

もう既に今期の妖怪の製作は始まっておりますよ。

今期は倒れない事だけを目標に、来年の四月まで

頑張ろうかのう・・・。

でももう、この時くらいに相当無理をしないと間に合わない様な

状況でございます。 大丈夫かしら・・・・・・。

 

ま、何とかなるでしょ!

ではまたー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

福崎町の天狗 妖怪天国

どーもー  守屋です。

前回、DEADPOOLの製作ブログ書いたら、公式サイトで紹介してくださったり、

皆さんSNSで拡散してくださったりで、最大、通常の15倍ものアクセス数にまで跳ね上がりました。

有り難や有り難や~♪

20世紀フォックス社さんには、もう足向けて寝れないわ。

ホントありがとうございました。

DEADPOOLアドトラックも残す所あと3日ほどの運行です。

関東地方の方は探し回ってちょーだい!

 

さてさて興奮覚めやらぬ状態でお次の造形の紹介しまひょ。

「兵庫県福崎町」と聞いてピン!と来た方も多いはず。

そう、池の中から河童が現れるヤツ、テレビなんかで見たことあるでしょう?

二号機取り替え (78)

コイツね。

テレビ取材とかメディアに取り上げられた事、数知れず。

ナニコレ珍百景でアワードを獲得するなど、全国を暴れに暴れました。

福崎町という小さな町ですが、この河童見に訪れる人はあとを絶ちません。

経済効果は計り知れないそうで、次から次に弊社へ妖怪の造形の発注を下さります。

そもそも、これらの企画の発端は、ここ福崎町役場の地域振興課の小川氏。

この小川氏、昨今流行の「ゆるキャラ」をこよなく嫌い、あんなモン、クソ喰らえと一蹴。

気持ち悪いけど、ちょっとカワイイ、「キモカワ」というものが世間を賑わせ始めた頃、

小川氏は 「んなモン、甘い甘い。アカン!」

       「これからはキモキモの時代や!!!」 と、フガフガ言っておりました。

当初、ワタシはこの小川氏の自論に「??」でした。

だって「くまモン」や「ひこにゃん」が全盛期の時ですよ。

地方自治体など、どこも長い物に巻かれるのが普通でしょ。。

だから、世間にゆるキャラが大繁殖してる訳で・・。

まぁ、ウチとしては造形のお仕事が頂けるのですし、小川氏が鼻息を荒げようが

ゆるキャラを批判しようが、正直どうでも良く、請けたお仕事をキッチリ納めようと、

小川氏と河童造形の打ち合わせ。

小川氏がおもむろに箱から 「コレなんですわ。」  と差し出したのが、

かなりよく出来た粘土ミニチュアの河童。

「へぇ~・・。 こんなの事前に業者に造らせはったんですか?」 と聞くと

「いえ昨夜、徹夜で造ってきました」  と。

  

何を隠そう、この小川氏、相当な腕前のモデラーである事が後々発覚。

過去の作品やらを見せてもらうと、、恐ろしいクオリティのガンプラや、オリジナルの

作品など、完全にプロ。

そりゃ変わった思考回路してはるハズやわ。

となると、こちらもヌケヌケとしてられませんがな。

厳しい小川氏の監修のもと、必死で河童を製作。

鬼の小川氏もこちらの製作する河童の出来栄えに大変喜んでくださり、

もう、小川氏とワタクシ守屋は切っても切れない変態コンビとして現在に至ります。

 

どーでも良い前置きはこれくらいに。

この河童の実績が功を奏し、めでたく予算が下り、次の企画を小川氏から頂く。

「次は天狗飛ばしますんでよろしく~♪」  と、 まるで

また来週呑みにいきましょー。  くらいの軽いノリで、とんでもない事をヌカす小川氏。

もう、あの人の脳はどうなってるのか解らない。ギャラクシーな脳である。

で、今回も早速コネコネと小川氏がミニチュアを造ってきた。

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何やねんコレ?  髪の毛 逆立っとるがな。  ↑↑

 

コレ、何やってるポーズ?  と小川氏に聞くと、

「あ~ それ、逆さまに吊るんよ」 と。  ↓↓

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本来は当然、羽根をパタパタさせて飛ばしたい所なんやが、さすがに福崎町ではディズニーランド程の

資金調達は難しいので、限られた予算の中でのデザインとなります、当然の事ながら。

腕や首の角度などは綿密な打ち合わせの上決定。

右手には福崎町の名産「もちむぎ」を練りこんで作ったどら焼き(実際に販売中)を持たせ、

さりげに物販を意識した欲の塊の像である。

 

ではここからがウチのお仕事。

煮詰まったミニチュアを基に、それを等身大の像へ。

原型は今回も発泡スチロールからの削り出し。

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この天狗は何故か「鬼瓦」にぶら下がっている設定。

「何故」と理由を小川氏に聞いても、「ゴニョゴニョゴニョ・・・」と誤魔化す。

何度聞いても「ゴニョゴニョ・・・・」

多分、ただの思い付きで設定したんやと思う。

ギャラクシーでギャランドゥな脳の彼の発想にこれ以上突っ込むのはご法度。

指示の通りに原型を製作します。

出来上がったボディ部分を福崎町役場の会議室に持ち込み、サイズ感や修正箇所が無いかを協議。

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議長は河童氏に任命↑↑

福崎町PR用の映像を収録するのにウチで製作した着ぐるみバージョンンの河童です。

散々酷使され、開いた瞳孔が元に戻らないくらいにお疲れの様です↑↑

目線がロンドンとパリを同時に眺めておられます。ご愁傷様。

 

無事に一次監修を終え、引き続き製作は続く・・・

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企画当初、重量の問題から(ワイヤーで吊るため)羽根は出来るだけコンパクトに設定してくれ、と

小川氏に懇願して↑↑の様なデザインで一旦は決まったんやが、小川氏はこの画像を見るなり

「もぉ~っと大きくしてぇ~!」と。

小川はん、聞いてましたか?  今回は重量の制限があるのですよ?

最も重量が発生する「羽根」は小さくせんとアカンのですよ、と諭すと

「もぉ~っと大きくしてぇ~!」  しか言わない5歳児に憑依。

アカン、こうなったら企業努力しかない。

仕方無しに氏の希望する形に変更。

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各所、グラム単位での減量で取り戻すしかない。

内部金物の設計から全て洗い直し!

 

内部金物を仕込む為、一度バラバラにされる天狗。

犬神家の一族の如く作業場に放置される下半身。↓↓

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通りがかりの人達は、毎回ウチの工場で何が造られてるのか不思議で仕方ないでしょう。

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出来上がったスチロール原型に内部金物などを仕込み、表面をFRPでコーティングし

表面のディテールを造りこんでいく・・・

 

この段階で天狗の頭に植毛するウィッグの色の色合いを小川氏に相談。

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ウィッグを持つ自分の顔の疲れ果ててる事に気付く。↑↑

そりゃそーだわ、この頃、この天狗とDEADPOOLの製作を同時進行してたのでヘロヘロ。

極度の疲労から頭おかしなって天狗用に取り寄せたウィッグを試着し始めるワタクシ守屋↓↓

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スタッフ達が似合う似合うと言うから、調子に乗って色違いも試す始末↓↓

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ロン毛ウィッグ初体験で興奮し、隣にいた水内クンにも装着させる↓↓

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  「あれ?・・・・。」

ヤバい。どっかの心理教の教祖様にあまりにも似てたので興奮 興醒め。

アカン、アカン。見ちゃいかんものを見てしまったかの様に、そそくさと 皆 作業に戻る。

     ゴメン、水内クン。

 

マジメにお仕事しましょう。   とか言いつつ、あのヅラ、社長にも被せたかった。・・・後悔。

全く懲りてません。

 

 

今度こそ真面目に。

お次は塗装。

お目目や口など、いわゆる小物から。

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塗り終えた部分をマスキングし肌の塗装。

先ずは下地の塗装。

今回の天狗は例外に無く「赤い肌」。

だけど下地の色は普通~に肌色から。

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そのあと赤系を入れていく。

先ほどの肌色が皮膚の透明感を与えてくれます。

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巧く この肌色を残しつつ数種類の赤色を重ねて行きます。

塗る色の順番を間違うと、一瞬で色味がくすんでしまう。

絶対に濁ったりくすませてはいけないのです。

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今回は設置場所が屋外なので、塗装中の物を屋外に出し、太陽光のもとで色味のチェックをします。

通りがかりの子供達やご老人の方にはちょっと刺激が強すぎる光景やな。

 

 

小川氏のこだわりの羽根。

カッコ良く塗りまっせ~!

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多くの謎が込められた鬼瓦もバッチリよ。

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各所のツヤの調整をします。

 

塗装はコレで完了。

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次に福崎町の造形の特徴、小川氏の最も拘る部分「植毛」。

小川氏、前回の河童の時もそうやったんやが、とにかく植えたがります。

そのままウィッグを被せると仕事は早いんやが、そこは小川氏は許してくれません。

ちゃんと毛の生える角度など考慮し、植毛せんとダメです。

なぜそこまで小川氏はヅラはダメで植毛に拘るのか・・・・。

多分、小川さん本人が、アデランスでは無く、マープ増毛法なんだと思います。

今度、福崎町に行って後頭部をコッソリ調べてきます。

冗談はさておき、ここからは笑えない、気の遠くなる植毛作業。

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下穴を無数にあけ、一束ずつ植えて行きます。

狭い部位などはワタシの様な大男では手が入らないので垣内サンにお願い。

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作業は深夜に及ぶ・・・・。

 

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髪型を考え、毛先をカット。

企業秘密の整髪料で毛並みを固定する。

ただガチガチのスーパーハードな仕上がりでは風になびかないので、そのあたりのさじ加減が難しかった。

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天狗本体、やっと完成。

コレで終わりと思ったら大間違い。

この企画、天狗が小屋から飛び出してくる設定なので、その小屋も造らなきゃならん。

アルミフレームで小屋の骨組みを造る。

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この時点で納品4日前。↑↑

あと3日で小屋は完成するのか???

