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大きい事は良い事だぁ。  その1

どーも守屋です。

 

珍しく今、工場のスタッフは全員、スチロール原型を彫ってます。

大概普段は誰か1人だけ彫ってるくらいなんやが。

こーゆー時は樹脂や塗料の資材屋さんが慌ててやって来る。

何故なら、全く樹脂やらを使わないので発注をもらえなく、まさか他社で購入しとるんかと

思ってドギマギしながら営業マンが来られます。

その姿が面白いので「よそが安かったので最近はそっちで買ってるョ」と言ってやると

抹茶ソフトの様な顔色に変色します。  実に楽し。

な事してストレス発散しております。

 

話は変わり、久々に小さいサイズ(20センチ)の卓上フィギュアのお仕事が入ってきました。

皆さん、このミニサイズのフィギュアは安く作れると思われるのか値段を聞いてビックリされる

方が多いです。

皆さんは市販の数千円のフィギュアの価格帯が相場だと思っておられる様で・・。

ましてやUFOキャッチャーで運が良ければ数百円でゲット出来るんだから。

そんな値段で単品のフィギュアは作れません、 絶対に。

数千個やら量産してはじめて出来る価格ですよ。

 

皆さん知ってはります?

市販フィギュアの原型は、実力派の売れっ子原型師などで一体40~60万円(例)とかで製作してます。

それを1~3ヶ月ほどかかって作るのですから日割りで計算すると大した金額では無い

事が解りますよね。

個人で請けているような造形師さんならまだイイですけど、我々の様な会社組織ですと

人件費や諸経費を差し引くとトントンどころかヘタすると大赤出ることもある

恐ろしい案件なのです。

 

ハッキリ申します。

 

「小さいのは儲けが無いです」

 

夢を潰したくないですが、いまフィギュアの原型師を目指して頑張ってるキミ。

 

   「大変やぞ、この世界は」

 

上記の様な一体60万ほどで請けれる造形師は、例えるなら

南極の氷山の上にピラミッドを乗っけて、その上にスカイツリーを立て、

その先端の避雷針の先っちょにしがみ付いてる方々のみです。

フィギュア原型でまともに食べていられる方はそれ位の確率と言っても過言では無いです。

 

    「趣味で楽しくやりましょ、フィギュア製作は。」

 

正直、小さいのはキライです。

だから今回の製作日記はデカイのを紹介します。

 

少し以前、結構立て続けに巨大化シリーズがあったので書きます。

 

 

第一弾は「古洋書」の巨大化です。

実物の何倍でしょ、6倍くらいかな?  体積は何倍かな?

計算するの面倒なので割愛。

 

         スチロール原型↓↓

古洋書ブログ.jpgあ、今回のこの巨大洋書の製作は、前回のブログで紹介しました若手ナンバーワンの実力の

垣内サンです。

しばらく垣内サンの作品紹介しようかと思います。

この垣内サンは舞台美術関係の専門学校卒でして、それまでは舞台のパネルの絵を描いたり

木工やらが多い世界で活躍してはったんですが、ど~しても二次元より三次元がやりたい、

言うてポップ工芸に「給料いらんから仕事おしえてくれ」と武者修行から始めた変わり者。

その実力が認められ、いまや立派なウチの社員としてワタシを追い越す勢いで四次元の世界へ

行ってしまうのではないかと焦っております。

 

スチロール原型にFRPをコーティング。

古洋書ブログ (1).jpg三冊あるので1個原型を起こして型で量産もアリなんやが、この様な平面の構成の造形物は

面の凹みや反りなどが出やすく、それを防ぐ為に内部に補強の板などを入れたりする事が多いんやが、その分、意外と重量が重くなる事がある。

なので今回はオーバーレイ(スチロール原型に直接FRPを貼る事)にて製作。

 

FRPを貼ったあと、表面にパテを入れ研磨。

 

 

その後塗装へ・・

先ずは本のページの部分から。

紙のベース色を入れてから細い線状のマスキングをし。濃い目の色で濃淡をつけます。

古洋書ブログ (2).jpg

 

 

 

古洋書なので何十年経たような色褪せ古ぼけた色味にします

ディスプレイ品なので実際より少しオーバー目にやるのがコツ。

このあたり、彼女の舞台美術で得たセンスが垣間見れます。

手放しで放っておいてもジャンジャン塗装してくれます。

古洋書ブログ (3).jpg  

 

 

お次は表紙と背表紙の塗装。

自ら適宜デザインしたマスキングを製作しエエ感じに塗装。

これらの文字やマークやらもベッタリ塗らず少しかすれた感じにボカシて塗っています。

古洋書ブログ (4).jpg

 

 

シボ加工された皮の表紙の感じも忠実に再現しないといけません。

マーブル状の塗装も。

あと、本のカドの擦れて色が剥げた感じも塗装で表現します。

古洋書ブログ (5).jpg前回のブログにも書いたが、彼女の作業中の資料画像のほとんどが上記の様に残像化してるのばっかりです。

どんだけ素早いスピードで作業しとんのや!?

古洋書ブログ (6).jpgこの古洋書はアリスの不思議な国をイメージした撮影スタジオのセットとしてディスプレイされます。

よってお客様が直接触れたり、座ったりするのでキズが付きにくいようにクリアー塗装を厚く吹き、最終的に艶消しに塗装し、三冊重ねて接着し完成。

古洋書ブログ (7).jpg

近くでみても、とても1メートル以上ある本には見えないね。

ホンモノみたい。

古洋書ブログ (8).jpg重厚な感じ出てるけど、物凄く軽いです。

二人でヒョイ!と持ち上がる軽さ。

スチロール造形の良い所。

 

さぁ、お次も垣内さんマジックを紹介しまっせ~!!

 

ではマタマタ。