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近大マグロ その1

「近大マグロ」

皆さん知ってはります?

マグロといえば、あの豪快な一本釣りが有名。ワタシは松方弘樹とか梅宮辰夫のイメージ。

何ヶ月もかけた、大海原での帰って来れない漁のイメージもありますな。

ご存知の方も多いと思うけど、このマグロ(クロマグロ)、自然界では乱獲やらで相当減ってきてるとかで、欧米では大西洋クロマグロをワシントン条約の対象種として保護し、乱獲に歯止めをかけようとしてるくらい。

そうなれば食卓からクロマグロの料理が消えていくかも・・・ クジラみたいに。

そんな理由や高級魚の代名詞であるマグロを養殖し、より安く安定した供給を目ざし、水産庁はなんと1970年からマグロ養殖プロジェクトを発足。

それに近大やらその他の機関が取り組み、近大はクロマグロの完全養殖に成功したとか。

完全養殖って書いたけど、マグロの養殖自体はそんなに珍しいものではなく、我々庶民が食べてるのはほとんどその養殖モノ。

でもその養殖と完全養殖とは訳が違う。

普通の養殖モノのマグロは、稚魚を海から捕獲し、イケスで大きく育てたもの。そう、ウナギみたいに。

完全養殖とはイケスで育った親魚から卵を採取し人工孵化させて育て、それが親になりまた卵を孵化させて育て・・・のサイクルをくり返したものを言うらしいですわ。

言葉では簡単やけど、それはもう大変な道のりだったとか。

とにかく稚魚がどうしようもなく困りモノで、皮膚が弱く、手で掴んだだけで死ぬ、車のライトの光とか船のエンジン音等でパニックに陥ってイケスに激突して死ぬ、挙句の果てにはお互い共食いをするという、相当なおバカさんぶり。

でも近大はその壁をクリアし、コンスタントに完全養殖を続けているとか。  スゴイね。

自然界では160キロもの猛スピードで泳ぐと言われるクロマグロ。さすがにイケスでは運動不足の様やけど、逆にそれはトロの部分が多いマグロになるというから面白い。

で、今回の日記はその近大さんからクロマグロの製作依頼があり、それを紹介。

近大さんに、すでに展示されているマグロの大きな(2.7m!)剥製があり、剥製では劣化や損傷が進行するので、それのレプリカを製作して欲しいとか。

その写真から比率を割り出し、型紙を作りスチロールをニクロム線でカットし原型を製作。

近マグ1.jpg

スチロールブロックからムダの無い様に有効に裁断します。

もうウチではマグロの造形、通算で何十体造らせて頂いた事か・・・

お寿司屋さんとか居酒屋さんの看板で。

でもこれ以上の乱獲が進めばマグロ造形の数も減っていくんやろうなぁ・・複雑な気持ちになる。

近大さんに頑張って殖やしてもらわねば!!

で、慣れた手つきで原型完成。FRPでコーティングしパテで細かいところを造り込み。

近マグ2.jpg

今日はマグロについて熱く語ったので疲れた・・これでおしまい。

生き物関係になると、つい熱くなる・・・