 

 

焼き杉板をフレームに貼っていき

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そのままでは、ただの和風の新築なのでエイジング塗装で古ぼけた感じを出す。

植毛に続き、これまた作業は深夜に及ぶ・・・。

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何とかかんとか納品日に間に合った。

ある意味、DEADPOOLの製作より納期的にはヤバかったかも。

 

 

取り付け当日。

FRP製の茅葺き屋根を現場にて組立。

扉の開閉のモーターやらセンサーやら組み込んで。

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設置場所へクレーン車にて移設。

 

小屋の重さ600kg!!!!!

200kgくらいと思ってた。

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小屋の設置が終わり、ワイヤーに天狗を取り付けが終わった頃は、もう辺りは真っ暗。

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翌朝から細かなセッティングが待っています。

 

ワイヤーはこの様な とんでもない重量のウェイトでピンピンに引っ張られています。

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天狗の飛行(移動)や小屋の扉の開閉などは、こんなスーパーコンピュータ京モドキで制御されます。

スゴイだろー!

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今回の製作の様子はテレビ局が密着取材してました。

最後の作業、「天狗の梱包剥がし」をを番組的に除幕式と捉え、剥がす瞬間を撮影されました。

取材陣より、「除幕は製作者の守屋さん本人の手でお願いします。」 といわれました。

いやいやワタシ、大の高所恐怖症なんですけど・・・。  と言う間もなく高所作業車のゴンドラへ押し込まれ

空中高くぶら下がる天狗のもとへ・・・・。

除幕

高所とか言ってるけど、ほんの4~5mのとこなんですけどねー。

ワタシにとってはスカイツリーの上で作業してるのと一緒。

撮影が入ってるので真面目な顔で除幕しておりますが、もうウ●コもらしそうなくらい怖いのです。

あ~ヤダヤダ。

 

何とか命がけの除幕も終わり試運転です。

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 このワタシを散々苦しめた天狗さん。

記念撮影

毎回、福崎町の案件は本当に気苦労が多いです。

でも自分にとってはカワイイ息子の様なもの。

皆さんに愛されて欲しいものです。

 

もう、来月も福崎町さんから次の妖怪の製作依頼がきております。

小川氏、次はどんな要求をしてくるのでしょう・・・・?

あまり酷い要求の場合は、彼のヅラを引き剥がしてやろうと思います。

 

この天狗や河童の稼動の様子はYouTubeで 「福崎町 天狗」 とか 「福崎町 河童」 とかで検索してみて。

イヤになるくらいアップされてるから。

あと、河童の着ぐるみが登場する超オモロイ福崎町のPR映像もあります。連ねて出てきますので是非見てあげてください!!

あと、全国妖怪造形コンテスト  てのも開催されてます。

http://youkaizoukei.town.fukusaki.hyogo.jp/index.html

これで3回目の開催です。

造形に興味ある人、奮って参加ください!  賞金もあるでよ。

 

ではまた!

福崎町シリーズ

 

今年の10月に設置しました、福崎町妖怪造形コンテストの最優秀作

作品名  「怪しい抜け道」

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妖怪の種類は「砂かけ婆」です。

非常にストーリー性を感じる作品ですなぁ。  スバラシイ。

今回はこの作品を等身大ブロンズ風FRP像にします。

 

でも、我々造形屋に言わせると、この様な1つの作品に

複数の人形や部品が混在している物は

非常に手間が掛かる=「高額な見積もり」になってしまう。 という事。

当然、お役所様からのお仕事であるので ある程度の予算の上限というのが

ある訳で、その範疇で見積もりを提出せにゃアカン訳です。

相当な忖度の元、見積もりを出す訳やがここん所の妖怪造形コンテストの

優秀作が、どうしても今回の様な複数体や大量の細かな付属パーツから

構成されたジオラマ感の高い物が入選し、非常に頭を悩ませている所であります。

シンプルな妖怪単体で「おおっっ・・!!」と言わせる様な作品で

勝負出来る物は出てこないんですかねぇ。

個人的には毎回このコンテストのジュニア部門の作品が

非常にシンプルで面白い。

明らかにお父さんお母さんに手伝ってもらった感のある

出来過ぎモデルもありますがー。

ジュニア部門の優秀作品を等身大FRP像にしてみたいなぁ、と

毎回思ふ。

 

先ずはスチロー原型の製作から。

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それを石膏型取りしてFRP成型ですわ。

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組み立て組み立て。

こーゆー完全な人の形をしたものが作業場にあると、毎回分かっているんやが、

横を通る度にドキッ!とする。   本当に人が居る気がして妙~に気持ち悪い。

少なからず何かしら憑依してるのかも。 あー怖い怖い。

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加熱乾燥用のライトを当てると怖さ倍増。

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毎度の事ながら眼球から塗装。

妖怪コンテストの等身大ブロンズ像は眼球のみ、ちゃんと彩色という謎ルールがあります。

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DSC_3805砂かけ婆もワタシと同じく結膜下出血の様であります。

目以外はブロンズ調塗装なので気楽です。

銘板を取り付けて完成。

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無事完成し設置。

今回の作品は福崎町ブロンズ像の中では小型の分類。

ギリッギリ、ハイエースに載る大きさです。

でも応力強度を考えた内部金物の全体の組み立て構成は難しかったなぁ。

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このブロンズ像の完成後、間髪入れずに福崎町妖怪ベンチシリーズの発注で

現在ワタシが妖怪ゲロ吐き男と化しておるのですが、ちゃんとお仕事は

こなしておりますので皆様ご心配なく。

現在製作中の妖怪ベンチシリーズはこちら↓↓

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えー皆様、本年も数ある造形屋の中より株式会社ポップ工芸を

ご贔屓頂きまして誠に有難う御座いました。

今後も、皆様に感動、衝撃、安心を感じて頂ける商品の

製作にスタッフ一同精進して参りますので

今後とも宜しくお願いいたします。

 

 

明けましておめでとうございます。

新年 明けましておめでとうございます!

本年もよろしくお願いいたします。

 

妖怪7体の製作の様子を紹介しましょか。

兵庫県福崎町役場さんから 以前に縁台で将棋をする河童と

パソコンを打つ天狗の造形を造らせて頂いたが、その2体がえらく好評で

7体もの追加製作を頂きました。

ラインナップは雪女、猫また、海坊主、一反もめん、油すまし、鬼、一つ目小僧。

今回のブログでは雪女、猫また、海坊主の製作の様子を。

猫また 前雪女 前海坊主 前

上の画像は福崎町役場より提供された資料原型模型。

妖怪造形コンテストの入賞者や上位入賞者の猛者に原型製作を依頼して造られたもの。

この原型ミニチュアを元に等身大にて製作。

先ずは何はともあれスチロール原型の製作から。

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ミニチュアを忠実に再現するのは当然やが、大きさ感がかなり重要で、この猫またに関しては

一度、身長150cm設定で製作するも妙にデカく、結局身長120cmがベストと判明。

実際に立体にしないと解らない難しい問題。

 

それぞれのスチロール原型が完成したら石膏による型取り。

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ジャングルジムの様な補強を入れます。

造形屋によって、この辺りの補強の入れ方は皆違う。

補強をほとんど入れずに石膏の厚みを厚くする所もあるが

脱型の際、非常に大変。

ウチの場合は補強でしっかりさせて石膏は極薄にします。

脱型の際、簡単に崩せてとても楽だから。型の変形も無く、石膏も半分で済むし。

 

石膏の型が出来るとお次はFRP貼り。

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FRP成形の後、スチロール原型では表現出来ない細かなディテールをパテで造り込む。

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必要に応じ、体内はゴッツい鉄骨を仕込みます。

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雪女にはオプションで氷塊が付きます。

下心で雪女に近付いた愚かな男達がフリージングされドクロになっています。

中央に穴が開いているのは顔出しパネル式にしてある為。

これらの妖怪は全て観光客の皆様に喜んで頂く為の物。

遊び心はバッチリ随所に散りばめてあります。

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で、いよいよ塗装の工程。

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雪女の冷たい無表情な目付きを塗装で再現。  怖っ!!

猫またの目  ↓↓

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眉毛は筆描き。毛の生え方に注意して描く。

失敗出来ない一発描き。

この頃、既にワタシの体温は39℃超え状態。

高熱で凄く手がプルプル震えながらの作業だったのを覚えている・・。

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皆で協力してドンドン塗装。

しかしワタシはドンドン弱っていく・・・。

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やっとの事でとりあえず3体完成。

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我ながら見本のミニチュアに似て、よー出来とる。  パチパチ。

 

さて、間髪入れず次回のブログでは残りの4体の製作の様子をお伝えしましょ。

残りの4体もクセがすごい!

