今朝、掲示板に関東の看板屋さんから書き込みがありました。
内容は造形物の見積もりの付け方についてのお問い合わせでした。
すぐにウチの社長が返信しておりますが、まさにその通りで、このお仕事、見積もり出すのが非常に難しいんです。
見積もり段階でその造形物の詳細がハッキリしているのは皆無で、大きさと、だいたいの形だけが解るのがほとんどです。彩色についても何色使いかなんて分かる筈もなく、こちら側で想像します。
こんな世界ですから実際に決定して製作してみると、やたら時間がかかってしまったり、金物の追加などで余計に経費が掛かったりで大変なことになることもしばしば・・・。
それでも掲示板の方の様に、実際に立体モノをはじめてみたい、という方(看板屋さんがダントツに多いです)が大勢いらしゃいます。
以前も、ウチの工場にはるばる長崎県から一ヶ月くらい住み込みで造形をマスターしに来られた看板屋もいました。
でもどうでしょ、この業種、他の業種に比べ、かかる日数や労力からしたら、かなり割の悪いお仕事かな?とも思います。だから我々、造り手は、少しでも早く製作出来る様に日々考えてます。
でも、いつもブログに書く様に、ホンマにやってて楽しい仕事であるのは確かですわ。
見学者や実際ウチに来て何か造って帰る人が後を絶たないのがそれを証明してるんかな。
このブログで色んな造り方やウラ話書いてるけど、その掲示板にはそれが大変参考になってるということも書かれていて、何かウレシイデス。
一般的にはウチらみたいな造形屋はその製作技法や技術を他に絶対教えようとしません。
当然でしょう。それで経営されているんですから。
でもウチの社長は違うんです。
最初は社長も一般的な看板屋からのスタートだったんです、そう普通の平面の。
ある日、知り合いの看板屋から、どうしても立体の看板を他より安く造って欲しいと頼み込まれ、一度も立体物を造った事が無いのに半ば無理矢理引き受けて右も左も解らないまま造ったのが、かの有名な大阪道頓堀の「金龍」ラーメンのあのデカい龍なのです!!
当時は今みたいにネットで検索も出来ない時代。しかもさっき書いたみたいにこの業界、どこの造形屋に技法を問い合わせても一切話すら聞いてくれない世界。
触った事もないFRPを駆使し、トライ&エラーの繰り返しで、奥さんと二人でやっと完成させたそうです。
社長のそんな大変な過去があって、今のポップイズムがあるのです!
毎月開催してる「造形教室」、「常時、工場見学OK!」、「造りたい人集まれ!」等、
それらはそんな社長の辛い想いからの発想なんですよ。
社長の考えるポップイズムは、他に技術教えたら同業者が増えて仕事が減る・・とか、そんなショボいもんじゃ無く、ドンドン教えてもっともっと立体造形物を造る業者が増える事で、より造形物の価値や魅力が見直されて業界が活性化され、そして何よりそれらが街に溢れ返っているのを想像しただけで楽しすぎるやん!てのが狙いなんすよ。 ・・多分。
ワタシ守屋が社長を見てる限りそう思う今日この頃。
今日は珍しく画像添付は無し!どや!
あ、そうそう、その掲示板に追伸で、ワタシ守屋を心の師匠と書いてはるみたいやけど、間違ってもアカンよ、そんなんは。ワタシみたいなの師匠扱いしたらエライ目に遭うよ。
まだ大丈夫、今なら軌道修正は出来るからもっとマシな人を崇めましょう。