ども!
明けましておめでたい守屋です!
2015年ですよ。
早いねぇ・・・ ノストラダムスが人類滅亡言うてから15年以上経つんやで。
不況や天災やら色々あった世の中だけど、何とかちゃんと生きてるもんな、ワタシ。
ありがたいね。
一日3回キッチリ腹が減って、一日1回寝る。
当たり前だけど、この一連の動作の有り難味が段々解って来たよーな気がする。
健康の有り難さ。
もうジジィやな、ワシも。
煮物やらが旨いと感じたり、シナモンや山椒やらが効いた物が旨いと感じる瞬間があったり。
許せない人が許せたり。。。
いま、平均寿命の半分を越えたトコらへんやけど、どんな爺さんになるんやろ?
子供の頃、歳をとったらゾウガメになりたいと真剣に思っていた病んでたよーな時期もあったけど
今は自分の老後のイメージが全く湧いてこない。
考えたくないのかな・・・? こんな世の中やもんなぁ。
さて、今年の干支は未。
テレビみてたら羊とヤギの鳴き声違いのものまねしとるヤツがやたら多いな。
全然オモロないのに。
そんもんワタシは幼少の頃からやっとるわ。
羊の造形の記事書こうかと探したけど見当たらないので独断で河童にします。
つーか、ちょうど一年前のこの河童(兵庫県福崎町の)を必死で作ってましたので。
一年も書こうと思って放置。 アカンがな。
ではスタ~ト!
兵庫県福崎町の地域振興課の職員さんから「カッパの人形を造りたい。」と相談がありました。
また後ほどイメージの人形の画像送りますんで見といて下さい。 と。
「あぁ、またご当地ゆるキャラかいな・・」 と思い添付ファイルをクリック。
なな何ぢゃっっ!!!!
妖怪大辞典とかに載ってそーなカッパやん!
しかもNSP(造形の上級者とかが使う粘土)で造っとるがなっ!
この地域振興課の職員、タダモノでは無いな・・。
お会いして打ち合わせ。
「やっぱり。」
ガッツリ趣味の範囲を超えたプロでした。
内心、「正直こーゆー方、厳しいから苦手なんよなぁ」
と思ってお話してると、まーオモロイ人。
同世代もあってか盛り上がる盛り上がる。
打ち合わせか何か解らんくらいに。
でもまぁ、お堅いお役所の人なのでキメるところはビシッ!と妥協無しに
求めて来られます。 オ~怖っ!
幾度と無く月例会議を繰り返し、機械設計や土木工事業者とのすり合わせが行なわれます。
会議の半分は、下ネタ会議なのですが。。。。。。。。。。。。
ウソですよ。 ホンマにガッツリ真剣に打ち合わせをし、各寸法、工程協議を行ないました。
全く違う業者同士、ましてや造形屋という、彼等には経験の無い業種を挟んでの会議です。
キッチリ機械設計してもファジーな造形物が絡むと計算が全て狂う様です。
バッチリ計算していても、「やってみな解らんなぁ」という言葉が最後には出てきます。
悩んでいても納期は迫る。
例のミニチュアを基に原型の製作開始。
今回、池の中に(水中)設置するタイプと陸上に設置するタイプの2体の発注を頂きました。
陸上タイプで原型を造り、水中タイプはそれを改造して使う事に。
コレが陸上タイプのポーズ。 ↓↓
右手に握るのは「尻子玉」
カッパが人間から抜き取ると云われる架空の臓器。
この原型を型取りします。
その型を使って各パーツを2個ずつFRP成型する。
コレが上記の原型から改造された水中バージョン。 ↓↓
同じ型から造られたとは思えないくらいの違いでしょ?
