さてさて前回の続き、兵庫県福崎町の妖怪ベンチシリーズの続きをば。
前回は 雪女、猫また、海坊主を紹介したけど、
今回は、 油すまし、一つ目小僧、鬼、一反もめんの4種を紹介
これらも、見本のミニチュアをお借りして、忠実に等身大モデルにします。
↓ ↓ ↓
中でも「鬼」なんかはスマホ片手に自撮りしてるチャラいデザインで最高!
一反もめんも、最初からデザイン上で口の中を顔出しパネル風にくり抜いたものにしてあり
鬼を含め、インスタ映えを狙った今どきのデザインでおもろい。
作者さんのセンスの良さが窺われますなぁ。
今回も各妖怪のサイズの割り出しは慎重に行いましたよ。
特に人の形をしていない一反もめんなんかは大きさの設定が難しい。
あまり小さすぎても顔だしパネルとしてはアウトだし、デカすぎると
強度や設置場所のスペースの問題などがある。
何より顔出しパネルとして重要なのが口の大きさである。
日本人の平均頭蓋骨サイズを割り出し、一反もめんの
口のサイズを設定。
顔出しパネルとか言ってるが本来の正しい使い方は
このミニチュア模型の作家さん曰く、「顔出し」 では無く 「顔入れ」だそうだ。
出しも入れも可能なリバーシブルとの事。 お洒落さんな一反もめんである。
各種妖怪、そんなことを協議し仕様が決まったらスチロール原型の製作に。
そして監修でチェックを受け、OKが出たら石膏で型を取ってFRP成形にー。
で、FRP成形が終わると内部鉄骨を組んで組立てまする。
内部鉄骨で一番大変だったのは油すまし。
体内にガッツリとパイプを溶接して補強。
これくらいやらないと、人形の上に乗ったりするおバカさんが稀にいらっしゃるので。
その他の妖怪もどんどん仕上ていきます。
全てのFRP作業が終わると、いよいよ最後の工程の塗装です。
ワタシの場合、基本的に必ず最初に目玉から塗ります。
何故かって?
それはご飯の時、大好物のおかずを先に食べるか最後に食べるか?程度のこと。
好きな順番に塗ればイイんですよ、別に。
ウソウソ。
ちゃんと理由はあります。 でも説明が面倒なので割愛。
油すましが出来上がる様子 ↓↓
上の画像、良く見て頂くと解ると思うが↑↑、この油すましのデザイン、油の壺から注がれた油が
ウニャウニャ変形して妖怪になるという面白いデザイン。
液体が固体になっていく、という感じなので表面のツヤの調整も変えてます。
注がれて直ぐの油は液体なのでツヤを付けてあり、どんどん固体化して妖怪に
なって行くほど、つや消しにしています。
サンプルのミニチュアには無かった表現ですが、こーゆー遊び心は
自分のセンスをアドリブで勝手に入れて行きます。作者に怒られない程度に。。
7種の妖怪の最後に塗ったのは、このチャラい鬼。
でも、なんだかんだで全て無事に完成。
一応最後は記念撮影しておきます。
無事に完成してホッとしてるのも束の間。
お次はこれらを4tトラックに積んで福崎町役場まで搬送&設置が待っています。
役場に到着するとテレビの取材班が待ち受ける。
現場で一体ずつコンクリートアンカーで固定していく。
全部で50本くらいのカンカーを1人で打ったと思う。
まぁ、とりあえず無事に全ての妖怪の設置を終え、大渋滞の中、トラックを運転して帰社。
製作工程の画像をまとめ、完了報告書を書いて全て終了~♪
しかし永かった。製作開始から約半年。
もう、こんなペースで仕事するのは御免や。
とか言いつつ、
もう既に今期の妖怪の製作は始まっておりますよ。
今期は倒れない事だけを目標に、来年の四月まで
頑張ろうかのう・・・。
でももう、この時くらいに相当無理をしないと間に合わない様な
状況でございます。 大丈夫かしら・・・・・・。
ま、何とかなるでしょ!
ではまたー。