乞うご期待!!

半年後にまた会いましょう!

 

ウソウソ。 今回は直ぐ書きますますから見逃さない様に!!!

では~♪

 

 

 

 

兵庫県 福崎町シリーズ その④

さてさて、前回福崎町シリーズも「その③」で、天狗がベンチに座ってパソコンやっとる

造型を紹介しましたけど、今回もそれ同じ様な「ベンチシリーズ」で御座います。

 

今回のデザインはコレ  ↓↓↓

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またまた資料として頂いた画ははコレ1枚のみ。

福崎町役場、地域振興課の小川サンによるラフスケッチ。

多分5分も掛からずにスラスラ~っと適当に描きはったと思うんですが、

普通の造型屋ならば、もっと資料をください!と激高すると思うんですが、

そこは永い付き合いです。   我々も慣れたモンです。

細かい仕様を確認する事も一切無く、黙々と製作開始。

もう、あっという間に形にして塗装まで始めております。

河童ベンチブログ (3)

実はこの将棋をする河童、歴代の池から出てくるガジロウ河童の改造品になります。

この河童にはマスター型がございまして、その型から再度複製し、大改造を施し製作しています。

 

大元の形状はコレです↓↓↓

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な、な、何やねん!全然形が違うやんけ!!  と仰る方もいるでしょうが本当のお話です。

このしゃがんで尻子玉を見せ付けるポーズが次はこうなって ↓↓↓

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んで、その次がこうなって・・・  ↓↓↓

子河童ブログ (2)

先に完成をお見せしますが、今回こうなる・・・・。  ↓↓↓

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改造とは簡単に申しておりますが、切った、貼った、削った、盛ったを永遠に繰り返し、

高須クリニックもビックリのYes!!な整形手術でございます。

ポーズはおろか、顔の表情も4体とも全て違う事がお解かり頂けると思います。

この辺りの流用改造、ワタクシ守屋の結構得意とするジャンル。

大変な作業ですけど。。

 

で、話を戻して製作風景を。

塗装の工程ですな。

先に目玉を塗って、その次に身体のベース色を入れます。

河童ベンチブログ (4)

それからはドンドン柄をエアブラシで描いていきます。

河童ベンチブログ (5)

どんどん・・・・。

河童ベンチブログ (6)
まだまだ・・・・・

河童ベンチブログ (7)

組み立てて完成ーーー!!

河童ベンチブログ (8)

 

 

 

で、早速現場に取り付け。

場所はJR福崎駅前。

河童ベンチブログ (11)

河童ベンチブログ (10)

河童ベンチブログ (9)

ちなみに駅の入口には福崎町のゆるキャラ 「フクちゃん、サキちゃん」 というのも居て、

それもウチで製作させて頂きました。

元々はこのフクちゃんサキちゃんが福崎町を代表するキャラクターでしたが、

地域振興課の小川サンの悪戯により、このグロテスクな河童のガジロウ

(ちなみにコイツもゆるキャラだそうです)が爆発的大人気となり、

今となっては影の薄っす~い可哀想な存在となっております。

個人的には「サキちゃん」がお気に入りです。

頭にスパゲティーを乗せているので。

あなたは常時、頭にスパゲティを乗せて過ごせますか?

さりげにクレイジー過ぎでしょ。

 

 

無事に設置後、直ぐの晩、小川サンから画像が送られてきました。

「何やろ?」 と思ってよく見ると・・。

河童ベンチブログ (12) 河童ベンチブログ (13) 河童ベンチブログ (14) 台がブッ壊されております。

「誤って車がバックで突っ込んで、縁台がバキバキなんよー!しかも当て逃げー!助けてー!」  って。

 

幸い、犯人はすぐ検挙されましたがー。

せっかくの河童も数箇所破損が見受けられ。

あと5cmズレていたら河童は粉々になっていた所でした。

 

何とか保険が適用されるという事で、早速修理して台も新しいのに交換。

河童ベンチブログ (15)

 

最悪な出だしでしたが、やはり大人気。

皆、楽しそうに写真を撮っておられる様ですよん。

サザエさんのとかでこんな感じのブロンズ像のがありますが、

やっぱりこんな風にリアルに塗装されてた方が絶対に写真栄えしますわな。

17553544_1302193476525501_7029790003224911414_n 17523637_1302193469858835_4033741705729954762_n 17458347_1302193473192168_2074788295906442967_n

 

 

このお盆も帰省のお客さんで大変な賑わいになっているであろう福崎町。

まだまだ妖怪は増殖していくので、本当に異様な街になると思われます。

この妖怪ベンチシリーズはイイ写真が撮れて個人的にもホント面白いと思いますわ。

残りの7体の妖怪も出来次第、設置されていきますよー。

嗚呼、、、製作急がねばぁぁぁ!!!

 

 

ではーーーーーーーーーーーー!

 

 

 

 

 

兵庫県 福崎町シリーズ!  その③

 

いま、ウチの工場の駐車場には、過去に造った巨大DEADPOOL像が業社さんから引き取られ

寝っ転がっております。

(当時の製作の模様はコチラ クリック⇒ 「映画 デッドプール アドトラックの製作」  )

身長7mもあるので、ほぼ車1台分のスペースを占有してる。

駐車場なので来客時なんかは結構、邪魔と言えば邪魔なんやが

そこはDEADPOOL様。

この像を目当てに関東から、わざわざ訪れる家族様がいたりと、

その人気ぶりは今でも衰える事は無い様です。

丁度、去年の今頃、この像は一ヶ月間の宣伝に使われたのちに

ウチに戻って来た訳なんやが、戻って来たら直ぐに工場の屋根の上に乗せて

ポップ工芸の看板として目立って頂こうと考えておりました。

社長に屋根の上に上げてくれ、とお願いする事、丸一年。

 

未だに屋根の上には乗っておりませぬ・・。

 

 

いつになったら乗せてくれるんでしょうか?

どうやら、像を乗せる土台は屋根に作ってくれた様なんですが、

ウチの社長、ここからが長い・・。

相当ジラします。

とにかく熱しやすく冷めやすい性格なので飽きてしまう様子。

過去にも、同じ様な事がありました。

社長がウチの会社の倉庫に、大きな「お菓子の家」を事務所代わりに

造った時もそうでした。

外観はすぐに(早い!)完成したんやが、それで満足してしもて、

入口の扉をいつまでたっても造らない。

その為、冬場は暖房が効かなくて凍えながら事務処理をする社長。

夏場はエアコンが効かないし蚊が入り放題。

来客時は、このお菓子の家で打合せをする場所になるにもかかわらず・・。

夏のある日、社長とお客様が打合せをしている時、

案の定、室内に蚊が入って来たようで、

社長がお客様の身体に向かって殺虫剤を思いっきりブッかけているのを目撃し、

打合せ後、「お客様に向かってキンチョール噴射とはど~ゆ~事や!!」と

社長をこっ酷く説教し、やっとの思いで扉を付けさせました。

 

お菓子の家が完成してから3年目にして扉が取付けられましたとさ・・。

めでたし めでたし。

 

この出来事が無かったら、多分今でも扉無しのワイルド生活をしているであろう

社長です。  ワイルドだろぉ~?

 

多分、もう夏が来て暑くなるとか言い出して、DEADPOOL像の移設は冬、いや来年になるであろう。

 

でも、この像が屋根に乗っかると、ちょっとした話題になるのは必至かと思われ。

SNSなんかでけっこう拡散されるやろね。

で、Googleでウチの会社、どんな風に映ってんのかなぁ??と検索したところ・・

げげっ!                 ↓↓↓

天狗ベンチブログ (1)

会社の前に飾ってある「せんとくん」に、ちゃんとモザイク処理がしてあるではないか!!

Google側もプライバシーの保護の為にわざわざモザイク入れてくれたんやろけど、

せんとくんである事がモロバレなんですけど・・。

一番隠さないとアカン、 「ツノ」 が これ見よがしに丸出しであります。

つーか、せんとくんの人形はモザイクで隠す必要があるのかい???

