はいはいどーも。
毎日更新を目指しているんやけど、なかなかどうして。
9月に突入しても相変わらず連日忙しくて、仕事中ブログネタを妄想してる余裕がありまへん・・
よって勢いに乗って前回からのシリーズ、「リアル物」を紹介すっぺ。
前回は「魚」、動物系のリアル造形でした。
今回はリアル造形の王道、「食品サンプル」を紹介しようかのぅ。
ポップ工芸、普段はキャラクターやらの造形が多いとお思いでしょうが、、実はサンプル業界ではちょいと名の知れた存在。
何故なら、某大手食品サンプルメーカーからの依頼が多いのです。
当然、実物の食品サンプルは、使う樹脂も違い大手メーカーにはかないませんが、ウチが得意とする所は「巨大食品サンプル」。
今回紹介する食品(料理)は「トンテキ」、そうブタのステーキ。
関西はではあまりピン!と来ない料理かな。
東海から関東あたりではかなりメジャーな料理かも。
今回、このトンテキの造形を製作させて頂いたのは、「東京トンテキ」というチェーン店。
その東京トンテキ様が関西へ初出店されその店舗の入り口に飾られるトンテキを製作させて頂く事に。ありがたや ありがたや。
通常、ウチで製作する巨大サンプル造形は1~2メートルクラスが多い中、今回はミドルクラスの60センチ。
でも小さくたって安心はしてられない。
小さい分、より緻密な造形を要求されるから。
で、先方様より頂いた資料がコレ
食品サンプルの製作は物凄いプレッシャーがある。
当然やけど店に訪れるお客様は、その店先に飾られた食品サンプルのイメージでそのお店に入るか入らないかを判断する。
当然、マズそうならスルー。
造形力で人の食欲まで誘わないといけないなんて、なんて大変なお仕事。
しかも素材はFRP等のバッキバキのプラスチックで水々しい透明感や柔らかさ、味まで妄想させなければならないのだ!
エキサイトしてもしゃーない。
落ち着いて、まずはスチロール原型から。
これが無いと始まらない。
この鉄板の大きさが直径60センチなり。
この原型にFRP貼って固める。
食品サンプル製作で毎回悩まされるのが米粒や麺、そしてキャベツなどの葉野菜類の表現。
しこも今回はそのキャベツ、千切りではないか!!!!
ホンモノの食品サンプルは、テレビなんかで見たことある人も多いと思うけど、やわらかい素材(塩ビ等)を使っているので温かいうちに実際に包丁でザクザク切って出来上がり。
しかし巨大サンプルは訳が違います。
場合によっては人が触ったり、屋外で日差しや風雨にさらされたり、かなりハード。
それらの問題をクリアしないといけないので製法や材料が全く異なる。
毎回毎回色々な製法にチャレンジして模索する。
下の画像のモジャモジャ、これが今回新開発製法のキャベツの千切り。
当然企業秘密。
で、食材ばっかりにこだわっていてもダメで、鋳物のフライパンも忠実に表面処理。
そしてひとまず塗装してレイアウト。
まだこの段階では食欲をそそる事は出きません。
ここからの小細工が勝負!
普通の造形屋の造る巨大食品サンプルならイイとこ、こんなモンでしょう。
ポップは違うよー♪
あらかじめバラのキャベツの千切りを数本造っておきます。
右側のはニンニクスライス。
↓↓↓おっと!いきなり完成画像!
表面に樹脂で製作したソースをかけ、一気にホンモノへと近づける。
つーか、食品サンプルはホンモノを超えないといけないのです。
よって、キャベツ等は実物より若干鮮やかな着色をしたり、「美味しそう」に見せる演出には色々テクニックがある。
で、上の画像のキャベツの千切りの意味、解ったかなぁ?
肉とキャベツの境目に、わざと先に造ったピロピロキャベツをパラッと乗せてます。
そうしないと、硬い樹脂で別々に造った肉とキャベツは、盛り付けると線を引いた様に境目が出ます。
それらを自然な盛り付けに見せる為の演出。
もう1つ!!
鉄板の上でソースに絡んだキャベツ。↓↓
この雰囲気を出す為にわざわざ先にキャベツのピロピロを製作していたのです。
しかも、ただソースの樹脂をデロ~とかけただけではこの雰囲気は絶対に出ません。
よく見て!
鉄板の上のソースを。
ジュージューと煮えくり返って泡立ってる様子も再現。
この様に、「美味しそう」を感じてもらうには我々造形師の様々な努力が隠されています。
で、製作記念にワタシとツーショット。(ガラ悪いので顔は切っときました)
こんな大きさです。
全てFRP樹脂で出来てる様には見えへんでしょ!
どう見てもホンモノみたい。
かの「せんとくん」の造形と全く同じ素材使ってるのにここまで変わります。
面白い仕事やろーー!
さて、肝心なこのお店、気になる方は是非行ってみて!
場所は「なんばパークス」の6階の飲食店街にあるから。
「東京トンテキ」というお店。
メチャ旨い! はず。
では次回もリアルシリ~ズ第三弾でお会いしましょう!