その後、ツメや皮膚のディテールを造り込んで行く。
「ワニ皮」をイメージしてくれ。 と打ち合わせで言われましたので、こんな感じで。
全体のフォルムが完成したところで一旦、装置に組み込み特設プールにて昇降テスト。
知らない方もおられるといけないので申しますが、このカッパ、水中(池)からガバッと突然現れ
静かに沈んでいく・・ というものです。
カッパの台座に青い鉄アレイが置いてあるのがお解かり頂けると思う。
前後左右の重さバランスを出して常に水平を出すデータを取ったりする。
スライド部は機会屋さんが設計したものやがコレがなかなか上手くスライドしない。
机上の空論では片付かないのがこの手のお仕事の定石。
ホームセンターに何度も走り、仮の冶具を製作したりして、極寒の中水浸しになり
それはもう大変でした。
大の男達が何人も寄ってたかってカッパごときに真剣にやってる姿、ちょっと感動した。
何とかデータも取れ、河童は再びポップ工芸に運ばれ、最終の仕上げを始めます。
先ずは眼球の塗装から。
イエロー系の猫目で、とう事なのでこんな感じに。
塗り終わった目玉をマスキングしてボディの塗装。 ↓↓
基本的にプレデターの様な配色で、とう言うことなのでそれを参考にしながら・・
設置する場所は目線から数メートル離れた所なので細かな部分は見えないんやが、
発注主が妥協を許さない男なので、それはもう、細かな所まで塗装してあげました。
皮膚の透け感とか毛細血管とかも。
今回、担当の職員がどうしても譲れない条件だったのが「毛の植毛」。
通常シリコンゴムなんかで造られた造形物には植毛は比較的簡単に(大変な作業だけど)行なわれるんやがゴリゴリのFRP造形に植毛なんぞ聞いたことが無い。
屋内のお化け屋敷なんかではヅラを被せりゃ簡単に出来るんやが、そんなヅラ、屋外の水中でどれだけの耐候性があるかなんか容易に想像がつく。
すぐに抜け落ちてハゲ散らかすことになる。
布地屋で糸を探したり、釣具屋でテグスなんかも探した。
コスプレ用のヅラなんかも比較したり・・・・
散々探し回り見つけたのがコレ。
工事現場なんかでよく使われる黄色と黒の虎ロープ。
この素材なら屋外、水中でもバッチリ。
コイツを購入し編まれたロープを1本1本まで解いていくと
これまた、ちぢれ具合も理想的。
ただ・・・コレに効く接着剤は無い。 皆無。
仕方ない、頭部に穴を無数にあけ、ロープ状のまま通し
毛先を1本1本解いていくという、目眩がしそうな作業でしか取り付け不可。
あざ笑うかの様なカッパの表情にイラッときたので植毛前にチョンマゲリボン付けて
記念撮影。 ↓↓
要はこーゆー感じね。 ↓↓↓
ロープ同士は頭部内にてステンレスの針金で結んであります。
数年、数ヶ月後にこの頭髪も植え替える事を想定してある為。
とりあえず全てのロープを解いた状態。 ↓↓
ワッサ~ッ!! て感じなのでコイツをキレイに散髪します。
こう見えてワタクシ守屋、美容師経験が3日ほどあるのでチョキチョキ楽しくカット♪♪
つーのはウソ!
楽しいはずが無い。
この時、夜中の4時!!
ロープを解く作業があまりにもあまりにも大変で時間がかかり、納品ギリギリでこの有様。
この時ばかりは福崎町の池にに隕石でも落ちてくれないか祈ってました。
キレイサッパリ男前にキモ可愛くなりました。
無事、納期に間に合い、例のテスト用特設プールに持ち込み最終チェック。
このカッパの下の茶色い丸い台座にエアーが送り込まれ、その浮力で昇降する仕組み。
この方法が一番安上がりでシンプルな構造。
まともに機械式のメカ駆動にするとレクサスどころかベンツあたりも新車で買えるくらいになりますから。
でも、エアーを送って浮き沈み・・ とか簡単に言ってますが、こんなコントローラーを製作し
エアーの供給量やタイミングなんかをプログラムしてんだゾ。
んで、肝心な設置の画像とか動く動画やらは? 言いたいところでしょう?
無いんです。 取り付け作業で必死でしたので撮れてません。。
ご心配なく。
このカッパ、物凄く話題になりメディアに取り上げられ、超有名になってますんで
「福崎町 河童」 なんかでググッてみて下さい。
腐るほど画像やら動画あがってますから。
新年一発目の製作日記、長々と綴りましたが最後まで飽きもせず
お付き合いくださりありがとう。
がんばって二発目、三発目と続きます! 多分。
乞うご期待!!
では!!