人形ですよ、Googleさん。

 

さてさて、毎度長~い前置きゴメンナサイ。

ついつい社長ネタは面白過ぎて人気があるので多く綴ってしまいます。

 

表題にございます、福崎町シリーズ、まだ有るんですわ。

飽きました? まだ次回も福崎町ですよ、  ぬははは。

 

今回でパート③です。

前回は池の河童を書きましたが今回は天狗です。

去年あたりでしたか。 福崎町の「飛ぶ天狗の」製作の様子をブログで

書きましたが、今度は例の福崎町地域振興課のクレイジー小川氏より

こんなラフ画がメールで送られてきました。

天狗ベンチブログ (2)

毎度の事やが、メールには特に説明も無く、

「コレ造って下さい」   のみ。

なので造り始めます。

ここまで来たら、もう 年配の夫婦のようなやり取りです。

氏の言いたい事、表現して欲しい事は、この1枚の画で

全て汲み取ります。

いや正確に言うと、汲み取らなアカンのです。

クレイジー小川氏は言わずと知れた真面目な町の公務員ですが 昨今、

テレビの取材とおねーちゃんと遊ぶのに忙しい人なので、

ホンマにこの画、1枚のみで製作開始です。

 

滅多に造らないが手のひらサイズのミニチュアを製作、イメージを掴みます。

天狗ベンチブログ (3)

で、何となくのイメージが掴めたら等身大にて製作します。

今回はボディ部分はスチロールにて、顔(頭部)は粘土にて製作。

天狗ベンチブログ (4) 天狗ベンチブログ (5)

 

 

 

天狗ベンチブログ (6)

時々ボディと合わせてバランスを確認。

天狗ベンチブログ (8)

天狗ベンチブログ (7)

 

 

原型が完成したらシリコンや石膏なんかで型を取ってFRPにて成型、

組み立てます。

別パーツになっている部品は先に塗装します。

天狗ベンチブログ (9)

天狗ベンチブログ (10)

天狗ベンチブログ (11)

 

天狗ベンチブログ (12)

 

天狗ベンチブログ (13)

 

今回、後から 唯一 クレイジー小川氏より指示が有ったのは、このパソコンに映る内容。

天狗ベンチブログ (15)

 

写真では分かり難いが、この天狗 仕事サボって公園のベンチで

「河童の弱点」 というのをGoogleで検索しております。

ライバルの大人気である福崎町の河童を、何としても打ちのめして

福崎町ナンバー1の妖怪の座を狙っているのでしょう。。

 

このパソコンに映る内容は、今後 ネタの宝庫 小川氏の案で色々と変化するであろう・・。

天狗ベンチブログ (14)

 

実はこのベンチ天狗、 「妖怪ベンチ」としてシリーズ化される予定です!

福崎町のあちこちに、色んな妖怪が設置されフォトスポットとして皆様を楽しませてくれる事でしょう!

 

次回のブログ、「兵庫県 福崎町シリーズ その④」では

早速、次の妖怪ベンチを紹介しますぞよ。

お楽しみにーーーーーーーーーーーーーーー!

 

では!

 

兵庫県 福崎町シリーズ!  その②

前回に引き続き、兵庫県福崎町の妖怪シリーズのネタを書きますよ。

今回紹介するのは、言わずと知れた福崎町を一躍有名にした、

池から出没する河童の「ガジロウ」。

このガジロウは実は今回のを含め、計3回リニューアルしています。

最初のはコレ  ↓↓

子河童ブログ (1)

我々は「初号機」と呼んでいます。

サンドベージュを基調としたプレデター風の塗装を施したもの。

この初号機の貢献は凄まじく、知名度、訪問者数の乏しかった福崎町を

一気に有名にした名器であります。

全てはこの初号機から始まりました。  今見ても恐ろしい顔をしとります。

 

その後、塗装の劣化を理由に(水中では物凄く塗装が痛みやすいのです)、

スペアのマシンとして製作したのが、この2号機。  ↓↓

子河童ブログ (2)初号機をそのまま複製してはつまらない、って事で全面リニューアル。

日本民俗学の父、柳田國男の著書「遠野物語」に記されている河童に基づき

全身 真っ赤に変更。

オマケに尻子玉(河童に抜き取られるという架空の臓器)を食べようとする、

これまた恐ろしい仕様に変更。

(ちなみに、この「ガジロウ」が出没するこの池は柳田國男氏の生家のすぐ横に位置します。)

この「赤い河童」がまたまた噂になり、各メディアで取り上げられ、この池を訪れる観光客は益々増加!

その勢い、海外にも及びます。

 

その後、数年間何度かメカトラブルに見舞われましたが、人形本体の劣化は少なく、

この2号機は一日8時間の勤務を休まず遂行してくれました。

ホントご苦労様でした。

 

そして遂に福崎町の小川サンより第3形態の案が上がったと連絡が。

今度は尻子玉ダブルで喰って体の色はやっぱグリーンかなぁ・・とか思ってましたら

こんなフィギュアが送られてきました。 ↓↓

子河童ブログ (3)

んっ!?顔がまるで違う・・。。

「小川サン、コレ何ですの?」  と聞けば

「あ~、それ子供の河童なんよ」 と。

「既存のガジロウの両サイドにくっ付けようと思ってねー」

 

なるほど。 河童を繁殖させるつもりなんやな。

でもあまりにもガジロウと顔の表現が違うんでモヤモヤしながら製作開始。

子河童ブログ (5)

子河童ブログ (4)

違和感無いかガジロウの原型をヨコに並べ比較。

「どう考えても血縁の親子には見えない・・」

さすがにコレは違いすぎて小川サンに報告。

 

「小川サン、色々やってみたけどダメだわ、このデザイン。」

「赤の他人だわ」  と告げますと

早速別案が送られてきました。  ↓↓

子河童ブログ (6)

あ、コレなら違和感無いわ、って事で本番の製作を開始。

小川サンにしたら、ここらで一発、大きな革命的なデザインの変化が欲しかった様で、

斬新なデザインを起した様です。

常に1歩、いや 5歩くらいブッ飛んだトコで物事を考えてはる方であります。

なのでこの様に我々がブレーキを踏んであげないとテポドンに乗って銀河の彼方へ

飛んで行ってしまいます。  危ない危ない、今回は何とかセーフ。

 

このやり取りで、作業が2週間ほど遅れてしまったので急ピッチで原型製作。

子河童ブログ (7)

子河童ブログ (8) 子河童ブログ (9) ガジロウの左右に各一体設けます。

基本、左右対称で同じポーズとの指示でしたが、金剛力士像の「阿吽」に基づき

向かって左側は開口、右側は口を閉じる仕様を提案しました。

子河童ブログ (11)そして小川氏は今回も頭髪は「植え込み式」で、と熱望されおりますので下穴を開けます。

子河童ブログ (12)

いよいよ塗装です。

今回は幼い河童のイメージなので親河童のガジロウより優しく柔らかい色調で行います。

その前に眼球の塗装から・・・。

子河童ブログ (13)ベースのオフホワイトをしっかり塗ってから皮膚の模様をエアブラシで描いて行きます。子河童ブログ (15)薄い色から段々濃い色を重ねて・・。

遠山の金さんの桜吹雪のもんもんみたいです。

公衆浴場やプールは出禁ですな。

一生、池で暮らして頂きましょう。

子河童ブログ (14)

 

 

ほぼ完成。

もう少し濃い目のシャドーを入れて出来上がり♪

子河童ブログ (16)

色を入れ終え、最後に大量のクリヤー塗装を重ね塗りします。

それはもう、重ねて重ねて重ねまくってブ厚い層を造り、ドロ沼の水に耐えれる様にします。

子河童ブログ (17)

この作業を怠ると、強靭と言われるウレタン塗装でも、いとも簡単に剥がれ始めます。

 

更に灼熱のライトで焼き付けて強制硬化させます。

その姿、まるで地獄絵図。  分かっていても結構怖し。

子河童ブログ (18)

で、めでたく完成しました子河童ブラザーズ、早速福崎町役場、地域振興課へ納入です。

なぜ池の取付け現場で無く、役場に納入かと申しますと

原型のモタモタで2週間の遅れを取った代償として、小川サンが自ら「植毛」をして下さるとの事。

これは我々ポップ工芸チームにとっては願っても無い幸福。

だってあのガジロウの頭髪を全て植付けるのに2人掛かりで丸2日半かかるからなのだ!

いや~これはラッキーです。

植毛施術後、小川サンが一言、

「あんなモン2度と出来るか!大変にも程がある」

「こんな大変な仕事、もう頼まないから安心して」

と言ってましたが絶対ウソです。

次回のもガッツリ植えてくれ!と言ってくるのは目に見えてます。

鬼軍曹。

 

さ、いよいよ完成し設置です。

予め池の水を半分抜いて準備完了。

通常、池の底に沈んでいる二代目ガジロウが泥だらけで現れました。

子河童ブログ (19)

この二代目ガジロウは取り外され、赤く塗り直された初号機ガジロウと交換バトンタッチです。

子河童ブログ (20)

普通~に池に入って作業している様に見えるけど、実はこの池には物凄い量の泥が堆積しており、

リング型の金物が見えると思うけど、この下のみコンクリートの基礎が有り、

その範囲から一歩でも足を踏み外すと底無し沼に引きずり込まれ、冗談抜きで溺れ死にます。

ここだけは、ふだん冗談の集合体の小川サンも、一切ワタシとは目を合わせず

「守屋サン、悪いけど溺れても助けに行けない池やから有事は自己責任で・・」

と恐ろしい言葉を頂いて作業しておりました。  ひぃ~っっ!!

 

取付けが終わり、再び池に水を注ぎます。

その姿、ターミネーターのワンシーンの様。。

子河童ブログ (21)

 

その後、重量バランスのセッティング、エアー供給量の微調整も終わり、

改めて三代目Jソウルブラザーズガジロウに生まれ変った!!

子河童ブログ (22)子河童ブログ (23)

小川サンはこの子供河童、ガジロウの子供で既に名前も決めていたが、

それは一旦破棄し、新たな名前&誕生ストーリーを募集しているとか!

↓ クリック ↓

子供河童名前募集!!

締め切り間近なので、妄想癖に自信の有るアナタ!

面白い名前&誕生ストーリーを書いて応募して、何をやっても満足できない可哀想な小川サンを

笑わせてやってくれ!!!

 

いよいよゴールデンウィーク本番!

USJもイイけど死ぬほど混んでるよ!!

そうだ!皆で福崎町へ行こう!

 

ではまた次もパート③で福崎町妖怪を紹介しますよーー!

では皆様、よい休日を!

兵庫県 福崎町シリーズ!  その①

 

福崎町のネタを書きます。

兵庫県福崎町と聞けば、皆様 ピンッ!とくる方も多いでしょう。

ここ一週間でもTVで3~4本放送されてたんちゃうかな?

そう、池から飛び出す全くゆるくない、ゆるキャラのガジロウ。

先日、ヤフーのトップニュースにも紹介されてましたな。

gajiro

コイツね。もう有名すぎてお腹一杯の人も多いかな?

 

このガジロウの生みの親、福崎町役場地域振興課の小川サンが企画している

「全国妖怪造型コンテスト」なるものが毎年催され、今回で3回目が終わった所です。

優勝作品は、等身大のブロンズ風像で製作し、展示されるというもの。

毎回、お題の妖怪が指定され、そのお題に沿って全国からプロアマ問わず

物凄い作品が応募されます。

第一回目は「天狗」でして、それの最優秀賞の作品の等身大像を作った時のブログも

記憶に新しいところ。(知らない方はコチラ 「天狗まみれ」 )

そのコンテストの第2回の優勝作品がコレ ↓↓

DSC_3404

「山の神」であります。

正直、この作品だけは決まらないでくれ・・・と願っておりました。(作者様ゴメンナサイ)

だって見てよ。 ウジャウジャ子供が一杯ぢゃんか。

こーゆー、数で攻めて来るの、造型屋泣かせと言いまして、イジメ以外の何者でもございません。

でもしかし、世界感が凄いスバラシイ作品でありますなぁ。

 

つべこべ言わず、ワタシはこれを等身大にするのがお仕事。

コレでご飯食べさせて頂いておるのですから。

 

さっさと製作スタ~ト!!

先ずは胴体部分から。

DSCN9034

毎度の事やが、今回も例外にあらず超テキトーな下書きから製作が始まります。

適当に見えて適当では御座いません。

本当に適当にやってますと、沢山いる子供ウリ坊がまともに納まりませんので。

一応、キッチリ見本の人形を事細かく採寸して大きさや位置関係を出しています。

毎回、この福崎町シリーズはワタシ独りで行っていたのですが、今回はさすがに

納期も無く、また若手の育成の為にも、分業で行う事にしました。

 

DSCN9025

 

 

DSC_3509

DSCN9045

まぁ、それにしてもデカいですわ。

座高で2mの設定ですから。

DSC_3526

で、とりあえずスチロール原型完成。

その後、表面をFRPでコーティングしたり、型を取って複製したりと作業は進むむむむ・・・

ホンマにデカいですやろ、コレ。  ↓↓

DSC_3543

全てのFRPコーティング作業が終わり。

DSC_3555

その後、表面のディテールを樹脂で造り込んで行きます。

DSC_3559

お客様が乗っかって来たりぶら下がりそうな所には、原型を一度切り開き、中に補強の金物を仕込み、

ゴリゴリに補強します。

DSC_3570

 

ウリ坊のセットアップも終わり、やっと全体像を拝めます。

image1

DSC_3597

このウリ坊の間に、ドサクサに紛れて子供の河童もいましたが、

演出上、この子河童は少し離れた所に設置。

観光客の皆様方を、この子河童の居た所に入ってもらってウリ坊と一緒に記念撮影を

して頂く、といった狙い。

 

その後、塗装前に表面に黒いサーフェーサーを吹きます。

通常、白やグレーのサーフェーサーですが、黒いサーフェーサーを使うのは、

キズが付き、万が一塗装が剥がれたとしても、そのキズを出来るだけ

目立たない様にする配慮。

image2

目玉から塗装します。  先ずは白目になる部分から。↑↑

その後、瞳を描きます。   ↓↓

DSC_3678

何故かここ福崎町のブロンズ像は全て眼球はリアルに塗装します。

そーゆー指示だから。 実にミステリアス。

地域振興課の小川サンの拘りの部分です。  彼の脳内の構造は謎です。

 

 

目が塗り終わり、今度は全体をブロンズ色に塗って行きます。

先ずは下地色から。 image4どんどん色々な色を重ねてブロンズ像特有の金属感を出していきます。↓↓

かなりの色数が重ねられていますよ。  何色重ねか解るかな?

image6

その後、緑青(ろくしょう: 銅のサビた色)を入れ、エイジングし、完成~。

DSC_3702

銘板はこんな感じで。

DSC_3710

バックのデッドプール像が目立ち過ぎー。

DSC_3705

で、お約束の一枚。

 

こーゆー風に記念撮影してほしいそうです。  ↑↑

 

 

早速、現場に運び設置。

DSC_3878

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西日で超逆光ですが、バックの柿の木が実にイイ感じに雰囲気を醸し出しております。↑↑

設置場所は例の河童の出る池のすぐヨコです。

池から河童が出没するわ、小屋から天狗が飛んでくるわ、妖怪のブロンズ像がゴロゴロ・・・

完全に妖怪パークに変貌しつつあるこの公園。

第3回コンテストの優勝作品のブロンズ像の制作も始まっております。

夏くらいにお披露目です。

これまた造型屋泣かせの力作。  どんだけ泣かせる気や。  おい!福崎町さんよ。

お手柔らかに・・。

 

実は福崎町、この時期に、この像以外に4種類、計6匹の妖怪を設置しております。

それら6匹をウチで同時進行で製作しておりましたので引き続きこのブログでお伝えいたします。

乞うご期待あれ!!

 

ではーーーーーーっ!!

 

天狗まみれ

はいどーも!

早速ブログ放置気味で全国からお叱りの声を絶賛受付中の守屋です。

 

いや~忙しかったのよ。

まぁ、年度末は毎年こんな感じで干からびたスルメイカの様になっておる訳ですが・・

年度末までに片付けないといけない仕事ってのは、だいたい役所や自治体などからの発注分ですわな。

何とか今年も、その呪縛から開放され枯れ枯れスルメイカから一夜干し程度に身体が回復し、今こうして

パソコンに向かってブログが書ける余裕があります。

しかし・・・

次の波(しかも大波)が直ぐ目の前に来ております。

詳細はまだ明らかには出来ないんやが、ザックリ言えば巨大な人物(キャラかな)を造らないといけません。

見積時、60日の製作納期を提示していたんやが、間に噛んでる業者の手違いか、それを30日程で製作せにゃならん事態が目の前にあります。

当然五月のGWなんぞワタシには解読不明なワードになってます。

前代未聞の納期で納めないといけない。

チームワークがモノを言うので、ここは巧くコントロールせんとね。

頑張るしかないので頑張ります。

心の頼りはキューピーコーワゴールドα のみ。

この小さい錠剤に命を懸けないといけないなんて。。。。。。。

我ながら、なかなかのギャンブラーやな。

昨今、スポーツ界の賭博問題でマスコミは騒いでおるが

そんなのに比べりゃワタシの賭けの方がヤバい賭けなんちゃうか?

嗚呼、今回も助けておくれキューピーさん。

 

 

さて、今回のブログは冒頭にも書いた、ワタシの天敵、お役所からのお仕事です。

随分前に兵庫県福崎町役場から河童の造形の依頼を受け製作、その河童が物凄く有名になり

マスコミに大注目されてYAHOOニュースのトップに出たり、ナニコレ珍百景では優勝したり、

それはもう世間を騒がせた、と言ったら過言かも知れんが、それくらい騒がした造形物。

知らない方は「福崎町 河童」などで検索を。

その福崎町役場で第1回妖怪造形コンテストっつーのを開催しまして

http://youkaizoukei.town.fukusaki.hyogo.jp/

(現在、第2回も無事終了。第3回も決定しております、是非ご参加を。)

そのコンテストで優勝した作品は等身大FRP像で製作し福崎町の河童の横に設置される、というもの。

第1回のお題は「天狗」

一般部門での優勝作品がコレ

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素晴しい作品です。

この作品を等身大にします。

元のミニチュアがある場合、3Dスキャンで読取り機械彫りで行なう場合もあるし、そのまま手作業で彫る場合もあります。

今回はアナログ手作業にて製作。

ブログみて下さってる方は手作業の方が見てて楽しいと思います。

では製作開始!!!

先ずは下書きを。

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ワタシの場合、下書きなんてこんなもんです。

良い子はマネしない様に。

よく色んな造形屋のブログありますが、見ていますと、まぁ几帳面に丁寧な下書きをされている方を

よく見かけます。ほとんどの方がそうされているようです。

でもね。

丁寧に描いた下書きなんて一撃で消えてしまいますのよ。

こんな風に。

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必要な情報はアウトラインのみ。

丁寧な下書きなんてクソ喰らえです。、無駄無駄。

私達の様に造形師と呼ばれる職に就く人間は大まかに分けると二種類に分類されます。

ひとつは、ただただ感覚のみで彫る(造る)タイプ。

もうひとつは、その都度 採寸、採寸採寸・・・でキッチリ造るタイプ。

出来上がりは同じだとしても後者は物凄く時間が掛かる事がほとんど。

ワタシは顕著な前者。感覚だけで生きる変態。

ポップ工芸の職人は感覚タイプがほとんどだと思う。

なので、たま~に応援で呼んだ職人さんがウチの原型彫りの速さに驚愕する事が多々あります。

ウチらはこれが普通やと思ってやってるんで逆に驚いたり。

よそはどんだけ時間掛かってるんやろ? て。

あとスチロールの彫り方も職人によって大きく分けて二通りあると思う。

 

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ひとつは上記の画像くらいまでニクロム線、と包丁でザクザク、バリバリと一気に彫り、その後ワイヤーブラシとサンドペーパーなどで粉まみれになりながら細部を削り出すタイプ。

DSCN7349

もうひとつは、物凄く良く切れるナイフ(自作ナイフが多い)で仕上がりギリギリまでナイフ一本で切り出し、最後のほんの少しだけペーパー類で丸めて仕上げるタイプ。

もうお解かりの様にワタシは完全な前者で全身スチロールの粉まみれで奮闘。

帰宅後、風呂に入るとスチロールがプカプカ浮かぶ事も。

パンツの中の恥部もスチロール祭りな事も。 あー恥ずかしや。

 

後者のナイフ一本でやるタイプは神経質な職人が多い気がする。

下書きもしっかり描くヤツが多い。

潔癖でスチロールにまみれたくないんやろね。

そんなヤツ、スチロール頭からブッ掛けたくなります。

当然、仕事メッチャ遅いです。早い人も知ってますが。。

 

まぁ、人それぞれ。

どーでも良い話。

次行きまひょ。

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ボディ部はだいたい完成。

次は頭部

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見よ!この適当な下書きを   ↑↑

でも大丈夫。感覚人間だから。

ツボは押さえて下書きしてます。

ワタシにしか解らない下書き。暗号みたいなもの。

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で、だいたい本体はこれで完成。

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今回の造形、一番大変なのは、意外と「羽根」の部分。

人の手の触れない所への設置だと大した事無いんだけど、子供らがガッツリ触る可能性ある場合、

羽根の様な薄いパーツは中に強固な金物を入れないと、いくらFRPは強化プラスチックとは言え

折れる時は折れます。

ゴッツい金物を中にいれなとダメです。

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この羽根だけで40kgくらいあります。

この金物全てが天狗の中に納まります。

微妙な羽根の角度など溶接時にきっちりとミニチュアと合わせる事が必要です。

こんな時に『感覚』で生きる人間は強いです。

適当(当然、物凄い考えはしますよ)にフィーリングで決めます。

『キッチリ派』の人間ならこの鉄骨も丸1日かけて一から図面を引くでしょう。

 

 

さっきのスチロール原型にFRPをコーティングし、表面の細かいシワなどはパテで造りこんでいきます。

この場合、スチロールで基本形を造りパテで細部を造って行くパターンか、粘土で一から造るパターンか

いくつか方法はあるんやが、デザインの内容、仕様などでパターンは決めます。

今回は仕上げがブロンズ像風なので、極端な細かな造り込みは不要なので、こーゆー造り方です。

とにかく、どんな造り方が一番早いかがカギです。

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全身も同じくFRPコーティングしたのちに台座に乗せ、目線などを設置現場を想定して決めます。

福崎町の担当の方と幾度と無くメールにてやり取りし、目線、固定角度を決めます。

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詳細が決まったら表面の処理をしていきます。

黒いサーフェーサーを吹いて表面を鋳物特有のザラついた梨地に仕上げます。

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そして塗装。

先ずは目玉から。

ここ(福崎町)のブロンズ像は何故か目玉だけは生き生きと生きている様な仕様で塗ってくれ、と

注文があります。

詳しい事は解りません。

どーしても気になる方は福崎町地域振興課へ行って聞いてください。

多分、「内緒ょ、ウフフ・・」と言われるでしょう。

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ミニチュアに合わせた色合いで塗ります。

 

その後、塗った目玉をマスキングし本体をブロンズ調に塗る。

ご存知の様にブロンズ像も色んな色のタイプがあります。

おはぐろ調の真っ黒の物や、緑青(ろくしょう。銅の青サビ)の物、黄金色などなど。

今回のケースはお任せだったんでカッコよくなる色味で塗りました。

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そして台座には銘板を入れます。

銅板製エッチング仕様。

銘板完成

この優勝作品の作者、稲村さん、有名映画の小道具なんかも手掛けるプロでした。

映画のエンドロールに名前が出るくらいの方でっせ!

最近まで全然知らずに造ってました。(ちなみにこの天狗は去年の秋に製作したものです)

知ってたらプレッシャーで押しつぶされていたかもしれないので逆に良かったわ。

 

設置の様子は次回書こうかのぅ。

タイトルが「天狗まみれ」となっとりますが、この案件の後も、同じ福崎町役場より、違う天狗の製作の依頼があり、それも立て続けに書きますんで暫く天狗にまみれて頂きます。

覚悟しといてください。

 

ではまた!

2015 明けましておめでとうございます!

ども!

明けましておめでたい守屋です!

2015年ですよ。

早いねぇ・・・  ノストラダムスが人類滅亡言うてから15年以上経つんやで。

不況や天災やら色々あった世の中だけど、何とかちゃんと生きてるもんな、ワタシ。

ありがたいね。

一日3回キッチリ腹が減って、一日1回寝る。

当たり前だけど、この一連の動作の有り難味が段々解って来たよーな気がする。

健康の有り難さ。

もうジジィやな、ワシも。

煮物やらが旨いと感じたり、シナモンや山椒やらが効いた物が旨いと感じる瞬間があったり。

許せない人が許せたり。。。

いま、平均寿命の半分を越えたトコらへんやけど、どんな爺さんになるんやろ?

子供の頃、歳をとったらゾウガメになりたいと真剣に思っていた病んでたよーな時期もあったけど

今は自分の老後のイメージが全く湧いてこない。

考えたくないのかな・・・?  こんな世の中やもんなぁ。

 

さて、今年の干支は未。

テレビみてたら羊とヤギの鳴き声違いのものまねしとるヤツがやたら多いな。

全然オモロないのに。

そんもんワタシは幼少の頃からやっとるわ。

羊の造形の記事書こうかと探したけど見当たらないので独断で河童にします。

つーか、ちょうど一年前のこの河童(兵庫県福崎町の)を必死で作ってましたので。

一年も書こうと思って放置。  アカンがな。

 

ではスタ~ト!

 

兵庫県福崎町の地域振興課の職員さんから「カッパの人形を造りたい。」と相談がありました。

また後ほどイメージの人形の画像送りますんで見といて下さい。  と。

 

「あぁ、またご当地ゆるキャラかいな・・」 と思い添付ファイルをクリック。

 

k1.jpgなな何ぢゃっっ!!!!

妖怪大辞典とかに載ってそーなカッパやん!

しかもNSP(造形の上級者とかが使う粘土)で造っとるがなっ!

この地域振興課の職員、タダモノでは無いな・・。

 

お会いして打ち合わせ。

 

「やっぱり。」

 

ガッツリ趣味の範囲を超えたプロでした。

内心、「正直こーゆー方、厳しいから苦手なんよなぁ」

と思ってお話してると、まーオモロイ人。

同世代もあってか盛り上がる盛り上がる。

打ち合わせか何か解らんくらいに。

でもまぁ、お堅いお役所の人なのでキメるところはビシッ!と妥協無しに

求めて来られます。  オ~怖っ!

k1 (1).jpg幾度と無く月例会議を繰り返し、機械設計や土木工事業者とのすり合わせが行なわれます。

会議の半分は、下ネタ会議なのですが。。。。。。。。。。。。

ウソですよ。  ホンマにガッツリ真剣に打ち合わせをし、各寸法、工程協議を行ないました。

全く違う業者同士、ましてや造形屋という、彼等には経験の無い業種を挟んでの会議です。

キッチリ機械設計してもファジーな造形物が絡むと計算が全て狂う様です。

バッチリ計算していても、「やってみな解らんなぁ」という言葉が最後には出てきます。

 

悩んでいても納期は迫る。

例のミニチュアを基に原型の製作開始。

k1 (2).jpg今回、池の中に(水中)設置するタイプと陸上に設置するタイプの2体の発注を頂きました。

陸上タイプで原型を造り、水中タイプはそれを改造して使う事に。

k1 (3).jpgコレが陸上タイプのポーズ。 ↓↓

右手に握るのは「尻子玉」

カッパが人間から抜き取ると云われる架空の臓器。

k1 (4).jpg

この原型を型取りします。

 

k1 (5).jpgその型を使って各パーツを2個ずつFRP成型する。

 

k1 (6).jpg     コレが上記の原型から改造された水中バージョン。  ↓↓

    同じ型から造られたとは思えないくらいの違いでしょ?

k1 (7).jpgその後、ツメや皮膚のディテールを造り込んで行く。

「ワニ皮」をイメージしてくれ。  と打ち合わせで言われましたので、こんな感じで。

k1 (8).jpg全体のフォルムが完成したところで一旦、装置に組み込み特設プールにて昇降テスト。

知らない方もおられるといけないので申しますが、このカッパ、水中(池)からガバッと突然現れ

静かに沈んでいく・・  というものです。

カッパの台座に青い鉄アレイが置いてあるのがお解かり頂けると思う。

前後左右の重さバランスを出して常に水平を出すデータを取ったりする。

スライド部は機会屋さんが設計したものやがコレがなかなか上手くスライドしない。

机上の空論では片付かないのがこの手のお仕事の定石。

ホームセンターに何度も走り、仮の冶具を製作したりして、極寒の中水浸しになり

それはもう大変でした。

大の男達が何人も寄ってたかってカッパごときに真剣にやってる姿、ちょっと感動した。

k1 (9).jpg何とかデータも取れ、河童は再びポップ工芸に運ばれ、最終の仕上げを始めます。

先ずは眼球の塗装から。

イエロー系の猫目で、とう事なのでこんな感じに。

k1 (10).jpg塗り終わった目玉をマスキングしてボディの塗装。  ↓↓

基本的にプレデターの様な配色で、とう言うことなのでそれを参考にしながら・・

k1 (11).jpg設置する場所は目線から数メートル離れた所なので細かな部分は見えないんやが、

発注主が妥協を許さない男なので、それはもう、細かな所まで塗装してあげました。

皮膚の透け感とか毛細血管とかも。

k1 (12).jpg

 

 

k1 (13).jpg今回、担当の職員がどうしても譲れない条件だったのが「毛の植毛」。

通常シリコンゴムなんかで造られた造形物には植毛は比較的簡単に(大変な作業だけど)行なわれるんやがゴリゴリのFRP造形に植毛なんぞ聞いたことが無い。

屋内のお化け屋敷なんかではヅラを被せりゃ簡単に出来るんやが、そんなヅラ、屋外の水中でどれだけの耐候性があるかなんか容易に想像がつく。

すぐに抜け落ちてハゲ散らかすことになる。

布地屋で糸を探したり、釣具屋でテグスなんかも探した。

コスプレ用のヅラなんかも比較したり・・・・

散々探し回り見つけたのがコレ。

工事現場なんかでよく使われる黄色と黒の虎ロープ。

この素材なら屋外、水中でもバッチリ。

コイツを購入し編まれたロープを1本1本まで解いていくと

これまた、ちぢれ具合も理想的。

   ただ・・・コレに効く接着剤は無い。  皆無。

仕方ない、頭部に穴を無数にあけ、ロープ状のまま通し

毛先を1本1本解いていくという、目眩がしそうな作業でしか取り付け不可。

あざ笑うかの様なカッパの表情にイラッときたので植毛前にチョンマゲリボン付けて

記念撮影。   ↓↓

k1 (14).jpg          要はこーゆー感じね。  ↓↓↓

 

k1 (15).jpgロープ同士は頭部内にてステンレスの針金で結んであります。

数年、数ヶ月後にこの頭髪も植え替える事を想定してある為。

 

 

とりあえず全てのロープを解いた状態。  ↓↓

ワッサ~ッ!! て感じなのでコイツをキレイに散髪します。

 

k1 (16).jpg

こう見えてワタクシ守屋、美容師経験が3日ほどあるのでチョキチョキ楽しくカット♪♪

 

k1 (17).jpgつーのはウソ!

楽しいはずが無い。

この時、夜中の4時!!

ロープを解く作業があまりにもあまりにも大変で時間がかかり、納品ギリギリでこの有様。

この時ばかりは福崎町の池にに隕石でも落ちてくれないか祈ってました。

 

 

 

      キレイサッパリ男前にキモ可愛くなりました。

k1 (18).jpg無事、納期に間に合い、例のテスト用特設プールに持ち込み最終チェック。

 

k1 (19).jpg

このカッパの下の茶色い丸い台座にエアーが送り込まれ、その浮力で昇降する仕組み。

この方法が一番安上がりでシンプルな構造。

まともに機械式のメカ駆動にするとレクサスどころかベンツあたりも新車で買えるくらいになりますから。

でも、エアーを送って浮き沈み・・  とか簡単に言ってますが、こんなコントローラーを製作し

エアーの供給量やタイミングなんかをプログラムしてんだゾ。

k1 (20).jpgんで、肝心な設置の画像とか動く動画やらは?  言いたいところでしょう?

 

   無いんです。 取り付け作業で必死でしたので撮れてません。。

 

 

ご心配なく。

 

このカッパ、物凄く話題になりメディアに取り上げられ、超有名になってますんで

      「福崎町  河童」  なんかでググッてみて下さい。

腐るほど画像やら動画あがってますから。

 

新年一発目の製作日記、長々と綴りましたが最後まで飽きもせず

お付き合いくださりありがとう。

がんばって二発目、三発目と続きます!  多分。

乞うご期待!!

では!!

 

 

 

 

 

 

 

 

テルマエロマエⅡ ルシウス像除幕式

どーも 守屋です。

先日、このブログで紹介しました映画「テルマエロマエⅡ」のPRで製作させてもろた

阿部寛氏演ずるルシウスの等身大石像が大阪、あべのハルカスにて

期間限定(4月20日まで)で展示される(通常東京都内展示)ことになり

その展示式典の除幕式にワタクシ守屋も招待頂くことになりました。

ぬぁんと阿部寛氏本人が出席との事。

 

東宝さまより事前に式典の台本やら進行表やら頂いてたんやが

ゲストに  「あべのべあ」  「守屋徹志」

と書かれてるのみ。

おいおい、そんな大事な式典のゲストにワタシだけ って。  エエんかいな・・・。

最初はそのお話を東宝様に頂いた時、ワタシは緊張から全ての臓器を吐き出す恐れがあるので

やんわりお断りしていたんやが、是非是非 出席してください!と仰って下さったので

「これも何かの御縁だ・・」と自分に言い聞かせ、出席させて頂く事に。

 

 

4月15日、式典の2時間前にハルカス入り。

 

控え室にて司会者の森川みどりさん(シネマコミュニケーター)と進行の打ち合わせ。

本番前に一度式典の現場を視察しましょう・・て事で58階の会場へ。

 

会場をザ~と見渡すとワタシの妖怪アンテナがピコピコ反応!

 

なななんとマスコミ席のド真ん中にはあの浜村淳様がお掛けになっているではないか!

ゲゲゲ!

 緊張MAX!!

 

もう最上階から飛び降りて逃げ出そうかと思ったが全面ガラス張りなのでそれも無理。

もう逃げられません。周りも多くの東宝クルーによって厳重に包囲されております。

指定のマスコミ席に座らされ阿部氏の登場を待ちます。

 

当時800人の入場者がザワザワし始めます。。

 

テーマ曲が流れ始めいよいよ阿部氏が入場してまいりました。

 

おもむろに登場する阿部氏。

 

    やはりデカい。

 

    やはり「濃い」

 

ド派手なスーツに身を固めた巨人。

 

もうこの巨人に喰われてもイイや・・・。  と思った瞬間、緊張から開放され

進行を楽しめる気持ちに。

 

次にあべのハルカスのキャラクター、上から読んでも下から読んでも「あべのべあ」が登場。

会場のムードも和やかに。

ちなみにこの あべのべあ、ハルカスの展望階の記念撮影場所にはウチで製作した

お人形がありますよ。    コレ↓↓

 

あべのべあ.jpg虹はLEDにて光らせてあります。  キレイだよ。

 

そして阿部氏による像の除幕が 3!2!1! で行なわれ、

 

阿部氏が一言

 

    「やっぱり 裸か・・・」

 

で会場 爆笑。

 

そりゃそうでしょ。テルマエっつーたら阿部氏の見事な身体も見ものの一つ。

パートⅠよりはるかにビルドアップされたパートⅡ。

まさに彫刻な身体。

 

 

102575.jpegそこへ司会者が

 

本日は特別にこの石像を製作したポップ工芸の守屋徹志さんを

ゲストにお招きしております!!  と。   

 

さぁこのワタシを喰え! 阿部氏!

 

と身を捧げると 阿部氏、やさしい瞳で見つめるわけですよ。

もうワタシもメロメロです。

 

  ・・・・抱かれてもイイや。  て気持ちになりますよ。 老若男女 誰でも。

 

 

「抱かれてもイイや」 の図  ↓↓

102576.jpeg阿部氏、石像を舐め回す様に鑑賞。

石像のヒゲの部分をやたらと撫で回し低~い声で、「よく出来てる・・」 とご満悦。

 

その後、目線は腰のタオルへ・・。

 

 「大丈夫?めくれて中が見えたりとか無いですか?」

 

  ・・「ちゃんとタオルは樹脂でガチガチに固めてあります」

 

次に阿部氏、足の指をガン見!

 

「凄い!足の指の長さまでちゃんと私の形に表現されてるじゃないですか!」  と驚きの様子。

 

何故そんな所まで解ってらっしゃるんですか? と。

 

「全て調べさせて頂きました。 日本で一番、阿部さんの身体を知る男です」

と述べさせて頂きました。

 

そのあと少しトークさせて頂き、無事に式典終了。

 

 

 

いやー、ホントにイイ経験させて頂きました。

どんなお仕事でも、長いことやってますと色々な事と遭遇する事になりますなぁ。

お蔭さんで新聞、テレビやら顔や名前出まくりですわ。

今朝も遠い友人から電話がかかってきて、「めざましテレビ出てたやろ?」とか。

 

ワルイ事はできまへんで!そこの旦那!

明日はアナタがクローズアップされまっせ!!

気ぃ付けなはれや!!

 

 

映画「テルマエロマエⅡ」は4月26日(よい風呂の日)に公開です!!

前作で興行収入59.8億円を記録した大ヒット作!

是非、皆様御誘いあわせの上映画館へGOGO!

 

 

ではでは。

 

 

 

 

 

 

NU茶屋町のぬ~

こにちわ守屋です。

 

暖かい。

大阪、昼間は25℃超えの夏日。  どないやねん一体、もう11月でっせ!!

通勤途中にヒマワリの花が満開で咲いてるトコがある。

もう訳わからん・・・

ココはどこの国?  季節は何?

昼間ごっつ暖かいので油断して薄着してたら夜は激寒やったりで。

おかげで先月はウチの会社、みんな風邪ひいてしもて大変やった。

皆一様にノドの激しい痛み、微熱、全身がとにかくダルいといった症状で・・

そしてしつこい! なかなか治らない。  処方された抗生剤飲んでも。

しかも一旦回復したと思いきや、再び頭痛が発症するなどして完治するのに

2週間はかかったか・・・

何か風邪とは違う病気やったんかな?

社長は家で飼ってる小鳥から鳥インフルエンザもろたんちゃうか?とか言い出すし、

スタッフの一人は製薬会社が空中から謎の耐性菌をバラ撒いて風邪薬の売り上げを

UPさせる為の策略や!  とかヌカし出す始末。  なんてこった・・・

おかげで何とか皆回復したんやがメチャ忙しい最中やったんで一時はどうなるか 思た。

皆さんも気ぃ付けなはれや! そろそろホンマにインフルエンザの時期到来やしね。

 

さて今回の製作日記、早よ書かな書かなっ!! って思ってて、とうとう間に合わなかった

記事を書きます。 ゴメンナサイ。

間に合わなかった、つーのは秋のSALEのお仕事だったから。

    コレ  ↓↓↓

ぬー5.jpgそう、NU茶屋町のオータムフェアの期間の展示造形品だったもんで・・・

あぁぁ・・・・9/17~10/23までやんか。

えらいこっちゃ。今更紹介しても、もう現場にあらへんがな。

ま、しゃーない。書きますわ。

 

今回はこの缶からデロ~ってしたたるペンキの造形。

色々造ってますやろ(^^;

 

先ずはまだ見積もり段階でプレゼン用に製作したプロトタイプ。  ↓↓

コレを持って営業マンが他社と競い合うのでヘタをこく訳にはいきません。

しかしプレゼンモデルはサービス同然なのでウチの儲けはありません。むしろ赤字。

でも儲けが無いと言って手を抜くと確実にそのお仕事は他社へ流れます。確実に。

クオリティがとにかく問われるので、いくら儲けは無いといって弊社アルバイトや若手に

任せる訳にはいかず、ワタシら主要メンバーが造る訳やから、その間の作業はストップするわで

さらに赤字必至!

でもココで踏ん張らないと次に繋がりませんから。

ぬー1.jpg頑張った甲斐あり、無事に本番製作開始のGoが出ました!

プレゼンの段階で細かなデザイン変更を済ませ、原型の製作。

この缶を2セット製作(両面)なのでこの画像に見えてる範囲を4セット製作します。

ぬー2.jpg4セット必要やからこの原型をシリコンで型取り

シリコンが流れ出ない様に油土で土手を付けます。

ココにシリコンを流します~。

それだけではフニャフニャなので上からFRPでバックアップ(補強)を入れて型は完成。
ぬー3.jpg

次に型の裏からFRPを積層していく。

形状的には樹脂を流し込んでもイイんやがある程度の強度は欲しい、という事だったんで面倒でも

ガラス繊維を入れ強度を上げます。

かなり細いデザインなので通常のガラスマットではうまく貼る事はできまへん。

よって今回は「ロービング」というガラス繊維を使う。

普段使ってるのは数センチにカットされたガラス繊維を不織布状にバインダー(糊)で固めたモノ。

このロービングつーのはまだカットされていない長~いガラス繊維をある程度の束でまとめてヒモ状にグルグル巻いたモノ。

コイツを画像の様に丹念に何本も沿わせて樹脂で固めます。

 

ぬー4.jpg鉄筋を入れて補強する場合もあるんやけど、この細さじゃ針金程度しか仕込めないので強度が

上がらないんで面倒でもコレが最強かと。

このあとバリを落とし下地&塗装で完成。

缶にもロゴペイントを入れて。

本来、ペンキはこんなにデロデロしたものじゃ無いんやけど、コレくらいオーバーめに厚みを付けてやるのがディスプレイ造形としてはベストなのです。

わっ!まるで妖怪人間のオープニングのヤツみたいやっっ!

ぬー8.jpgで、コイツをどの様にディスプレイするかと申しますと・・・・

     こんな感じで。    ↓↓↓

 

ぬー6.jpgNU茶屋町の名物門番のヌー君の足に突っ込んじゃいました(笑

狛犬の様な迫力は皆無やが左右一対でかなりのインパクト。

ぬー7.jpgこのヌー君(ちゃん?)季節ごとに色々とイジられてます。

何頭も量産して身体に派手なペイントされたり、夏は浮き輪を被せられたりして。

この遊び心、さすが大阪といったところでしょうか・・

 

ではまたー!

 

 

またまたテレビ収録ありまっせ!

どんも。

最近サボり過ぎですわなぁ。

 

色々ありますんや、ウチも。

 

とうとう逆ギレモードで反撃。

ホンマは毎日更新してや~ と社長から言われとるんやが なかなかどうして。

いっその事ツイッターに変更したろかしら。

せやけど製作日記やからなぁ。

いちいち工場の細かい事つぶやいても仕方ないなぁ。

「最近研磨ばっかりかよ・・」

とか

「社長、よ~クシャミしよるわ」

とかつぶやいても全然オモロないわなぁ。

 

アカン!頑張ってちゃんと日記を書きますのでよろしく。

 

で、

タイトルにあります通り、またまたテレビの取材が近日あります。

関西テレビ(関テレさんウチ好きやな~)の朝の

「よ~いドン!」て番組の「となりの人間国宝さん」てコーナー。

円 広志さんか月亭八光さんが各地の駅からぶらぶら散策するコーナー。

今回、近鉄高安駅周辺ををブラるそうで、その内のひとつにウチの会社が選ばれた模様。

 

や、実の所、このコーナーに応募しろ!と、随分前から社長に言われてたんやけど、

向こうからわざわざ来てくれるみたい。ラッキー♪

 

取材の日程は今週の木曜(21日)の午前中から昼過ぎまでの予定です。

放送日はまた追って連絡いたします。

お暇な方はその日覗きに来てみては?

 

さて製作日記の方は何を書こうかの。

溜まりに溜まっておるから何を書こうか迷うわ。

 

あ、そや。

もうすぐ公開の映画のやつ書こか。

 

来る10月29日ロードショーの映画

ユニバーサルスタジオがおくる「怪盗グルーの月泥棒 3D」の製作日記いこか。

(詳しくは www.tsukidorobou.jp/)

 

 

今回は映画の宣伝用に、登場するキャラクター「ミニオン」の製作

大阪梅田のナビオの映画館に展示されるとのこと。(もう撤去されてるかな・・)

 

大きさは80cmのかわいいサイズ

スチロール原型から。

いつも通りスケッチから

ミニオン1.jpg

輪郭をカットして・・・

ミニオン2.jpg

今回は厚み15センチでのレリーフ(裏側が平らなヤツね)で製作してください。との事。

だんだん形が見えてきましたなぁ。

但し厚み15センチという設定なので普通に彫っては立体感が乏しくなるので、ある程度絵画的な表現(彫り方)が必要になってきます。

ミニオン3.jpg

一応完成。でも厚み15センチでは限界がありますわ。

一番強調せにゃならんメガネの部分、もっと出た感じにしたいなぁ・・て思ってたら

クライアント様から「別に15センチ以内に収めなくてイイっすよ」て。

もっとはよ言うておくれ・・

ミニオン4.jpg

 

ミニオン5.jpg

だったら話は早い、メガネ部分に厚みを付けさせて頂きましょう♪

で、納得のいく厚みに改造したら早速塗装です。

え?いきなり塗装?  て声が聞こえてきそうですが、いきなり塗装です。

ミニオン6.jpg

FRPはしないの?  しません。

何故ならそれは「ご予算」という子供には理解できない大人の事情があるからです。

当然でしょう。

これらの宣伝用の展示造形物、展示期間は長くて一ヶ月といったところ。

壊されようが安けりゃイイって場合もあるのですから。

当然かと。

水性塗料で塗り塗りします。

はい完成!

ミニオン7.jpg

エアブラシで影も入れてあります。

お腹のマークはフリーハンドによる手描き。

スチロール造形なので表面に小さな凸凹があるのでこの様な綺麗な直線やらは意外と大変なのだ!

ミニオン8.jpg

バナナ妖怪?薬のカプセルキャラ?  ・・妙な生物である。

ミニオン9.jpg

メガネも納得のいく奥行きになって一安心。

ミニオン10.jpg

瞳の瞳孔もちゃんと描いときました。
ミニオン11.jpg

んでお約束の「植毛」も。

お客さんがケガせぬ様、毛はゴム製。  プルプルなびくところが これまたキモい・・や、カワイイ。

ミニオン12.jpg

このミニヨン君、スチロール造形なので本来なら絶対に人の手の触れない所に展示するのが鉄則なんやが、ななぬぁんと、普通にボードに貼り付け、手の届く床に立たせて展示するとか!!!

オ~マイガ~・・・・・  

 

多分今頃、毛は全て引きちぎられ、子供らの北斗百裂拳で穴だらけになってるかも・・・

 

今どーなってるのか、ある意味見に行ってみたい作品になりました。

ミニヨン君のご冥福を祈り、皆で合掌!  南無~  チ~ン♪

 

ではまたまた。